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格安物件借りたらサボり癖のある神様が住んでた  作者: 遥風 かずら


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第10話 ダンジョン学園で人生再スタート?(ただし…

「おい、おい……」


 うるせーな。


「おい、起きろって! ヒート!」

「だからうるせーって言って……ん?」


 ヒート?


 ……まさか、俺の異世界ネームがヒート?


 ひとし、ひーとし、ヒート……うん、他に案はなかったんですかね、みこ様。


 お~い、みこ様?


 返事がない……ただの独り言を言うだけの俺しかいない件。


 そういや、家族になるとかなんとか言っていたが、すでに別世界に転移させられてアパートから追い出されたかな?


 あの時点ですでに家族みたいな感じになっていたと思うんだが、それでは納得しなかったのか。


 とりあえずこのまま寝たふりしてるとまたどこかに落とされそうだし、頭を上げておこう。


「やっと起きたな、ヒート! まるで死んだように寝てたからちょっと焦ったぜ」


 ある意味で死んでいた気もする。


「そういうお前は……どこかで見た顔だな」

「薄情な奴だな、お前。ダンジョン実習中に散々助けてやっただろうが! まさか本当に覚えてないのか?」


 ……などと、意味不明なことを言い続けているのは前の席に座っているらしき暑苦しさ全開の男だ。


「Aはそういうけど無理もないと思う。だって、ヒートはスライムで流されちゃってたよ?」


 そして隣から聞こえるか細い声の主は、白魔道士らしき格好をしている女子だが、フードで顔を隠していて肝心の顔が見えない。


 しかし分かりやすく援護をしてくれているので、多分俺に惚れちゃってる女子と認定しておく。


「Mは相変わらずヒートに優しいな。羨ましいぜ、まったく!」


 それにしてもさっきからAとかMとか、もしかしなくても俺以外ネームドではなくて単なるモブ?


「……というか、ダンジョン実習って?」

「午前の授業はいつもダンジョンだろ。眠ってて記憶でも失ったのか?」

「は? ここは学園だよな? 学園の授業がダンジョンっておかしくないか?」


 あれあれ、せっかく学園モノの主人公にされたのにまたダンジョン入り浸りの毎日ですか?


 いや、あり得るな。何せ手違いばかりを連発する神様ばかりだし、また俺の転移先を間違った可能性が高いぞ。


「マジで転生してきたとかなんじゃ……」


 いやいや大丈夫だから俺は。頼むから憐みをかけるのはやめてくれ。


「まぁな。Aもいっぺん、転生してみるか? 運が良ければ神様に会えるぞ」


 俺は転生じゃなくて転移だったが、神と過ごす時点で似たようなもんだろ。


「……くくっ、くだらねえ! 神様のご加護……たっぷりのバフでももらえば信じてもいいが、実際あり得ないしそうじゃないと割に合わないだろ! まぁいいや。今日はスライムにやられないようにしてくれよな」


 このモブAはアレですか、ヒートを下に見ている俺様キャラですか。


 しかしおかしいな。


 今度こそ学園青春ラブコメな異世界に転移させてくれるという話だったはずなのに、目覚めたらどこかの学園で嫌な男がパーティーメンバーで結局ダンジョンとともに生きる人生とか。


 どこかの学園の教室に自分の席があるのはいいとしても、AとMと残り数人しかいないのはどこの辺境なんだ。


 みこ様? お~い、みこ! もしくはじいさんでいいから返事をくれ!


「…………うん」


 神々が俺の返事に答えてくれないから、思わず独り言で返事をしちゃったぞ。しかし誰も突っ込んでくれない。


 仕方がないので授業が始まるのを待つことにした。


 しばらくして教室には全部で六人しかいないのにもかかわらず、担任らしき男が入ってくる。そして授業開始の合図のつもりなのか、教室の壁から炎のようなものが灯された。


 ……建築的に大丈夫なのか?

 

「ふぉふぉふぉ、みな、席についておるな!」


 担任は初老の男性だが、体つきは所謂マッチョでどう見ても強そう。普段どれくらい教室に生徒がいるのか分からないが、逆らったら絶対に駄目なタイプ。


「ヒートくん! 立ちなさい」

「へっ?」


 何もしてないし挨拶もしてないのに早くも目をつけられちゃいました?


「……ふぉふぉ。今日はヒートくんをリーダーにして、AとM、それとSの四人で攻略してもらう! 集合場所はF-8。全員集合してから行動を開始するように!」


 ……などと意味不明なことを言い放ち、担任は教室から出て行った。というか、ホームルームなる時間もなければ現状説明も何もないのか。


 どうなってんだこれ。


「ヒートがリーダーかよ。今度は守ってやれないから自分で守れよ?」

「あ、ああ」

「いやに大人しいな。いつもは突っかかってくるのに」

「……気のせいだ」


 何が何だか分からないまま物語が進行してるんですけど、神様~?


 ……返事なんてないか。


「……大丈夫。ヒートは死なない」

「ん? 確かMだったか? めいっぱい回復して助けてくれると有難いから、よろしく頼むな!」


 Mは顔を隠しながら頷いている。


「分かった。絶対に守るから」

「お、いいね~! Mのそばから離れずに動くからよろしく~!」

「……うん、離れちゃ駄目」


 顔が全く見えないけど、俺に惚れてる女子がいるだけでも最高の再スタートだな。


 さぁ、神様。今度こそ俺を幸せにしてくれ!

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