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地理の再試

 週明け、大学からメールで成績再確認の結果が送られてきた。なんと採点ミスがあったということで、研究室に来るようにという一文が添えられていた。合わせて追試が行われることになり、僕は地図帳を改めて購入して勉強して臨んだ。


 十一時に来るようにと書かれていたので、十分くらい前に研究室の前に着いた。主に三年生以上が入る部屋だから、入学してから一度も入ったことがない。少し緊張したが、扉を見ると空いていた。九月とはいえ、まだ暑いから開けているのだろう。姿が見えないので、コンコンとノックした。

「どうぞ」

 根本の声が聞こえたので、僕は「失礼します」と言って入室した。

「おー、江本君、よく来てくれた」

 僕を見て、すぐに名前を呼んだので、ドキッとした。分かっていたが、この先生、みんなの顔と名前を憶えてるようだ。


「いやー、申し訳なかったね。改めて採点をしたら、テストの合計点が間違っていたんだ。だから、みんなと同じように再試を受けてもらおうと思う」

 肝心の点数だが、五十一点だった。十点満点中、九点が必要だ。先生のサービスで、勉強する時間がもらえた。そして、テストを受けて、その場で採点してもらった。


「よし、九点取れてるから合格だ。単位は修正しておきます」

 僕はほっとした。一番低いCとはいえ、必修科目の単位がもらえるのだ。

「ありがとうございました」

 僕は礼を言って、研究室を出た。


 教室を出た後、仲のいい同級生にはメールを送った。まさか成績が覆るとは思わなくて、びっくりしたとのこと。後にも先にも成績再確認をしてもらったのは、この一回だけだ。正直、出すときは失敗したら、どうしようと思ったが上手くいってよかった。ただ、次は再試にならないように勉強をしようと心に刻んだ。

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