表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/75

母校(中学)の部活事情

「サークル、どうしよっかなー?」

 数人で駅前のカフェに入り、入学時に配られた冊子を眺めながら話していた。体育会系だとオリンピック種目に加え、アメフト、剣道、弓道、ダンス、登山などもあって、ひと通り揃っている感じだ。サークルも含めたら、さらに増えるだろう。


 文化系も音楽が非常に多かった。吹奏楽だけでなく、オーケストラ、バイオリン、合唱、箏、ギター、ジャズ、和太鼓など幅広い。書道、茶道、演劇、美術、写真に加え、麻雀があったことには驚いた。子どもと遊ぶボランティアも複数あった。


「いろいろあって迷うね」

「飲みサーには入りたくないな」

「入ったら、入ったで大変そう。バイトもしなくちゃだし」

 そんな会話が飛び交っていた。


「江本は何にするか決めた?」

 僕は少し考えてから答えた。

「学業と両立したいから、無理のない範囲で参加できるのがいいな」

 周りもそうだねって感じで納得していた。


「サッカー部、週六って多すぎだろ」

 うちのクラスは、サッカー部の経験者が一番多くて大学でも続けたいって感じのようだ。しかし、活動日の多さで、入部を諦めているみたいだ。中学や高校みたいに学校単位の大会に出たいならサッカー部に入るしかないが、サッカーをやりたいだけならサークルに入ればいいのにと僕は思っていた。


 それに選択肢があるだけ、うらやましかった。本音を言えば、僕は吹奏楽を続けたかった。しかし、全国レベルの看板部活であり、間違いなく練習は厳しいはず。活動日が週三日となっているが、そんなはずはないだろう。長期休みは毎日だろうし、活動時間を見ると夜九時となっていた。片道二時間近くかけて通っていることを考えれば、体が持たない。いくらかかるか分からないが、お金がないので諦めるしかなかった。


「帰宅部だって、悪くないっしょ」

「まあ、焦って決めなくていいんじゃね?」

「まずは体験入部してから」

 そんな会話をしてると、続いて中学の部活の話になった。


「そーいや、中学はどうだったの?」

 そう聞かれて、僕は答えた。

「卒業してからだけど、野球部廃部、美術部休部」

「えっ!」

 みんなの視線が集まる。


「理由は分からないけど、顧問の先生が何かやらかしたみたいで廃部。全然強くもなかったし、部員数も二十人いかないくらいかな」

 それに対して、予想通りのコメントが返ってきた。

「東京って校庭とか狭いんでしょ、ボールが近くの家に飛んだら危ないし」

 僕は勘違いされるといけないので、素早く言い返した。

「二十三区で校庭の広さトップテンに入るくらいだから、それが原因じゃないよ」

 じゃあ、何で?となったが僕にも分からない。


「美術部は?先生が休職したとか」

「いや、部員ゼロになったから」

「えっ、マジ!?」

 これにも仰天していた。


「卒業してすぐ、区内から別の先生が異動してきたんだけど、見た目からして気難しそうで変な先生という感じで。当時の美術部は三年生が数人、二年生はおそらくゼロ、一年生は女子三人くらい。一年間やったけど、先生が嫌って理由でやめたんだ。そのとき、他の先生にも『続けてくれないか』とお願いされたんだけど、みんなで『嫌です』って言ったんだって。結局、新入生も入らなくて部員ゼロで休部。今は分からないけどね」

「生徒数って、どのくらい?」

「各学年三クラスで、全校生徒数が三百人くらいかな」

「そんな少ないんだ」

「美術部が部員ゼロで休部って初めて聞いたよ。てか野球部、美術部なんて、どこの学校にもあるのに、その二つがないってすごいな」

 他にも部活に関するネタは持っていたが、お腹いっぱいだと思ったので話すのをやめた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ