高校中退者数
「私の中三のときのクラス不良ばっかりで、三十人中十五人が高校をやめました」
僕より少し後に入ってきた二年生の女子高生が言ってたことだ。
「あの子、いったい何を言ってるんだろう?」
「そんなわけないよね」
他のアルバイトは、みんな彼女の言ってることを信じていなかった。
「でも、嘘つく必要ないし」
何人か困惑していた。
「実は彼女と出身中学近いんだけど…嘘はついてないと思う。十分あり得る」
僕は言った。
「えっ、そうなの?どんな感じ?」
僕は逮捕者多数という噂があること、廃校の可能性があったことを話した。
(詳しくはコチラを参照)
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「ヤバいね、その中学」
「だからって、みんな進路が違うのにクラスの半分が高校辞めるって異常だよ」
「教育学部生、高校中退率って、どのくらい?」
僕は分からなかったので調べてみると、二、六パーセントだということを知った。
「こんなに低いんだ」
僕の発言に、まわりから質問が飛ぶ。
「いや、そんなもんじゃないの?江本君の同級生は、どうだったの?」
「中学の同級生は、九十一人中少なくとも十二人辞めてます」
「けっこう荒れた学年だよ、それ」
僕はさらに二人増える可能性があること、高校中退者のひとりは別の高校に進学したことを話した。
「ちなみに高校は、どうだったの?」
「八クラスで三百人くらいでスタートして、最後は二百九十人くらいでした。暴力沙汰やったりして退学になったとかはいないです。人間関係だったり、校風と合わないとかだったり。みんな自らの意志で」
「平均より多いから荒れてるんじゃない。江本君、いいとこ出てると思ったら、全然違うんだね」
僕は見た目から、いいとこのお坊ちゃまと勘違いされることが多い。しかし、実際は底辺と言われても仕方ない学年出身だ。このとき、高校もわりと中退者が多いということを知った。




