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親の職業

 二年生になって、二週間くらい経った。すでに授業も始まっていて、今週までに履修登録をすることになっていた。一年生を見ると、悪戦苦闘している様子が見て取れた。僕はそれを見て懐かしいなと思っていた。

「まず、必修科目から埋めていくのよ。それとクラス分けに注意」

 総合高校出身の桧山が仕切っていた。一年生は、まだまだ緊張しているようだったが、なんとか完成させたようだった。気づけば夕方になり、だいぶ人数が少なくなってきた。


「そーいや、みんなの親って何してるの?」

 人数が少なくなってきたところで、誰かが聞いてきた。

「うちは会社員」

「実は農業やってて」

 何人かは知らなかったから、新鮮だった。


「江本の親は、教師だよな?」

 僕は同級生に言われて、少しムッとした。なぜなら、親が教師というのが数人いたが、どことなくイマイチな学生が多かった。親が教師だから仕方なくなるんでしょ?みたいな感じだ。

「いやいや、教師じゃないから。てか、誰だよ、そんな適当こと言ったやつ?」

 僕は少し頭にきて、強めに言ってしまった。

「誰か分からないけど、風のうわさってやつだよ」

 そう返されて、僕は反省した。

「なんか、ごめん。ちょっと言い方悪かったね。ちなみに、親は教員免許すら持ってないよ。しかも、母親は高卒だし」

 さらに言うと、僕は教師とは全く無縁の家系だ。


「自分の親は、カメラマンです」

 後輩が言うと、みんな興味津々だ。

「テレビ局のカメラマン?スタジオ?それとも、外ロケ?

「拘束時間、長くて大変そうだね」

 誰もが思ったことを言ってると、別の後輩が言った。


「もしかして、AV撮ってんの?」

 それに対して、少し笑いながら何人かつっこむ。

「おいおい、女子もいるんだから言うなって」

 なおも後輩は続けて言う。

「どんな番組、取ってんの?アハハ、AV?」

 すると後輩の口から、とんでもない答えが返ってきた。


「そうだよ、AVだよ」

 えっ、本当に?教室の空気が一瞬だけ止まったように感じた。

「父さん元男優で、母さんも元女優なんだ。共演をきっかけに付き合って結婚して」

 みんな黙ってというより驚きつつ、彼の話を聞いていた。

「もちろん母さんは引退してるし、父さんも引退して、今は撮る側なんだ」

「マジで言ってる?」

 別の誰かが聞いたが、はいと答えた。最後、後輩は小さな声で「自分の初めては女優」と言ったが、たぶん誰も聞いてなかったみたいで、それ以上つっこむ人はいなかった。

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