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戻ってきた彼女は、僕の知る彼女ではなかった 記憶をなぞる“何か”が、部屋の中にいる 忘れたはずの声が、玄関の向こうで呼んでいる  作者: かーすけ


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プロローグ 聞こえるはずのない音

深夜に「誰かが歩く音」を聞く

 最初に“音”を聞いたのは、深夜二時を少し過ぎた頃だった。


 天井の向こうで、誰かが歩くような気配がした。

 コツ、コツ、と一定のリズムで。

 古いアパートだから、上の住人の足音だろう――そう思おうとした。


 でも、この部屋の上には、誰も住んでいない。


「ねえ、さくら。今、音しなかった?」


 隣で眠っていたさくらが、ゆっくりと目を開けた。

 薄暗い部屋の中で、彼女はしばらく天井を見つめ、それから小さく首を振った。


「……何も聞こえないよ」


 その声が、妙に遠く感じた。


 再び、コツ、と音がした。

 今度は、部屋の中から聞こえたような気がした。

 さくらは、まるで聞こえないふりをするように、僕の手を握った。

 その指先が、かすかに震えていた。

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