スコープのちょっとマニアックな話
2021年6月14日、「北海道の現役ハンターが異世界に放り込まれてみた ~エルフ嫁と巡る異世界狩猟ライフ~」(カルトマ様)の第二巻が発売されます! 宣伝と公報を兼ねて、ちょっとマニアックで専門的なトリビアネタをご紹介!
読者様から指摘の多いスコープに関する話題など私の私見で好きに書いてみたいと思います。
本小説中で取り上げている内容と一部重複しますが、スコープのこととなると案外知られていないというか、せっかくついている機能のことを全然知らずに利用していないハンターの方も多いので、解説させていただきたいと思います。
●Q.スコープにフォーカスリング(ピント合わせ)機構は必要か?
A.簡単に言ってしまうと、スナイパー・長距離射撃競技では必要、狩猟用ライフルでは不要、狩猟用エアライフルでは必須、となる。
スコープのAO機構はカメラの「ピント合わせ」のようなフォーカス修正というよりも、むしろスコープのパララックス(視差)修正のために必要な機能である。
ピント合わせ(フォーカス)がずれているライフルスコープで銃を固定し、スコープを覗く頭を上下左右に動かしてみよう。十字線の向こうの標的も下上右左に動いて見えるはずである。これがRifle scope Parallaxであり、スコープはレンズの中央で見て狙わなければ外れる理由だ。ピント合わせをして焦点を距離に正確に合わせるとこのずれは発生しなくなり、より正確な射撃ができる。
一方で狩猟用ライフルでは100m以上先しか狙わない、十数メートルというような近距離射撃は無いに決まっているので、実銃用狩猟スコープには通常ピント合わせ機構は無く100yd~∞のパンフォーカス(ピント調整不要の被写界深度が広い設計のレンズ)が一般的である。300mを超える民間射撃場が国内には無く、それを超える距離の試射ができない日本のハンターにはパンフォーカスで十分であると言える。
ピント合わせのためにレンズを回すと、工作精度が不十分で微妙に照準がずれてしまうこともあり、ピント合わせ機構があるスコープを嫌うベテランハンターは多い。パンフォーカスタイプの狩猟用スコープはピント合わせのひと手間が不要で照準が狂う要素が一つ少ないわけで、構造がシンプルで信頼性が高く、しかも軽量なところも好まれる理由である。
一眼レフカメラで望遠レンズを使う人にはわかる話だが、大口径でズーム倍率が非常に高いスコープは、光学的な構造上ピントが合う範囲が非常に狭い。上級の高価なモデルではフォーカスリングが無いとパララックス修正ができないし、シンのように獲物をよく観察したい場合は必要となるだろう。
逆に100m以下の射撃がほとんどのエアライフルではこのAO機構は必須で、これが無い狩猟用ライフル用スコープを使うと10mとか20mを撃つ時はピンボケで小さな鳥を狙えなくて困ることになる。これは純粋にピント合わせを目的としていて必須の機能である。
大きなホイール型の細かな距離目盛りが刻まれたフォーカスリングを持つ大型スコープは、実は「フィールドターゲット」というエアライフルの射撃競技のためのスコープであり、ライフル用ではない。ピント合わせを行うことで数十メートルの標的までの距離を測定するのが目的のスコープで、これを長距離狙撃用ライフルに使用するのは間違った使い方である。スナイパーライフルで15mだの20mだの距離が刻まれたでっかいフォーカスリングがついていたからって、役に立つことなどありえないことはちょっと考えればわかると思う。あの大げさで巨大なスコープは実はエアライフル用なのだ。「Field Target」で動画検索してみよう。バカでかいホイール型フォーカスリングに距離を書いた紙を張って、細かく回して競技に挑むエアライフル選手の姿が見られる。
もちろんサバイバルゲームなどで、エアソフトガンに取り付けるスコープは1J規制後の現在は100m以上先を狙ったりすることなどあるわけないので、このピント調整ができるAOタイプがお勧めとなる。マルイ純正のエアソフトガン用スコープにフォーカスリングがあるのはそのためではないかと思うし、わざわざ実銃ライフル用スコープを使うとかえって苦労すると思う。
●Q.スコープの調整ダイヤルは射撃前に調整するか?
A.狩猟用ライフルではスコープの調整は一切しない
映画や漫画でカチカチとダイヤルを回しているのは、そのほうがカッコいいからである。
絵的に「十字線のど真ん中で狙う」をやらないと、射手がどこを狙っているのか視聴者に伝わらないという都合もある。
「距離が500mだから落差を入れて4ミル下のドットで照準している」なんて画面を見せても、視聴者はターゲットの2mも上を狙っているようにしか見えず、銃に詳しい人にも「テチクルの調整もしてないし、照準も合ってない。原作者も漫画家も勉強不足www」という感想しかもらえない。残念ながら。
ライフル用スコープを見ると、調整ダイヤル(ターレット)がむき出しでそのまま回せるようになっているタクティカルタイプと、カバーがついていて触っても回らないようになっているハンティングタイプがある。
ハンティングタイプでは射撃場でゼロインを合わせたらもう調整は一切いじらないでダイヤルにカバーを取り付け、距離によって十字線に刻まれた目盛りを読んで狙点を変更する(標的の数十センチ上を狙ったりなど)というやり方をする。
結構高いスコープでも、ダイヤルを14クリック動かして照準を下げたあと、再びダイヤルを14クリック上げて戻して、動かす前と全く同じ場所に当たるほど都合よくはできていない。結局下手に触って照準が狂ってしまうというのをハンターは大変嫌うので、狩猟中は誰もターレットには触らないのだ。日本では射撃場以外で試射をすることが禁止されているので、狩猟現場でゼロイン調整をすることが不可能。一度狂ってしまった照準は射撃場でしか再度調整することができないことも理由の一つ。
実射に勝る調整方法など存在しない。せっかく実射で合わせたスコープを、わざわざ回して狂わせてしまうのは悪手だと誰でも思う。
フレデリック・フォーサイスの小説、「ジャッカルの日」ではスナイパーの主人公ジャッカルは、スコープを合わせた後このダイヤルに接着剤を垂らして、もう動かないようにしてしまうというシーンがある。調整後ロックスクリューを締め付けてもう動かないようにできるスコープも販売されている。
戦場での実例で言うと、ベトナム戦争で使用されていたスナイパーライフルのM40A1(レミントンM700)で使用されていた軍用レッドフィールドスコープのターレットはハンティングタイプと同じくカバーがついていて、動かせないようにできている。これは当時のスナイパーライフルが想定している最大射程が600m程度であり、距離によりスコープ内の目盛りを読んで狙点を変えることで足りていたからだ。そこは狩猟用ライフルスコープと大して変わらなかった。
現代になりライフルの最大射程距離が1kmを超えるようになると、標的の頭上6~8mも上を狙わないといけなくなる。これではスコープ内の目盛りの範囲を超えてしまうし、ズームアップもできなくて標的も小さく見えてしまう。こうなるとカチカチ調整する必要が出てくるし、映画のようにでっかい調整ダイヤルがついたカッコいいタクティカルスコープが必要になるというもの。
つまり国内に300mを超える民間射撃場が無く、それを超える試射ができない日本のハンターには、ダイヤルむき出しのタクティカルタイプは宝の持ち腐れにしかならないのが現実と言ったところか。格好いいんだけどね。
最近はスコープの調整ダイヤルの横にピントリングがある「サイドフォーカス」が主流になりつつある。調整ダイヤルは上と右と決まっているので、左にあるのがフォーカスダイヤル。発射前に射手がこれを回す動画があっても、ピントを合わせているだけでレティクルを調整しているわけではないので注意。
本文中でも何度も言及されているが、超長距離射撃を成功させるためには銃と同じぐらいスコープの性能、精度が必要で、「ウン千メートルの狙撃を成功させた」となると、何の銃使ってたかと同じぐらい、どんなスコープ使ってたかが興味深いはずだがこれに言及された資料は皆無である。ライフルの弾はもともと4km以上飛ぶ。1km先に当てられたということは、そこには高性能なスコープが存在していたことは間違いないのである。
●Q.スコープの調整ダイヤルを回すと照準はどれぐらい移動するか?
A.「スナイパーは撃つ前にダイヤルをカチカチする」と言う方、そもそもあれ、一回カチッとやると照準が何ミリ移動するかご承知だろうか? そんなことも知らないでカチカチやるのだとしたらやるほうがおかしいということになるので、これは覚えておいてもらいたい。
心配御無用。スコープのターレットには普通これがちゃんと書いてある。
1click=1/4MOA(1クリックで1分のさらに4分の1で角度が変わる)
1click:100yd-1/4inch(距離100ヤードのとき1クリックで4分の1インチ移動する)
通常このどちらかで表記されている
角度で表したいときは上、移動量で表したいときは下となる。普通メートル法を採用しているヨーロッパ市場では上の表記、ヤードポンド法を採用している北米市場では下が多い。
この場合の1clickはダイヤル目盛りの最小単位で、カチッ一回分である。
MOAは角度1度の60分の1の角度のことである。時計と同じで角度の表記は度、分、秒なのだ。
Ydはヤード、inchはインチ。
これ実は移動量は上下とも同じで、日本的に表記するとどちらも
「100mのとき一回のカチッで7mm移動します」となる。
ダットサイトとかの等倍の荒い照準だとこのクリックが 1/2 だったり、12倍を超える高倍率スコープでは 1/8 と細かかったりするが、「スコープの調整なんて国やメーカーや機種ごとに全部違うだろ」なんてことはなく、驚くことにこの1クリックの移動幅はほぼ世界共通、すべてのスコープが同じ規格で作られている。
スコープで調整されるのは固定された銃身に対する「角度」なので、この調整幅は距離によって変わる。
50mのとき1クリックで3.5mm。
100mのとき1クリックで7mm。
150mのとき1クリックで10.5mm。
200mのとき1クリックで14mm。
300mのとき1クリックで21mm
と、要するに移動量は狙撃距離と比例している。当然だが。
実際にスコープ調整するときは、射撃場で150mでゼロセットするとき、まず三発撃って弾痕の三角形ができたら、その三角形の図形的な重心点が下に4cm、右に2cmずれていたとして、
上下40mm/10.5mm≒4click でUP方向に4クリック
左右20mm/10.5mm≒2click でL方向に2クリック
の修正となる。試射する弾を節約したい場合はこれぐらいの計算はしてみよう。「だいたいこれぐらい」で適当に回すと、「もうちょっと」「行き過ぎた」と何発も撃つ羽目になる。
もちろん1万円ぐらいの安物スコープではこの通りに動いてはくれないので、数撃って徐々に調整していくしかない。2万円ぐらいからけっこう正確に移動してくれるようになる。
調整方向は下に当たったらUP、右に当たったらL、というのは大体どのメーカーでも同じである。
●Q.スコープの目盛りのミルドットとは何か?
A.スコープを覗くと十字線に目盛りがついている場合がある。通常これはミルドットと呼ばれる距離測定用の目盛りとなる。
先にハンターは照準調整ダイヤルをカチカチ回すなんてことはやらなくて、スコープの目盛りを読んで狙う場所をずらして撃つのが普通と書いたが、その目盛りがこのミルドットだ。
この目盛りは1000m先で1mに見える幅で刻んである。
なのでこの目盛り幅は距離500mで50cm、300mで30cm、100mで10cm、50mで5cm、30mで3cm、10mで1cmである。
ただし1万円以下の安物のコピー品スコープではこの目盛りは本物を真似してカッコウつけで適当に刻んであるだけなので正確かどうかは不明である。
スコープを買ったら、30cmのものさしを30m先に置いて、10目盛りの幅に見えるか確認してみよう。ズームの倍率を変えればぴったり合う倍率があるはずで、その倍率を覚えておくか、いつもその倍率にセットしておいてズームは触らないのも良い方法である。
通常このミルドットはそのスコープの最大倍率の時正確な幅になるようにセットされている場合が多い。
上記のズームをしてもこの目盛り幅が変わらないものをセカンドフォーカルプレーン、ズームするとこの目盛り幅もそれに合わせて拡大、縮小して見えるものをファーストフォーカルプレーンと呼ぶ。(フォーカルプレーン:2、フォーカルプレーン:1と表記されている場合もある)
ファーストフォーカルプレーン式のスコープは十万円を超える高級スコープで、ミルドット幅はちゃんと調整された正確なものであり、全ズーム倍率で使える信頼できるものであるのは言うまでもない。
カラスの全長は50cm、16ミルの大きさに見えているときは距離30mだとわかる。50mでゼロセットしたプリチャージエアライフルでは30mの時3cmほど十字線中央より上に着弾するので、1ミル上の目盛りで照準する、という使い方をする。
戦場だったら、身長170cmの人間が5.5ミルの高さに見えたら距離は約300m。
数式にすると 1.7m×1000÷5.5=309.1m
200mでゼロインしたライフルだと300mで10cmほど下に着弾するとして、300mのときの1ミルは30cmだから、1/3ミルほど十字線の下で狙う、となるだろうか。人を狙ったことが無いので正確なところはわからないが。しかしこれでターレットをカチカチ回すよりずっと面倒が無く狂う心配がないのはご理解いただけると思う。
50m射撃場で着弾が1ミルずれていたら、ずれているのは5cm。
50mm/3.5mm≒14click となるので14クリック回せば修正できる。
100m射撃場で着弾が1ミルずれていたら、ずれているのは10cm。
100mm/7mm≒14click となり同じく14クリックで修正可能。
ミルもターレットのクリックも角度の話なので、距離によって調整クリック数は変わらないことが分かるだろう。ミルドットスコープは照準調整にも大変便利なのである。
近年、レティクルにミルドットを刻んであるスコープが増えているが、それに従って 1Mill=10clickという調整が楽そうなスコープも発売されているのでこの基準も変わってくるかもしれない。
●Q.スコープのハイマウントとローマウントはどちらが良いか?
A.スコープマウントは最近高さが40mmを超える位置が高いハイマウントの需要がある。これはレンズ直径50mmを超える大口径レンズを使ったスコープはマウント位置を高くしないとレンズが銃身にぶつかって取り付けが出来ないからだ。カッコいい大口径レンズを使いたいハンターやスナイパーはハイマウントを使うしかない。いまいち人気が出ないブルパップ式の銃も構造上ハイマウントとなるのは避けられない。
しかしマウント位置があまりに高いと、今度は銃口高さとスコープ高さが離れすぎていて、距離が変わった時の着弾位置が大きくずれることになる。獲物が大きく100m以上先を狙うライフルでは別に好きでいいこのマウント高さは、獲物が鳥のように小さく数メートルの近距離射撃もあるエアライフルではどうすればよいか大変頭を悩ますことになる。
この銃口とスコープの高さに差があると急所の直径が2cm程度の鳥撃ちエアライフルでは近距離で外す、という大変恥ずかしいことになりけっこう使いにくい。エアライフルの鳥撃ちでは可能な限り小口径レンズのローマウントのほうが弾道をあれこれ頭を使わなくてもちゃんと当たる、ということになる。駆除でハト、ヒヨドリ撃ちをやる人はそちらがおすすめだ。
できればローマウントのほうがお勧めとは言え、プリチャージエアライフルではロータリーマガジンが大きく銃身上に飛び出しているし、人気の機関部がグリップの後ろにあるブルパップタイプではハイマウントを使わざるを得ない場合もあるが、それは仕方がないであろう。
狙点を上下に移動しなくても距離に関係なく真ん中で狙えば急所に当たる範囲をキルゾーン(十字線中央から見てペレットの上下動が1インチ以内に収まる範囲)と言うが、弾道計算をしてみるとこれが長距離側で広く有利なのはハイマウントのほうである。逆にローマウントではこのキルゾーンは近距離側で広い。
エアライフルでは、30m以上の中~長距離射撃が多く近距離射撃はやらない人はハイマウント。10mといった近距離射撃もやる人はブルパップはあきらめてローマウントがお勧めとなる。
●Q.スコープにイルミネーション(照明)は必要か?
A.スコープの十字線をLEDで光らせて暗がりでも見えるようにしたライフルスコープが多く発売されている。しかし日没後の発砲が禁止されている日本では役立つ場面が法的にあるわけないのが現実であり、あってもなくてもどっちでもよい。
●Q.スコープマウントリングはマウントレールで固定するほうが良い?
A.お勧めできるのはそのライフルにねじ止めする専用のマウントリングである。ハンターは標的に対してスコープを交換する、ということをしない。一度でも取り外したスコープは再び取り付けても同じ場所には当たらないので、必ず再度試射調整しなければならなくなる。軍用ライフルみたいに昼と夜でスコープを暗視スコープに付け替えたり、室内戦闘を見越してダットサイトに交換したりすることは想定する必要は無いのである。
●Q.スコープ径は30mmと25.4mm(1インチ)のどちらが良いか?
A.どちらでもよい。日本には30mm径スコープでないと獲れない獲物というのはいないので事実上猟果に差は無い。
●Q.レーザーサイトは役に立つか?
A.全く役に立たない。数百メートル先のドットが昼間見えるわけがない。弾丸は弾道曲線を描いて落ちるからレーザーのポイントとは着弾が全く一致しないし、レーザー光線を当てられた獲物は走るか飛んで逃げる。照準に使えるかどうかなど考えるだけ無駄である。
逆に言うと鳥や動物を追い払うのには大変有効なので、銃砲所持許可のない人が倉庫や畜舎にハトやカラスが住み着かれて困っている場合はエアソフトガンよりレーザーポインタで追い払うのがお勧めである。
●Q.ダットサイトは役に立つか?
A.ダットサイトは等倍でドットの直径は2MOA程度と広い。遠距離射撃には使えないし、相当明るいモデルでも真昼の雪上などでは全く見えない。
北海道では使いものにならないため使用している人はいないのだが、内地でスラッグ弾を使った森林での鹿、イノシシ猟などではこれが一番狙いやすいというハンターは多く、お勧めできるのではないだろうか。何事も適材適所。
●Q.スコープは両目で狙うか片眼で狙うか
A.初めて銃を狙うのに両目で狙える人というのはまずいない。カメラや顕微鏡同様、誰もが片目をつぶることになるだろう。なので「両目で狙うのがプロ」という人もいるが、これはケースバイケースであり個人差の話である。
等倍スコープならともかく、数百メートル先を狙う高倍率スコープでは映像が拡大されているスコープと裸眼の、右目左目では全く違う映像が脳に届くことになる。やってみればわかるが、スコープで覗いた右目の映像は、銃の向きで左目の映像とは軸がずれていて重ならない、いわゆる物が二重に見える「斜視」の状態なので、裸眼映像の左目は集中する邪魔にしかならない。これは一眼レフの望遠カメラなどで両目を開けて写真を撮るのと同じで、結局人間の脳はカメレオンのように二つの映像を同時には処理できない。これでは集中できない人は片目をつぶったほうが当たる。両目派の人が言うように「両目を開けたほうが目にストレスが加わらない」ようにしたいなら右目でスコープを覗き、左目は見えていても脳は右目の映像しか見ていないように馴らす。
要するに各自「こちらの方が当たる」方法で良いのである。索敵では両目で探し、引き金を引く時は片目をつぶるのでももちろん問題ないしそうしているシューターは多い。こんなことは個人差が大きいし、誰でもやっているうちに無意識に自分に一番いい方法に落ち着くもの。思い込む前にまず自分でやってみれば自然にわかることなのだ。
拳銃、散弾銃、軍用小銃のようにオープンサイトやダットサイトのときはどちらも等倍に見えていて斜視にはならないので両目を使うのが基本、というかやっていれば結局そっちに落ち着くのが普通である。クレー射撃などでは片目だけだと見える範囲が狭められてしまい大変不利になる。当然戦場でもそうなる。
スコープで狙うのと、オープンサイトで狙うのは見え方が全く違うのだから、話が別であり同じに考えてはならないし、両方使う人は自然に使い分けができて当然ということである。
※今後もなにか興味深い雑談等ありましたら追記していこうかと思います。




