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秋学期に向けて

 昼過ぎ、ホームでクラスの集まりがあった。

「成績もらったら、終わりでいいのに」

 愚痴をこぼしているのは、古庭だ。

「そんなカリカリするなよ。時間が早まったから、いいじゃん」

 クラスの集まりは十三時からだったが、十二時に変更となった。


「江本、地理どうだった?」

 少しニヤニヤしながら聞いてくる同級生。僕はイラっとしながら答えた。

「落としたよ」

「やっぱり、合ってたか。あの二人もいるから、来年また一緒に受ければ大丈夫だって」

 僕は明らかに冷やかされていたので、ムッとして言い返した。

「成績が合ってるかどうか再確認するから、まだ分からないよ」

 僕の返答に対して、同級生二人は少し驚いた表情を見せた。


 埼京大では、成績が合っているか確認する制度がある。過去に明らかに成績がおかしいと訴えた学生がいた。しかし、大学側が全く取り合わなかったらしい。最終的にゼミの担当教員に話をして、教授会で訴えて確認することになった。その結果、担当教員が成績を入力するとき、一行ずれていたというミスが判明した。それまで欠席が全くなく、ひとつも単位を落としていない優秀な学生だというのもあった。この件で成績に不服がある場合、申請することができるようになった。


 そんな話をしていると、時間になった。

「一年、みんないる?」

 事務の補佐、高市と池村、続いて先生たちも入ってきた。

「みんな揃ってるみたいだから、始めますか」


 先生たちの話は、それほど長くなかった。まず、中退者がいなくてよかったということだった。二年連続でいるので、今年はゼロでいこうという話が出たそうだ。成績の話になり、計画的に学習することを言われた。また、長期休みで生活リズムを整えるようにということだった。


 その後、文化祭で何をするか?という話になり、クレープにすることが決まった。僕は話し合いが終わると、成績再確認を申請した。

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