クラスリーダー
土曜日、カフェを出た後、家に着いたのが夜七時過ぎだった。十時過ぎには眠くなり、完全に爆睡。日曜日だからよかったが起きたら昼過ぎだった。
「ずいぶんと寝たわね、大丈夫?」
母が少し心配そうに言ってきた。
「大丈夫、だいぶ疲れが取れたし」
「まあ、楽しそうにしてるから、別にいいわ」
僕は録画していた番組を見るなど、ゆっくりした。部屋を掃除したり、久々にゲームをしたりしていると、あっという間に夜だ。そして、月曜日の朝を迎えた。
いつも通り、約二時間かけて通学し、十分前くらいに教室に着いた。
「おっ、今日は早く着いたな」
木本が教室に入り、チャイムが鳴ったあと講義が始まった。講義は木本が、ひたすら話続けるスタイルだった。僕は睡魔に襲われ、半分意識が飛んでいた。ヤバイ、ヤバイ、気をつけないとと思って周りを見ると、みんな似たような状況だった。
「おっ、少し早いけど、今日はここまで。それと学生会からお知らせが来ています」
んっ、何だ?という空気になった。
「毎年ですが、各クラスで男女一名ずつリーダーを決めています。学級委員に近いものです」
何それ?大学でもあるの?という声が上がった。
「大学では文化祭など様々な行事がありますが、そのために事前の話し合いや準備があります。そのときにクラスの代表として出席するのが仕事です。だいたい昼休みが多いので、授業に出れないとかはありません」
木本は続ける。
「私は面倒だなって思って絶対にやりませんが、行事が好き、楽しみたいと思う人はやってみるといいでしょう。期限は今週末なので、決まったら片山先生に報告してください」
少し笑い声が上がり、木本は教室を出てしまった。
「おい、どうする?やる?」
僕は聞かれて答えた。
「やらないよ、リーダーシップ取れるタイプじゃないから」
数分経つと、廣川が手を挙げた。
「俺、やります。一番年上になるし、それにみんなとも仲良くなりたいし」
そう言ったあと、田熊が手を挙げた。
「あたし、やります。リーダーってキャラじゃないけど、先生になるためにやります」
「他にやりたい人、異論がある人はいない?」
当然というべきか、教室からは異論は出なかった。
「よし、決まり。拍手~」
廣川が言うと、みんなで拍手した。
「とりあえず、何人かとは連絡先交換したけど、改めて全員交換しよう」
その後、メーリングリストを作ったり、連絡網を作ることになった。




