新一年生の自己紹介
「よし、準備完了」
今日から新一年生が入学するということで、みんなで教室の飾りつけなど準備をしていた。さらに昨年の反省を生かして、クラス別のオリエンテーションから新入生として潜り込むという徹底ぶりだ。
「そーいや、女子は何人いるんだ?」
「うちらの代よりは、多いみたいだね」
「あー、かわいい子、入ってくれないかな」
女子がいないことを確認し、男子でそんな話ばかりしていた。僕は他の学部や専修にも女子はいるし、何で同じ専修にこだわっているんだ?と思っていたが。なお、埼京大の男女比は半々くらいだが、女子の方が少し多かった気がする。
「メール来た、一年生が向かって来るって」
みんなで三階の教室から様子を覗いた。
「なんか、すげー初々しい」
「自分たちも、去年はこんな感じだったのかな?」
たった、ひとつしか変わらないし、浪人生もいるからタメもいる。しかも、二浪していれば、自分より年上になる。それでも、キラキラ輝いて見えてしまうから不思議だ。
「新入生が来たぞ」
僕たちは手でアーチを作り、新入生がくぐって教室に入っていく。全員が席に着いたところで、リーダーの廣川が前に出てきた。
「新入生のみなさん、入学おめでとうございます。二年のリーダーやってる廣川雅人です。栃木県出身で、出身高は栃木西です。将来は小学校の先生になれたらと思っています。あと、ウイイレやパワプロなどゲームが好きです」
自らがお手本となり、新入生にやってもらうってパターンのようだ。
「これから新入生のみなさんには、自己紹介をしてもらいます。今、自分がしたように名前、出身地、出身校、なりたい校種を言ってください。最後は自分の趣味、特技など、なんでもいいです。そんなスラスラ言えなくても大丈夫。後ろにいる先輩たちが助けてくれると思うんで」
そう言うと、廣川は教卓に置いてある箱の中に手を入れた。
「みんなの机の右上に番号が書かれた紙が貼ってあると思います。自己紹介が終わったら、最後にくじを引いて番号を言ってください。その番号が当たった人にやってもらいます」
少しガサゴソと手を動かして、くじを引いた。
「十七番の人、お願いします」




