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月は優しく桜を照らす  作者: 華ノ月


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26.



 美月の身体がふらつく。


 急に力が無くなったように、美月の身体がふらつき、意識も朦朧とし始める。


「大丈夫?」


 松木が美月の身体を支えながら、そう声を掛ける。


「なんか……頭が……ぼんやりしてきて……」


 美月が途切れ途切れに息を切らしながらそう言葉を綴る。


「ちょっと、ここでは心配だな」


 松木がそう言って、その場に座る事も出来なくなっている美月を抱える。


「どこかで休憩した方がいいよ……」


 松木が美月を抱えたまま、そう言葉を綴る。


 松木の表情は、勝者の笑みを称えている。でも、その裏には得体のしれない黒の高揚感が見え隠れしていた。


 そして、松木は美月を抱えてある場所に向って歩きだしていく……。




***


「……あれって……まさか……」


 優樹が少し離れた場所で松木を見つけると声を出す。それと同時に松木が誰かを抱えていることが分かり、その抱えられている人物をじっと見つめる。そして、それが美月なのではないかと分かり、優樹の中で戦慄が走る。


「……なんで?!」


 優樹がそう声を上げて、松木の所に走って行く。


 美月は綾乃とお茶に行ったはずなのに、なぜ松木に抱えられているかが分からなくて、混乱状態になりながらも、美月が危険だという事をすぐに察知して全力で松木の所に駆けていく。


「……何やっているんだ?!!」


 優樹が松木の肩を掴んで息を切らしながらそう叫ぶ。


 松木は突然優樹が現れたことに悔しがりながら舌打ちをする。


「また邪魔しやがって……」


 松木が顔を歪めながら小さな声でそう呟く。


「美月さん!大丈夫ですか?!」


 松木から美月を引き剥がすように優樹が美月を抱き上げる。


 美月はぼんやりしているのか、優樹の問いかけに反応がない。


 そして優樹は、この状況がただ事ではないと瞬時に察知して、ポケットからスマートフォンを取り出し、奈緒に電話を掛けた。




***


「……上手くいったかな?」



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