補助教員ボランティア 四日目 聴覚障害の男の子と騒がしい教室
いつも黙々と宿題をやっていて、分からないことがあると手をあげる男の子がいた。真面目で一生懸命な子だなって思いながら見ていたが、耳には補聴器がついていた。事前に聞かされた話だと、生まれつき耳が悪いらしい。声が聞こえているかどうか分からないと医者は言っているが、口の動きで相手が何を言っているかが、ほぼ分かるとのこと。同級生はもちろん大人も、びっくりするくらいのレベルだ。
はーいという感じで彼の手が挙がったので、僕が見ることにした。事前に言われていたことを気をつけながら、漢字を教えた。中学一年生だと、けっこう漢字が書けない、読めないということが多いということを知った。
「おい、そこ何やってんだ」
八木の怒声が教室中に響く。二年生の男子二人が固まっていた。
「おいおい、鬼ごっこはダメだろ」
「そりゃあ、先生たちも怒るって」
他の二年生からも呆れた感じで言われる。
終わったあと、他の先生たちと話をした。
「全体的に今日は騒がしかったわね」
「生徒たちも、いい意味でも悪い意味でも慣れてきた感じね」
「一年生が一番多いから、一番騒がしい」
「二年生も、それなりに」
「三年生も受験生なのに、つられそうになってるのがいる」
そんなに強くは言える立場ではないし、困ったなあという感じだ。
「明日で一旦区切りつくから、乗り切りましょう」
僕はどうしたらいいかと考えていたが、何も案を出せないのが悔しかった。




