41.
正志がそう口を開き、美影の事を話し出す。
その話に優樹は驚きを隠せない。
美影の事を話し終わり、しばらく沈黙が続いたのち、正志が口を開く。
「優樹、明日から三日間連休やろ?何か予定は入っているんか?」
「いえ……特には……」
正志の言葉に優樹がそう言葉を出す。
「ちょっと連れて行きたいところがあるんや。待ち合わせ場所は……」
正志がそう言って、優樹に待ち合わせ場所と時間を伝える。
優樹は何処に行くのかを尋ねたが、正志に「着いてからのお楽しみや」と言われてしまい、何処に行くかが分からないまま、その時間にその場所に行くことを伝えて、二人は居酒屋を出て行った。
***
「……ラン♪ラン♪ラン♪ピクニック♪ピクニック♪」
美月がお弁当が入っている籠を提げながら、楽しそうにそう声を出す。
美月の傍には奈緒が飲み物が入った袋を持っており、二人はいつもの丘にやって来た。この連休の天気はとても晴天で気持ちがいいくらいなので、少し前から奈緒と美月はいつもの丘にピクニックに行くことを決めていた。
丘に着いて、桜の木の下でピクニック用のシートを広げる。そして、楽しく会話しながら持ってきたランチを広げて二人で食べ始めた。
「ん~♪奈緒ちゃんの作った卵サンド美味しい~♪」
美月がサンドイッチを頬張りながら、幸せそうな顔でそう言葉を綴る。
「ふふっ。朝早起きして作った甲斐があるわね」
その言葉に奈緒が微笑みながら、そう言葉を綴る。
その時、奈緒がふと腕時計を見て時間を確認する。
(……もう、こんな時間を過ごすことは無くなっちゃうかもしれないわね……)
奈緒が腕時計を見ながら、心でそう呟く。
ずっと、このままで良いわけがないのも分かっている……。
美月の為にも、自分の為にも……。
こんな風な時間を過ごせるのは最後かもしれない……。
奈緒の心の中でいろいろな想いが渦巻いていく。でも、この先に待っているのは新しい光だと信じて、美月と今のこの時間を過ごしていく。
そして、ランチが食べ終わり、美月がいつものように奈緒の膝の上に頭を乗せる。
その時だった。
「……あのね、奈緒ちゃん……」
美月がポツリとそう口を開いた。




