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27.
綾乃がお気に入りのカフェで紅茶を啜りながらそう呟く。
その表情は黒い笑みを称えていた。
(これで美月さんが汚されたら優樹君だってそんな女を好きなままではいないよね)
綾乃がほくそ笑みながら、愉快そうに心でそう呟く。
これで美月の心は破滅に向かう……。
優樹を自分の方に振り向かせることが出来る……。
憎い美月を闇に堕とすことが出来る……。
「ふふっ……これで、美月さんは今の職場には居られなくなる……」
綾乃が黒い笑みを称えながら小さな声でそう言葉を綴る。
美月に対する嫉妬や憎悪が綾乃の中で駆け巡り、その感情を吐き出すためには美月を今の職場から消え去る事を綾乃は考えて、あの日の夜、偶然松木に会った綾乃はこのことを思い付いた。
(万一の時でも私は逃げることが出来るしね)
綾乃が心で愉快そうにそう呟く。
綾乃の中で、今回の事に関しては自分は関係ないと言って、その罪を逃れる方法も考えてある。なので、今回の事に関しては松木にすべて罪をなすりつけることが出来る。
「終わりよ、美月さん……」
綾乃が黒い笑みを称えたまま、窓越しに見える風景を眺めながらそう言葉を綴った。
***
「……美月!!」




