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授業5日目 義務教育について

 今日も一限から授業があったため、朝六時過ぎに起きた。

「今日も一限?」

 母に聞かれて「そうだよ」と言った。

「月、水、木、金が朝早いのね」

 母はメモするような感じで、つぶやいた。


 今日は順調で、予定通り十分ほど前に着いた。どの学部の学生も選べる科目とはいえ、みんないるとは限らない。教室に着くと人気なのか、けっこう席が埋まっていた。

「おーい、こっち、こっち」

 どこからか声がしたので見ると、同級生が数人いた。

「一番最初だし、みんなで受けようよ」

 僕は誘ってもらえたので嬉しく思い、一緒に授業を受けることにした。


 授業のテーマは『義務教育について』だった。近くの席同士で、どう思うか?話をすることになった。みんなの反応は、予想通りだった。高校くらい行くでしょ?たまに行かない人いるけど、ほとんどが不登校じゃない?といった感じだった。全国の平均進学率を見ても、九十七、八%だから当然だ。


「今どき中卒なんているのかよ」

 ややぶっきらぼうな感じで言ったのは、山滝敬人。自己紹介のときから、なんとなく分かっていたが、小学校から私立の学校に通っていた。公立のことが分からないのは仕方ないが、言い方がキツイので僕は思わず言ってしまった。


「自分の通ってた中学、一コ上、一コ下、男三人ずつ中卒で就職したよ」

「えっ!」

 山滝はもちろん他の同級生も驚いていた。

「あれっ、地方出身だっけ?どこ?」

「東京だよ、二十三区」

「はあ⁉」

 もう少し説明しようとしたら、先生の説明が始まってしまった。僕は嫌な言い方をしてしまったと反省した。授業後、話を続けられればよかったが、教室の移動もあって伝えることなく終わってしまった。なお、同級生のほとんどは覚えてないだろう。なぜなら、僕は中学から私立に通っていると勘違いされているからだ。

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