No8 世界改変日より
今日、この日。世界はひっくり返った。
人々の声に耳を傾けてみると――
「なんじゃこりゃああ!!」
「どうなってるの!?」
「学校いけないよ、こんなの!」
「ワンワン!?」
人以外にも影響があったみたいだけど、些細な事。
「「男(女)になってる!!!!」」
そう、わたしは性別反転電波を世界にとばした。
その結果。男は女に、女は男に。両性は……わからない。
なんにせよ、これでわたしたちは結ばれるだろう。
わたしの好きな人、浩紀。
彼は言った。お前が男なら付き合いたかったのに。
なんで私は男じゃないんだ。なんで彼は男が好きなんだ。
普通ならそこで諦めるんだと思う。
だけど私はそこであきらめるような女じゃない。
わたしは性別反転装置を1月とかからず生み出した。
やはりわたしは天才。わたし以外にも同じ状況の人が
いるかもしれないから、ついでに世界の人間も性別を反転させておいた。
わたしは仲間にやさしいのよ。
「さぁ、浩紀!わたしは――男になったぞ!」
愛しの浩紀に会いに行く。
自分が男になったとしても、浩紀が女になったとしても、
わたしはあなたを好きでいつづける。
性別が変わっても関係ない!
「結構、女もいいもんだなー」
わたしは性別を元に戻した。