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中学時代の同級生 野球選手諦め、大学進学

 二年の春学期が終わったので、僕は同級生と飲んでいた。みんな通いということもあり、夜九時くらいに解散。いつもなら混んでいる電車も、なぜか今日はガラガラだ。僕はラッキーと思って座った。眠気もあり、少しボーっとしていたが、誰かが座ってきたのが分かった。けっこう空いているのに、ずいぶん近いなあ。もう少し、離れて座ればいいのになんて思っていた。なんとなく横を見ると、向こうも僕を見てきた。


「あれっ、江本じゃね?」

 なんと相手は中学時代の同級生だった。

「久しぶり、何してんの?」

「大学の帰りだよ」

「俺も大学の帰り、どこ行ってんの?」

 中学の卒業以来、五年ぶりの再会だ。


 彼は中学に入学したときは野球部に入っていたが、数か月で辞めて地元のクラブチームに入った。彼も最初は無理だろうと思っていたが、そのチームの卒業生(彼にとっては、小中も同じ)で現役の選手がいることを知った。そこから本気でプロ野球選手を目指して生活態度も改めた。


 高校受験のときは、近くの高校から野球推薦をもらっていた。しかし、プロ野球選手は輩出していたが、だいぶ昔の話。本人の前では言えないが「本気でプロを目指すなら、もっと強豪校から話をもらわないと」なんて同級生は言っていたし、僕も思っていた。


 最終的に甲子園未経験校だったが、これから力を入れるという私立高校に入った。彼は「同期はすごい奴らばかりで本気で狙う」と言っていた。なお、学校の成績は全く足りなかったが、担任の先生の旦那(体育の先生)の元同僚が勤務していたこともあり、なんとかしたとのこと。


「大学まで、どのくらいかかる?」

「最低でも、一時間四十分くらい」

「なんだ、俺より近いじゃん」

 彼も自分と同じで遠距離通学だった。ただし、週三回くらいは誰かの家に泊まっていると言っていたが。それよりも、一般受験で入ったことがすごいと思った。彼はポテンシャルはあると思ったが、授業中は寝てばかり。ただし、数学だけは好きで、ちゃんと受けていた。中学時代の成績は、オール2といったところか。勉強を始めたのは、高二でケガをして野球を辞めてからだ。


「じゃあ、またな」

 そう言って、彼はどこかの駅で降りていった。

 今回の話ですが、本当の話です。大学二年のときでしたが、時期までは覚えていないです。

「同期はすごい奴らばかり」と中学卒業時に言ってましたが、自分を含めて周りも「いや、全国ってなったら違うよ」なんて言ってました。しかし、彼の言ったことは、それほどズレてはなかったのです。


 なぜなら、同じ区内出身の選手たちが中心となって甲子園に出場。さらに別の選手ですが、プロ野球選手になっています。もしかしたら、彼も手の届く位置にはいたかもしれません。本人が自虐で言ってましたが、家庭環境がよくなかったか。悪人ではないけど、父親が適当すぎる。大学卒業後、家業を継いだ話を聞きました。

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