新年初の舞踏会の招待状は年賀状で
【作者より】
拙作は「第7回 下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ大賞」に参加させていただいた作品です。
テーマは「年賀状」と「舞踏会」を使わせていただきました。
2025年12月某日――
今年も郵便局には来年の年賀ハガキを求め、たくさんの人が並んでいる。
その列に私服姿の男女が紛れていた。
「クソ忙しい時期に洒落た舞踏会の招待状と年賀状を出すの、めんどくさくね?」
「確かに! 毎回アホみたいな量の住所書きがダルイよね……間違えたら書き直しだし、シュレッダーごみもいっぱい出るし……」
「だったら、今回は年賀状を新年初の舞踏会の招待状として出せばよくね? ちょっとしたペーパーレスになるし」
「うんうん」
「年賀ハガキを買っておけばネットでデザインをダウンロードして、住所を打ち込んで、プリンターで印刷して、手書きで舞踏会の日時を書き込めば完成だ。これなら主人にも怒られないだろう」
「いいね! さんせーい!」
彼らは何故、年賀状を舞踏会の招待状として送ろうとしているのかというと――
2人はある屋敷に仕える執事とメイド。
毎年、忙しくなるこの時期に主人に頼まれて舞踏会の招待状と年賀状を別々に出しているため、嫌気がさしていた。
彼らはその作業を少しでも効率化したかったからだ。
最後までご覧いただきありがとうございました。
※彼らは普段は口は悪くないです。主人の前で口が悪いと確実に怒られますから!
2025/12/05 本投稿




