付属校について
「四日間、お疲れさまでした。カンパーイ」
仕事が終わったあと、職員を含めて数人で打ち上げをすることになり参加した。打ち上げといっても、お酒はない。ジュースとお菓子を広げてパーティをするという感じだ。
「今年も一番大事な入試が終わってよかったわ」
普段、付属校で勤務している五十代くらいの女性職員は安堵していた。
「それにしても、あの二人はダメね。他の学生からクレームが来るなんて前代未聞よ」
あの二人というのは、もうひとつのキャンパスから来てた学生だ。控室で物を投げて遊ぶなど勤務態度が著しく悪く、先輩を含め数人がクレームを入れた。
「あいつらバカなんで、すいません」
谷岡と相沢も呆れつつ、少し頭を下げた。どうやら付属校出身らしい。
「向こうの職員にも話をしておくわ」
その言葉を聞いて、僕も安心した。
「まったく男子の一期生なのに何やってんだか」
僕はそれを聞いて、ハテナマークになった。
「江本、あんまり知らないと思うけど、付属校って元女子高なんだ」
谷岡が僕の反応を見て言った。
「聞いたことあるけど、だいぶ昔の話でしょ?」
「それは大学のことで中高が共学になったのは、九十八年なんだ」
つまり付属中から通っている大学一年の男子は、共学元年の一期生。
「じゃあ、谷岡も一期生?」
「いや、中学は公立で高校からだから違う」
「相沢くんは?」
「僕も高校からで」
付属中高は、校舎が一緒。高校からも募集していて、中学から入ってきた人も同じクラスになるとのこと。部活も運動系は中高で分かれているけど、文化系は一緒の場合が多いらしい。
「あまり意識しないと気づかないけど、トイレの場所が男女で離れているでしょ。それは共学にすることになったから、急ピッチで作ったからなのよ。」
女性職員の話を聞いて、たしかにと思った。
「私が通っていた頃は、共学になるなんて思いもしなかったわ」
「卒業生なんですか?」
「そうよ。だから、今も男子生徒を見ると、不思議に思うことがあるの」
約一時間ほどでお開きとなった。
「いつも男手が足りなくて片付けに時間がかかっていたけど、今年は早く終わったわ。だから、こうやって、ゆっくりできるし。それに付属出身の人たちが来てくれると道案内とか安心して任せられるし、助かったわ。また、来年もよければお願いね」
普段は聞けない話も聞けて楽しかった。また、日程があえばやろうと三人で話をしていた。




