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月は優しく桜を照らす  作者: 華ノ月


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25.


「……え?」


 目の前に立つ人物を見て、美月が小さく声を出す。


「こんにちは、美月さん」


 そこに立っていたのは柔和な笑みを浮かべた松木だった。


「美月さん、今時間ある?良かったらお茶したいんだけど……」


 松木が笑みを浮かべながら、そう言葉を綴る。


「ごめんなさい、今人を待っているので……」


 美月が申し訳なさそうにそう言葉を綴る。


「綾乃さんだよね?」


「え……?」


 松木の言葉に美月が驚きの表情を見せる。


「綾乃さんだったら……」


 松木がそう言って話し出す。



 松木の話では、美月に会う少し前に綾乃に会ったという事だった。その時に、綾乃が落としたイヤリングが見つからないので、近くの交番に行ってイヤリングの落し物がないかを聞いてくると話していたこと。そして、松木が綾乃に「美月に相談したことがある」と言う話をしたら、落し物が見つかるまでの間ならいいよと言っていたことを美月に話していく。



「……そうなんですね。なら、少しだけお話しましょうか?」


 松木の話に美月が微笑みながらそう言葉を綴る。


「なら、綾乃さんが戻ってくるまで、そこのベンチに座って話をしませんか?」


 松木がそう言って、近くのベンチを指差す。


 美月は「いいですよ」と言って、そのベンチに二人並んで腰かける。


「……それで、私に相談したいことって何でしょうか?」


 美月が松木に笑顔を向けながらそう言葉を綴る。


「あ……そうだ。良かったらどうぞ」


 松木がそう言ってペットボトルのお茶を美月に差し出す。


「でも……」


 美月がそれをジェスチャーでやんわりと断るような仕草を見せる。


 松木はそのペットボトルの蓋を開けて、再度美月に「どうぞ」と言って笑顔で差しだす。


 美月はそのペットボトルを受け取ろうか迷ったが、ここまでしてくれた松木の行為を無下にするわけにもいかないと思い、そのペットボトルを受け取る。


 そして、天気の事もあったせいか、そのお茶を飲みながら松木と色々な話をしていく。しかし、松木の話す内容は相談と言うより、雑談やたわいのない話ばかりなので、美月が松木に相談が何かを聞くが、松木はその事をはぐらかして、たわいのない話をしていく。


 その時だった。



 ――――グラァ…………。





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