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ライバル[クラリネット2]
「奈津、そんな暗い顔してどうしたの?」
いつの間にか練習は終わっていたようで、未弥は私の顔を覗き込みながらそう尋ねてきた。
「具合悪いの?保健室行く?」
心配症未弥の疑問形ばかりの声掛けも、普段ならありがたく受け止めているのに、今日はただただムカつく。
「ねえ、どうし「なんでいつも未弥なの?」
「え…?」
いけない、オーディションに落ちるのは自分の練習不足のせいであって未弥のせいではない。しかし一度爆発した思いは止まらなくて…。
「いつもいつも先輩とコンクールに出られるのは未弥。私は演奏会みたいなのにしか出られない。オーディションの度に未弥は私と差をつけてきて…。
なんで未弥と同じパートなんだろ。
…辞めてくれればいいってずっと思ってた」
あぁ、私ってバカ。
親友と呼べるのは未弥だけなのに…。
「…ッ。…ごめん」
バカな私はさらに、逃げるという失態を犯した。
未弥の驚きとか悲しみとかいろいろな感情が混ざりあったあの顔。
逃げたりしたらもう話しかけられないじゃないか。
私は本当にバカだ。




