表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

報道

俺たちは牢獄に入れられた。

脱獄を計画する俺たちだったが、どうやらそれは無理らしい

「続いてのニュースです」という言葉と、その後に続く『令和の赤穂浪士』というテロップから、この1ヶ月ずっと逃げ惑っていた。全盛期は四つものテレビ局の、ゴールデンタイム直前のニュースの、ほぼ同じ時間帯で俺たちのことが報道されていた。

 良いニュースより悪いニュースの方が、人々の心に印象づけられることが多いようだが、移りけな大衆たちは、それでも3年経つとみな忘れてしまっていることが多い。

 それでも、俺たち『令和の赤穂浪士』のニュースは、地震大国日本において今や月に一度流れるようになった「あの地震から〇〇年」のニュースのように、数年間人々の記憶に残り続けた。

 そして、今日、俺たちは逮捕された。不法賭博の店が摘発された時、たまたまそこに俺たち30人が居合わせたのだった。


                〜本編〜


 おい、俺は保健所に向かうトラックの中に、無理やり投げ込まれる犬かよ。

 一つの檻の中に三人が収容され——本当は、収容という名の投げ飛ばしだった。看守みんな柔道黒帯らしいぜ——空室が多かった刑務所の檻がいっぺんに十個もうまり、「犯罪者のいない刑務所」の汚名を返上できたと看守は大喜びだった。


「くそ! おいみんな! どうにかして脱獄してやるぞ!」


 俺の遠吠えは、虚空に消えた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ