補助教員ボランティア 八日目 副校長の注意
「いいですか、みなさん。ここは宿題など勉強をするところです。おしゃべりをするところではありません」
朝の挨拶をしたあと副校長がガツンとではなく、静かに言った。
「参加人数が多いというのもありますが、一年生が一番ひどいと聞いています」
生徒たちは黙って聞いていた。一年生、少し凹んでいるようだ。
「はじめの頃は、三年生からも苦情がきてたそうです。しかし、いつの間にか三年生もつられて、おしゃべりばかりだそうですね。受験を控えているのに大丈夫ですか?」
三年生の男子数人が、やべっという顔をしている。副校長は続ける。
「残り三日間ですが、ちゃんと勉強できますか?」
生徒たちは、まばらだが返事をした。
「では、約束を守ってやっていきましょう」
初日と同じくらい静かな空間になった。この学校の生徒は、ちゃんと言えば分かってくれそうな感じがする。だから、ガツンと言わなかったんだと思った。自分の場合は時代もあるかもしれないが、やはり荒れてる学年だったからガツガツ言ったんだろう。
「今日はちゃんとやったね」
中三の男子生徒に声をかけると、こんな言葉が返ってきた。
「さすがに教頭先生に言われたら、ヤバイなって思った」
それを聞いて、ずいぶん効果があると感じた。
終わったあと、恒例の校長室で話をした。
「今日くらい静かな状態だといいんだけどね」
「それにしても、副校長先生の話は効果があった」
「でも、何であそこまで、みんな聞いてるんだろう?」
結局、それに関しては謎だったが、残り二日間をなんとか乗り切れそうだと思った。




