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胡蝶の夢  作者: 雪村 月華
3/6

2nd dream 驚愕×夢=現実

連投します。

 目の前の少年は完全に硬直している。どうやら理解を拒絶しているらしい。アカツキの孫にしては骨がない。

 主の不調はこちらにも影響が出る。それはこちらとしても面白くない事態を引き起こすため、リゼルは主を現へ戻すことにした。

「理解を拒絶するか、主よ。ならば今は戻るがいい。主の信じる現の世界へと。ただし主よ、忘れるな。我は常にそばにあるのだ」

 主はただ一人残され、事態をどう整理するのだろうか。

 そんなことを思いながら、リゼルは主の前から姿を消した。


  ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 リゼルが姿を消し、俺はその場にあぐらをかいて座りこむ。

 事態が理解できない。いや理解できるのだが、認めたくない。

「ってゆうか、どうして魔王が俺に仕えるんだ?!」

 祖父さんのせいか?祖父さんが魔王を召喚した挙げ句、俺に押し付ける―もとい託していったからか?

「なんで俺に名前教えやがったんだ、あのジジィは…」

 はっきり言って、魔王(あんなの)に仕えられても嬉しくない。むしろ恐怖だ。

 だいたい祖父さんって聖職者ではなかったろうか?聖人とか世間様に称されるほどの。

 それなのに魔王召喚?

 しかもその魔王が仕えていた?

「有り得ないだろ…」

 とゆうか、あり得ちゃいかんだろ。

 聖人といわれた聖職者が、敵の総大将とも呼べる魔王を使っていたなんて。

 魔王って、どっちかって言うと倒さなきゃいけない敵だろ?

 そんな矛盾があっていいのか?

 ・・・・・・・・・。

 しばし考え、俺は考えるのをやめた。優先すべき問題があったのだ。

「どうやって戻れば良いんだ?」

 リゼルは去り際に現の世界に戻れとか言ってた気がするが。


  ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 ♪チャーチャーラーチャーラーラー♪


 携帯のアラーム音が聞こえる。俺はベッドの中でしばらく身じろぎをすると、枕もとの携帯を止めた。身を起こす。

「ったく、もう朝かよ。寝た気がしねぇっての。今朝の夢もまた一段とワケがわからねぇし」

 なんだよ、魔王と契約って。しかも総てで俺に仕える?

「夢でも有り得ねぇだろ。ってゆうか、何でこんな夢見てんの俺?しかもリゼルって女の名前じゃねえかよ…」

 魔王が女?ンな馬鹿な。

 いや、仮に女だとしても、夢の中で見た限り、あいつは紛うことなき男だろう。

「フルネームがリゼルなんとかって言ってたよな、確か」

 俺がそう呟いたとき、声がした。

「リゼル=サトゥルヌスだ、主よ」

 突如、目の前に青年が現れる。

「!」

 俺は思わず目を剥いた。

「な…っ!なんなんだ、お前?!」

 俺の態度に、リゼルは眉をひそめる。だが夢の中(昨夜)ほどの恐怖感が感じられない。

「昨夜、我は説明したと思うのだが。覚えていないのか、主よ」

「×○△ждπ$!」

 俺の口から声にならない叫びがほとばしる。

「主よ、少しは落ち着かないか。水でも飲め」

 そう言って手渡されたのはコップ一杯の水。俺は深く考えもせずに受け取り、一気に呷る。

 そのまま深呼吸し、礼を言いかけ。

「悪いな、サンキュ…う…?」

 固まる。

「どうかしたか、主よ」

「…お前、それどこから持ってきた…?」

「台所からだが?次元をつなげれば、どこからでも出せる」

 奴は淡々と告げやがった。

 俺は頭を抱えてうずくまる。

 夢は夢であって現実に食い込んでくるものじゃないだろうなんでこの場にリゼルが来るんだ今まで誰もいなかったじゃないか本当に常に俺の傍にいるのかよ突如人の目の前に現れるのが魔王って存在なのか…?

 ひたすら延々と俺はつぶやいている。

 だが。

「主よ。我はヒトのことはよくわからぬが、一応教えておく。枕もとの機械が先ほどから鳴り続けている。放っておいて良いのか」

 リゼルはうずくまっている俺を気にせず、どこまでも淡々と言った。その言葉に俺は慌てて立ちあがり、携帯に手を伸ばす。

「はい、もしもし?なんだよ、海斗。朝っぱらから」

 すると電話の向こうから、すさまじいまでの声量で友人の怒鳴り声がした。

『朝っぱらぁ?何言ってんだよ、透!朝から電話してるのに、全然出ねえのお前だろ!』

「寝てたんだよ、今まで。…って朝から?」

『…お前、今何時だと思ってる?』

「?朝の六時」

『馬鹿か、お前!今はもう夕方の四時だ!』

「はあ?!俺、携帯のアラームで起きたんだぞ?」

『そりゃ俺からの電話じゃボケエ!!』

 怒髪天を衝く勢いで、海斗が怒鳴る。

『いいか、お前!今すぐ桜森の社に来い!』

 桜森はその名前のとおり、滅茶苦茶広い桜木だけの森だ。その森の奥に、樹齢数百年を誇る桜が御神木の、文化財に指定された古い鎮守の社がある。海斗が言っているのはきっとそこの事だろう。

 春には桜森一帯が桜花で染まり、美しい。

 だが、今は秋だ。

「桜森?この季節にか?」

『町がおかしいんだよ!俺たちのグループ以外、誰もいない!何かが狂ってる!』

「は?」

「は?じゃねえ!いいか、桜森だ。俺たちは全員そこにいる!」

 そう言うと、友人はこちらの返事も聞かずに電話を切った。俺は呆然としながらつぶやく。

「どういうことだ?」

 時間の感覚がおかしい。たまに寝過ごすことはあるが、ここまで寝続けることは有り得ない。親が起こしにくるハズだ。

 しかも町がおかしい?俺たちのグループ以外の人がいない?

 考えこんだ俺に、リゼルのつぶやきが聞こえる。

「因果律が狂ったな」

 振り返った俺に、リゼルは表情のない顔で抑揚なく告げた。

「主よ、一刻も早く友人たちと合流することを勧める。でなければ、友人たちも取り込まれるぞ」

 俺は信じられないものを見るようにリゼルを見る。

「とりこまれる?どういうことだ、それは」

「かつて、同じ事が起こった。その時はアカツキが狂った因果律を組みなおし、我はそれゆえに身動きが取れなくなった」

 アカツキがとった解決策は因果律を再構築し、より堅牢にするというもの。結果、魔はこちらの世界に顕現することができなくなったのだ。魔とは結局、因果律に影響を及ぼすことで存在しているのだから。

 だが、ヒトは因果律によって存在し、因果律に縛られている。故に因果律が狂えば、それに縛られている存在も歪んでしまう。

「そして歪んだ存在は貪欲に、正常な世界を取り込んでゆく」

 世界は崩壊に向かって転がり出すのだ。

「もう止まらぬ。因果律が完全に崩壊し、世界が崩壊するまで。誰かが因果律を再構築するまで転がり続けることだろう。坂を転がる小石のように、坂の終わりに、たどりつくまで」


 それは因果律の完全なる崩壊。転がり始めた世界は、止まらない。

 誰かがそれを、食い止めるまで。


 そして、リゼルは続けた。


 ‘ゆえにこそ、我はここに存在している’と。


「ではこの事態の原因は、リゼルにあるということだろう」

 俺が押し殺した声で言うと、リゼルは否定する。

「我がこの世界に顕現したから因果律が狂った、と?否、我ではない。我が動きを取れるようになったのは、因果律が狂ったからだ」

 リゼルの淡々とした物言いに、俺は本気で怒鳴りたくなった。だが、必死で自制し、代わりに訊ねた。

「人は因果律に縛られていると言ったな?だったら何故、俺たちのグループは何ともないんだ?」

 俺の淡々とした問いに、リゼルは答える。

「我の知るところではない。だが、予測はできる。おそらく主と親しく付き合っていたからだ。類は友を呼ぶ。主は徒人のくくりには入らぬ。我が名を掌握できる以上は」

 リゼルは感情の窺えない瞳で、俺を見る。

「そして、主と親しく付き合えるということは、やはり徒人のくくりに入らぬ。程度の度合いは違えど、な。ただ、主ほどの者はいないだろうから、どこまで無事でいられることか。我にはわからぬ」

 それを聞き、俺は顔色を変えた。

 すぐに制服に着替え、ベッドに掛けてあるヘルメットを取る。ブレザーのポケットにバイクの鍵があることを確認すると、そのまま脇目も振らずに部屋を飛び出して行った。

 部屋には一人、リゼルだけが残される。


  ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 飛び出して行った主を見送りながら、リゼルはつぶやいた。

「主のなんと鈍いことか。月の通い路には気付いたくせに、因果律の狂いには気付かぬとは」

 能力がまるで偏っている。人の身に余る能力ゆえか、覚醒状態と潜在状態との差が著しく不安定だ。

 これではアカツキを超える能力があっても、まるで無意味。

「あれでは長く生きられまい。バランスのとれない能力では、己の魂に負荷がかかるだけなのだから」

 それにしても、再び事が起きようとは。

 リゼルはアカツキの時の事件を忘れていない。事件の経緯は、今でも鮮明に灼きついている。

 奴の因果律はアカツキが完全に崩壊させ、それと同時に存在そのものを消滅させられた。…はずだが。

「だが、この事件はヤツの引き起こしたもの…」

 それだけは断言できた。

 事件の起こり方といい、その被害の出方といい、アカツキの時と酷似している。と言うよりも、まったく同じだ。誰かが崩壊した因果律を再構築したのか。

 確かに理論上では因果律を再構築すれば、存在を再生させることはできるだろう。だが崩壊した因果律を再構築することは容易ではなく、また、ヤツの因果律はひどく複雑であったために再構築は不可能に近い。

 それこそアカツキほどの構築力があっても失敗する公算が高い上、再生させるメリットもない。世界を滅ぼそうとでも、しない限りは。

 ヤツは、この世界が構築される際の、欠陥(バグ)なのだから。

 だが、いずれにしても。

「誰だか知らぬが、いらぬことをしてくれる…」

 リゼルは目を閉じ、何事かつぶやく。

「δζξЖΨ∋юΥ」

 すると、それに呼応するかのように、虚空から陽炎のように揺らめく闇と、闇色の宝珠が現れた。

運命を告げる者フォーチューンテーラー、主の許へ」

 リゼルがそうささやくと同時に、闇は消えた。リゼルはそれを見届けると、一度瞳を閉ざす。次に瞳を開けたとき、瞳は暗い黄金色に変わっていた。だが、それに頓着する様子もなく、リゼルは宝珠と共にその場から消える。

 主を追いかけるつもりであった。


  ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 俺はバイクを全力で飛ばしていた。大通りの景色が飛ぶように流れていく。

 確かに人がいない。というよりも、生き物の気配がしない。

 リゼルを連れて来るべきだった。あれでも一応魔王らしいし。

 そんなことを考えながら、学校前の坂を走る。そのまま学校の敷地内を桜森の神域に向かった。敷地内に、バイクの音だけが響く。

 目指す神域は、もう目の前だった。

「ここまでだな」

 俺はそう言うと、鳥居の前でバイクを停める。さすがに文化財に指定されるような社の土地に、バイクで入る気にはならない。

 俺はそこはかとなく神妙な気持ちになりながら、神域に足を踏み入れる。

 キィィィィィィン。

 耳鳴りに近い音がした。耳鳴りと限りなく似ているが、違う。違う、とわかった。

「空気が、慟哭()いている…?」

 同時にどこからか声がする。友人たちの声と神咒(かじり)らしきものを唱えている声。聞き覚えがある声だ。どこかで最近聞いたような…。

「!」

 誰の声か思い当たった瞬間、俺は社を目指して駆け出していた。

 そんなはずはないと、理性で打ち消し。だが、そうに違いないという確信を、直感で抱いて。

 あの声は。

 神咒(かじり)らしきものを唱えている、あの声は。

「夢で聞いた…っ。アカツキの、ジジィの、声だ…っ」

 駆ける。全力で。

 友人たちのために。そして有り得ない事実を確かめるために。

 だが、遅い。事はきっと、辿りつく前に終わってしまう。

「くそ、仕方ねえっ」

 息を吸う。一つの名前を呼ぶために。

「リゼルっ!今すぐここに来いっ!」


  ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 声が聞こえた。ひどく切羽詰った声。主が、自分を呼ぶ声だ。

「我を呼ぶか、主よ」

 ならば参じよう。

 契約の許に主を守る、そのために。

 ほかならぬアカツキに、主のことを頼まれたのだから。

「アカツキに頼まれた…?」

 自分の思考につぶやく。それと同時に、甦るものがあった。

 アカツキとの、別れの記憶だ。

 事件直後の、永劫の離別。

 それは凄まじい速度で脳内を駆け巡り、消える。

 だが、それでもあるべきものを取り戻したという確信があった。


 そこへ、声が聞こえた。まるで傍で囁いているかのように。

『今頃思い出したのか?だが、すべては手遅れだよ。アカツキの後継は終わりだ。欠陥(バグ)はすべてを呑み込むだろう。この僕の声に応えたのだからな。あははははは!』

 聞き覚えのある声だ。こちらの世界ではなく、魔の世界に縁ある者。アカツキに封じられた者。

「お前がすべての元凶かっ!禍餓夜(かがや)!」

 答えは、ない。リゼルはギリッと唇を噛みしめる。

 急がなければ…!


  ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 俺はリゼルを呼ぶと、立ち止まった。すぐに来る自信はあった。寝起きの時に何気なくこぼした問いに、リゼルはわざわざ現れたのだから。

 目を閉じ、神経を研ぎ澄ます。リゼルが現れると同時に、行動するために。

 声は未だに聞こえている。アカツキの神咒(かじり)を唱える声と、友人の必死な叫び。

『優貴!』

『…神の御息(みいき)は我が息、我が息は神の御息なり。御息を以て吹けば穢れは在らじ。残らじ。阿那清々(あなすがすが)し、阿那清々(あなすがすが)し…』

『無駄だよ、アカツキ。僕に伊吹法(いぶきほう)は効かない!』

 敵の哄笑。俺はその声を聞いて、本能的に敵の名を悟る。

 知識として知っているのではなく、魂に刻まれているその名を。

禍餓夜(かがや)っ!」

 総ての世界に追放された、禍つ夜を運んでくる者。凄まじい構築力を持つ、創造主のできそこない。総てを滅ぼせし者。

 俺は唇を噛みしめる。聞こえるのに何もできない。

「リゼルは、まだか…っ」

 その時、声がした。

「遅くなって申し訳ない、主よ」

 振り向くと、そこには相変わらず無表情のリゼルがいた。

「遅い!今すぐ禍餓夜(かがや)の許へ連れて行けっ!」

 俺がそう言うと、感情を窺わせないと思われた瞳に、感情らしきものが宿る。それはどこか不敵で、とても満足そうな笑みだった。

「承知」

 そう言うと、リゼルは懐から闇色の球体を取り出した。それに向かって、リゼルは何事かをつぶやく。

「πлбеρδЯЖ」

 辺りの景色が急激に霞む。俺は一つの因果律を構築しつつ、目を閉じる。

 次に俺が目を開けたとき、俺たちは社の真ん前、つまり禍餓夜(かがや)と友人たちの間に立っていた。

 突如、姿を現した俺たちに対する周囲の反応は様々だった。

 友人たちは呆然としており、夢で見たもう一人の青年―アカツキ(ジジイ)―は呆れたように苦笑をこぼした。

 そして、今まさに優貴を呑み込もうとしている欠陥(バグ)と、アカツキと対峙している明らかに異質な青年―禍餓夜(かがや)―は明らかに攻撃体制に入っている。

 そんな中で、俺は不敵に笑うと、言った。

「よう」

 同時に、構築した因果律を禍餓夜(かがや)欠陥(バグ)の存在の根幹、つまり存在そのものの因果律に叩きこむ。もちろん優貴に影響が出ないように、完全にコントロールした上で、だ。

 出会い頭、しかも仲間が捕らわれている上での一撃という、この上ない不意打ちに、一人と一体は完全に対応し切れなかった。それでも被害を最小限に留めようとしたのは見事としか言いようがない。だが、そのために優貴を放り出さなければならなくなったのは失敗だ。そこへ実にタイミングよく、アカツキの構築した因果律が放たれた。それは重力を変える因果律であった。

 それは優貴の衝撃を吸収し、そのままアカツキの方へ戻ってくる。俺はそれを認めると同時に、社の真ん前からアカツキたちの方へ寄り、一つの因果律を構築する。それは一定の空間を自分の支配下におく因果律で、いわば目くらましの一種だ。

 俺はリゼルに向かって言う。

「リゼル、この空間に隠術を。できるだけ精度の高いものがいい。維持できなくとも、一時的に隠れれば充分だ。できるか」

 俺の言葉に、リゼルは静かに応じる。

「容易いことだ、主よ。なんなら時間軸に干渉してもいい」

 さらりと言い放つリゼルに、俺は言う。

「それは頼もしいが、そんな事に構築力を使う必要もない。事情と作戦が話せるだけの時間を維持してくれ」

「御意に。我は下がる」

 そう言うと、リゼルはその空間から姿を消した。だが、傍に控えているのは感じる。

 俺は優貴に駆け寄って無事を確かめ、次は友人たちのもとへ行く。彼らは何事が起こったのかをいまいち把握しきれていないらしく、一様に呆けたような顔をしている。

「お前ら、何ともなかったか?」

 俺がそう聞くと、呆然と友人の一人―恭一―が言う。

「とお…る…?」

 だが、相変わらず呆然としたままだ。

 俺は友人たちに向き直り、普段と変わらない様子で話しかける。

「何ボケっとしてんだ?かなり面倒な状況なのはわかるけどな、呆然としてる場合じゃねぇだろ?」

 俺がそう言うと、友人たちは少し気を取り直したらしい。

「お前、どうやってここに来た?桜森の周りに結界が在ったって、アカツキさんが言ってたぜ?」

 友人の言葉に、俺は思わず聞き返す。

「アカツキさん…?」

 すると恭一が俺の祖父を指し示しつつ、答える。

「あの人。なんか退魔師を生業にしてて、今回の事件?でも影響が無かったとかなんとか言ってた。んで、俺たちだけが残ってたのはお前の影響だとか。詳しくは知らん」

 恭一の答えに、俺は脱力する。力いっぱいため息をつくと、アカツキに言った。

「さて、と。面倒に巻き込んでくれた祖父さんよ。当然、俺に説明してくれるよな?」


  ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 争いの火蓋は切って落とされた。

 誰が勝ち、そして誰が負けるのか。

 それは神のみぞ知る。

 否。

 もしかしたら、神さえも知らないのかもしれない。

急展開というか超展開カモ(; ̄ェ ̄)

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