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補助教員ボランティア 打ち合わせ

 一年次と比べて専門的な内容になり、授業が楽しくなったと同級生は言っていた。僕もそうかもと思ったが、授業を聞いてもよく分からないことがあった。やっぱり、落ち着いて勉強できてないというのがある。七月に入り、テスト期間に入ったが、今回は何かしら単位を落としたという出来だった。


「みなさん教員を目指すなら、現場のことを知りましょう」

 先月の大学のオリエンテーションで、事務の人に言われた。埼京大では、補助教員ボランティアというのをやっていて、二年生以上だと登録することができる。もちろん、場所や校種などの希望も聞いてもらえる。その結果、都内の中学校でボランティアをすることになった。これまで縁もゆかりもないところだ。


 僕は通学途中の駅で降りて、バスに乗る。どのバス停で降りるんだっけ?あれっ、いつの間にか過ぎた?循環バスなので、気づいたら駅に戻っていた。慌てて電話をして、少し遅れるということを伝えた。


 なんとか中学校の校門に着くと、玄関から男性が出てきた。

「こんにちは、埼京大から来ました江本です。遅れてすいません」

「いえいえ、大丈夫ですよ。気にしないでください。この学校、駅から遠いから、よく来訪者が遅れるんです。申し遅れました教頭の森田です、中へどうぞ」

 僕はあれっ、教頭じゃなくて副校長じゃなかったっけ?と思っていた。東京都は教頭の地位向上のため、名称を副校長に変更していた。まだ慣れてないのだろう。


「さあ、こちらです」

 打ち合わせは、校長室だ。中に入ると、すごい高級なソファがあってと思ってたら全く違った。どちらかといえば、明るい感じで校長室という感じが全くしない。

「この学校、昔から校長室がこんな感じで、びっくりですよね」


 打ち合わせが始まり、最初に自己紹介をした。

「校長の森です。どうぞ、よろしく」

 五十台の女性だったが、苗字が紛らわしい。副校長が森田で、校長が森。たまたまだろうけど、外部の人は混乱するかも。他にも他大学から女性が二名来ていた。夏休みに十日間、補習教室をすることになっていて、八月の初週に五日間、最終週に五日間やる予定だ。強制ではなく、勉強したい生徒が希望してくることになっていて、宿題を含めて科目は何でもオーケーだ。


 打ち合わせが終わると、副校長に声をかけられた。

「去年、卒業した子で江本くんがいて・・・親戚だったりはしないか」

「違います」

「まあ、よくある苗字だしね」

 僕はなんか気になってしまい聞いてみた。

「江本くんって、今はどうしてるんですか?」

 副校長が少し間を開けて答えた。


「今は少年院に入ってます」


 僕は地雷に触れてしまったような気がした。

 今回の話ですが、アレンジはしていますが本当の話です。

 どこでバス停を降りるか分からなくなって遅刻は、二回やりました。バスのアナウンスも小さいし、誰も降りないからボタンを押し忘れて気づかずといった感じです。


 校長、副校長の名前が似てるというのも本当です。もちろん、作中では苗字を変えてます。他の人も「えっ、わざと当てたんじゃないか?」って、ツッコむくらい。外部の人も間違えること多数だったに違いない。


 そして、最後に出てきた江本くんの話、本当です。作者の苗字、そこまで珍しくありませんが、初めて聞いたと言われることはあります。このあと、他の先生にも「親戚?」と何回か聞かれました。おい、江本、少年院に入るって何をしたんだ?なお、プリクラだけど、顔を見たことがあります。チャラそうな感じはしたかな。

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