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月は優しく桜を照らす  作者: 華ノ月


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17.


 電話を片手に奈緒がそう言葉を綴る。


 電話の相手は優樹からだった。


 優樹は家に着いてからもその事が気になり、思い切って奈緒に電話をしたという事だった。


 優樹の心の中には美月への想いがある。


 この事に関して知らぬ顔をするのは違うと思い、一体、美月に何が起こったのかをちゃんと知るために奈緒に電話を掛けたという事を奈緒に伝えていく。


 それは、優樹からして、美月のことを何も知らないままではいざと言う時に美月を守ることが出来ないと感じたからだった。


「……ねぇ、明日は祝日で休みだし、今から言うところに来れるかしら?」


 奈緒が正志を見ながら優樹にそう伝える。


 正志もすぐにその意図に気付いて、手でオッケーのサインを奈緒に見せる。


 電話の向こうで優樹が「急いで向かいます」と言って、電話が終わる。


 こうして、奈緒と正志は優樹が到着するのをその場で待つことにした。




***


「くそっ……くそっ……」


 松木がタバコを吹かしながら、夜の街をうろつく。


 あることを思い付いたものの、どうやってそれを実行するべきかを考えるが、アパートにいたままでは良い案が出なくて、気分を変える意味でも夜の街に繰り出した。


「……どっか店でも入るか?」


 繁華街の通りを歩きながら、松木がそう小さく呟く。


 しかし、あまり持ち合わせが無いので店に入るのは厳しいと感じ、その場を離れて少し離れた場所にあるコンビニに向かう事にする。


 その時だった。


「あれって……」


 松木が何かを見つけて、小さく声を出した。




***


「……すみません、突然お邪魔することになって……」


 奈緒たちがいる居酒屋にやってきた優樹が二人にそう言葉を綴って頭を下げる。


「気にしなさんな。丁度良かったしな」


 正志が優樹に笑顔を向けながらそう言葉を綴る。


「あの……奈緒さん……。どうして美月さんは昨日の事の記憶が無いんですか?」


 優樹が運ばれてきたビールを手にしながら、奈緒にそう言葉を掛ける。


「その事に関しても、二人に美月の事で話したいことがあるの……」


 奈緒がそう言葉を綴る。


 そして、ある事を奈緒は話し始めた。




***


「……あれって……」





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