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ウイニングイレブン2

「えっ、マジ?同級生がサッカー選手って、すごすぎなんだけど」

 みんな驚いていたが、僕も驚いていた。

「正確にいうと、同じクラスになったことはなくて。隣のクラスで」

 僕が小学校四年まで通っていた学校は、全学年二クラスだった。学年の人数は、六十人を超えるくらい。


「運動神経、すごかった?」

「うん。でも、一番じゃなくて二番目だったんだ」

 一番運動神経がよかった子は、四年間、僕と同じクラスだった。性格も良く、男女とも好感度が高かった。彼のことが好きな女の子も多かっただろう。おじさんがプロ野球選手だったので、運動神経抜群。ただ、早熟だったのか身長も伸びてない。体育大に進学したことは聞いていた。ちなみに彼のお姉さんは、五歳年上で僕と同じ高校出身。しかも、偶然だが教育実習で、自分のクラスに来たのだ。


「Jリーガーになった彼は、どうだったの?」

「ほとんど話してないから分からない。ただ、初めて彼の顔をちゃんと見たときのことは覚えてる」

「それって、どんな?」

「近所のコンビニに買い物に行ったら、サッカーの練習終わりの彼がいて・・・おいおい、老けてんなあ

、その顔で小二かって」


 それに対して、みんなからツッコミが入る。

「いやいや、江本だって小二でしょ」

「小学生のとき、顔が老けてるなんて思ったことある?」

 みんな僕の回答に笑っていた。


「でも、ゲーム画面を見て気づくってことは変わってないってことだね」

「びっくりするくらい変わってないよ」

 僕は顔が変わってないことを強調して言った。

「同級生なんだから、ちゃんと応援しろよ」

「それは、もちろん」


 なお、彼は二十代で現役引退。飲食店で偶然会って、一言程度だが話をしたこともあった。現在は大学のサッカー部で、コーチをしている。

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