埼京大出身の新卒社員
埼京大の小学校教員採用者数は、私立大で全国トップ。一般的には知られてないけど、教育関係者では知られていることだ。大学の公式ホームページで大々的に宣伝しているし、それを見て入学したという同級生も多い。
もちろん、全員が教師になるわけではない。他の学部では少数派で、大学全体で見ると一般企業に進むのが圧倒的だ。ちなみに「教員になるつもりがないなら、埼京大に行くのはやめておけ」という人もいる。
「今年の新入社員なんだけどさ」
夕飯を食べているとき、父親が話し始めた。
「何人、入ったの?」
母が聞くと、父は「五人」と答えた。ここ数年、景気がよくないこともあり、新卒の採用を控えていて一桁らしい。五年前の二千年は、採用なしだ。
「そのうちの一人が女性なんだけど、埼京大出身だったんだよ」
それを聞いて、僕は父に聞いた。
「学部は?」
「教育学部」
「えっ、マジ?」
僕は教育学部と聞いて驚いた。
「うちの息子、通ってるって話もしたよ。一昨年か?学生へのセクハラで新聞に載った教授がいたらしいな」
僕が入学する一年ほど前、教授のセクハラで女子学生が自殺未遂したということがあった。
「あと何で吹奏楽部に入らなかったんだ?もったいないって言ってたぞ」
それを聞いて、僕は呆れた。いやいや、全国トップレベルの部活なんだから、簡単に言わないでほしい。吹奏楽の旅が放送されて世間の見方は変わったと思ったが、まだまだ足りてないようだ。それ以前に、お金がない。もちろん、お金があっても実力がないから練習についていけるわけもないのだが。
「いやいや、全国トップレベルだし、少なくとも週三回は夜九時まで練習あるんだよ」
僕は小さい声でボソッと言うと、父親はごめんという感じだった。
作中では「2005年4月入社」ということになってますが、実際は「2004年4月」でした。
埼京大卒の女性ですが、三年以上は勤務しましたが二十代のうちに退職しています。
「教員になったの?」と父親に聞いたら「もっと華やかな場所で勤務したい」から辞めたということでした。次の就業場所は、都心だったそうです。父親は「しょうもない理由だ」と言って、怒ってました。
翌年(2005年)も女性が三人入りましたが、文学部の人でした。
2006年、内定は出しましたが大手の会社に行くと断られたました。
2007年も、女性が一人、入社してて四年連続で内定を出してます。
ちなみに初めて埼京大卒の人が来たのは、九十年代です。
中途で入ってきた二十代の男性で、もうひとつのキャンパス出身でした。
ただ、一年も働かないうちに退職してしまったそうです。




