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守護霊と人間と悪霊と  作者: 梅咲 純
3/3

雨の日の事



現在、時刻は9時10分。

ここ1年5組の教室には始業式を終えた新入生40人と担任の山岡先生がいる。

今はそのみんなを知るために自己紹介中で先ほどお嬢様みたいな容姿をしている「三河 レイドール」と言う女子生徒が紹介したことにより男子は騒ぎまくってる状況だ。

あまりにもそれがうるさいため逆に女子は男子に対し冷たい目線を向け、耳を防いでいる訳なのだが・・・

・・・・・・・。



「じゃあ出席番号31番、一橋 絆くん。次よろしく!」



「あ、はい!」



この状況下の中、僕は席から立つ。そして自己紹介を始めるのだった。



「みなさん初めまして。一橋 絆です。好きな食べ物はフルーツ系全般で得意なことは・・・えっと」


ここで僕は言葉を詰まらせる。本当のことを言うと詰まらせたのではなく言いにくいことを言おうとして1回ためらった。



「どうしたのですか?」


先生や男子たちを無視して聴いてくれてる女子が疑問に思ってこちらを向く。


僕はこのまま黙っていても仕方ないと思い決断した。

(絶対笑われるだろうな〜はは、ははは)



「ぼ、僕の得意なことは霊と話せることです!!!!!!!!!!!!」



・・・・・・・それまで騒いでいた男子もさすがに黙り、辺りが一瞬静まりかえる。僕に至っては異常なほど変な汗を掻いていた。


「な〜んて、冗談ですよ。何本気にしてるんですか」


僕はすぐ様自分の言ったことを訂正し、この沈黙の空気からみんなが笑う雰囲気に変えた。そのおかげかわからないけど不思議と机の周りに特に女子が集まって来る。

それは僕にとっては非常に嬉しいのだが、彼女らが話してることが僕の中学生並みの容姿と声だったのでその時は複雑な気持ちになりながら話をした。



「ねぇねぇ知ってる?旧校舎の理科室に居る幽霊の噂」


そう言い出したのはショートカットが凄く似合う、自己紹介で天真爛漫な一面を見せた「臼井 果穂」と言う女子だ。

彼女はその持ち前の明るさで次々と教室に居る生徒達を集めて噂話を続ける。


「夜中の12時ちょうどにね、この学校の旧校舎の理科室に行くと、注射器を持った女子生徒の霊が悲鳴を挙げてるって言うこと」



・・・・・・・その話を聞いた周りに居る生徒は一同騒然として空気が一気に寒くなった。でも僕は注射器を持った女子生徒の霊を話を聞いてもびくとも動揺しない。それは単にそう言った非科学的な存在を全く信じていないからではなくいつも見たり聴いたりすることだったからだ。



「あ、もうこんな時間。僕、用事があるから先帰るね!」


みんなより先に僕は話を抜け出して下校する。

下駄箱に近い5組は他のクラスよりも一早く下校出来る。正に放課後、家の用事がある人にとっては最高の教室。

「サッ」と上履きを取り出し帰ろうとした時、突然雨が降ってきた。



「あーあ。やっぱ、朝の天気予報は見なきゃダメだな」


最近、妹の代わりに霊を成仏してるせいで朝起きるのが遅いことをこの時ばかり少し後悔した。


途方も無いけど僕は雨が止むまで下駄箱の所で待つことにした。空から雨が一滴一滴と地面に落ちて行く光景をただ眺める。





・・・・・・・・つまらない。つまらな過ぎる。

今日は大切な用事があるにも関わらず雨ってどういうことだよ。まぁ、このまま外出てずぶ濡れになりながら家に帰っても良いのだが、そうすると妹みたいに風邪をひき、代わりに引き受けてる仕事にまで響く。だからこうして待っている。が、もう我慢の限界。



「よし、あれをやるか!」



この退屈な時間を過ごすことにとうとう耐えられなくなった僕はスクールバックにこっそり入れといたお札を取り出す。そのお札には「使霊封印」と書かれていて、常人がむやみに触ると呪われてしまいそうなオーラを発している。しかし自分は一応霊能者なので全く異常は見られない。

そのことを当たり前に思って、次に五芒星が書かれてる布をこちらも同じくバックから出し、そこに自分の血を親指から垂らすと言う行動を続ける。血を垂らす度に五芒星は光り、天井に付くまではさほど時間は掛からなかった。


今回も読んで下さりありがとうございます。

投稿が遅くなってしまうことがありますがご了承下さい。

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