冬休みと成人式
約二週間ほどの冬休みが終わり、新年初の登校日だ。
「あけましておめでとう」
同級生と会って、冬休みのできごとを話していた。僕は夏休み中、お金がなくて怖い思いをしたことから、普段のバイトに加えて短期のアルバイトをした。少しでも貯金をして安心して大学に通いたかったからだ。
「てか、今週と来週が終わると、テスト期間。そのあとは、長い春休みか」
「大学って、休みが多いね」
二月の途中から三月にかけて休みだというのは、大学に入学してから知った。僕は冬休み、無理して働かなくてもよかったかなと思っていた。
「成人式の次の日から大学って、キツイわ」
一浪している同級生は、昨日が成人式だ。
「やべー、飲み過ぎたから二日酔い」
大学に来ているのはいい方で、中には休んでいる同級生もいた。
「みんな元気そうでよかったよ。俺は去年、成人式だったから。ちなみに受験があったから、全く参加してない。面倒っていうやつもいるかもしれないけど、一生に一度だから参加した方がいいよ」
そう言うのは、廣川だ。
後から聞いた話だが、大学とバトルになった学生がいた。成人式に参加すると、次の日の授業開始時間に間に合わないことが分かり、授業開始日をずらすことを要望していた。出身がどこか分からないが、帰るだけでも一日かかるとのこと。なお、成人式で代表の挨拶をすることが決まっているため、親も出てきて大揉めだったらしい。翌年は成人式の次の日も休みになっていたが、その次の年は戻っていた。




