武器が欲しい
俺たちはギルドを後にした。 そしてまずは武器屋に向かった。
「武器屋と言ったらあそこだな」
「ああそうだな」
「いつものとこだね」
どこかは分からないがとりあえず3人についていく。
「ここですね」
そこは冒険者ギルドから少し離れたところにあった。
武器防具屋ガーベルとと言う店の前で止まった。
「ここか」
中に入ると様々な武器があった。
「おお、お前らかよく来た」
声をかけてきたのはこの店の店主のおじさんだった。
「今日は?何しに来たんだついこの間防具は調整してやったし」
「次は武器か?」
「いや今日は違うんだ新入りに武器を買いたくて」
「新入り~?」
「こいつが新しく仲間になったレイです」
「よろしく」
「おう、俺はガーベルって言うんだよろしく」
「で、どんなのが欲しいんだ?」
俺は迷うこともなく言った。
「剣でお願いします」
「剣ねぇ短剣やロングソード、刀、大剣、片手剣、レイピアがあるがどれにする」
刀!これもいいがここはやはりロングソードだ。
「ロングソードで」
「よしわかったちょっと待っとけ」
それから数分後。
「ほれこれがおすすめだ」
それはとてもきれいな銀色の剣だった。
刃は長く見た目は重そうなのにとても軽い。
「これは駆け出しの冒険者におすすめの剣だ」
「値段は6000ダールだ」
日本円にして6万円か高いのか安いのかわからないな。
まあだがグレイから貰った1万ダールがあるし遠慮なく使わしてもらおう。
「じゃあこれで」
「毎度あり」
「おいおい防具も買ったらどうだ」
確かにそうだが今手元には4000ダールしかない。
「なあ4000ダールほどで買える防具ってないか?」
「4000ダールだと、、、」
「まあないが一応探してみる」
「ありがとう」
「あったぞ、」
「お前らの予算はいくらだっけか」
「4000ダールくらいかな」
「4000ダールで売れる防具は無いがまあ常連の連れだまけといてやる」
「本当かありがとう」
「これがその品だ」
「へぇー結構いいじゃん」
「ああ、ただこの防具はかなり薄いんだ」
「でも、軽装だから動きやすい」
「まあお前みたいな駆け出しにはいいかもな」
それはローブと薄めの鎧だった
「それで、どうする」
「買った」
即答した。
「そうかいじゃあ4000ダールだ」
「まいどあり」
防具も手に入ったがその代わり俺は貰った金を使い果たし素寒貧になってしまった。
「これからどうしようかな」
俺がそう聞くとレオンががこちらを見て言った。
「剣の練習とかキングスを試しに使ったりとかじゃない?」
「まあそれが妥当だな」
「レイはレベルが低いからな」
「練習するか」
「よし!行こうぜ」
俺達は武器防具屋ガーベルの近くにある修練場に向かった。
「ここだ」
「よし、まずは軽く素振りをしてみてくれ」
俺は言われた通りやってみた。
「ふーん、なかなかいいじゃないか」
その後軽く剣を教えてもらった。
教えかたが良いのか俺の筋が良いのか、レオンが「これなら今は大丈夫だね」と言い剣の練習は終わった。
「キングスの力を見てみよう」
「そういえばどうやって使うんだろう」
「基本的にはどのスキルも念じれば使えるよ」
「その他にも自動発動や永続発動のものもあるけどね」
「試してみろよ」
「オッケー」
言われたままに俺は発動しようと念じてみる
「【衝撃放出】」
しかしなにも起こらなかった…
「あれ?おかしいな」
もう一度やって見るが結果は同じだった。
「なんでだろう」
そうしているとフェイさんが何かを思い出したように話しかけてくる。
「そういえばキャパシティとか書いてなかった?」
そういわれて書いてある事を思い出す。
衝撃放出&吸収
[衝撃を吸収しその分の衝撃を放出することが可能]
ああなるほどねそういうことかどうやら俺は勘違いをしていたようだ。
衝撃吸収した分しか放出できないということか
なるほどまるで説明書を読まない子供のようなことをしてしまった。
普通に恥ずかしいがここは切り替えていこう。
「分かったぞ」
「えっ!?ほんと!」
「よし!誰か俺をぶん殴ってくれ!」
「はぁ?どういうことだ」
「いいから早く」
「ま、いいやじゃ俺がやるぜ」
「いくぜ!」
「おう!」
「【衝撃吸収】」
使った瞬間グレイからパンチが飛んでくる。
ゴォン!!!
「ぐはっ!!」
俺は思いっきり吹っ飛ばされた。
「大丈夫か?」
「おい、もうちょっと優しくしてくれてもよかったんじゃないか」
けど予想どうり全く痛みは無かった。
「でもこれでどうなるんだ」
「わかんないけどとりあえず使ってみてよ」
「おう」
俺はさっきと同じように【衝撃放出】を使ってみる。
すると突き出した右手から衝撃が放出される。
ドン!!
さっき殴られた分の衝撃を一気に放出した。
「ああうぁぁぁいでぇ」
「おい!どうした」
「腕が折れてる!」
「リーダー回復を」
「分かってる」
「【ワンポイント・ヒール】」
「あぁ、あ、あ治ってる」
「良かったでもなんで」
「もしかしたらだが」
「俺のスキルは衝撃を放出させる」
「その時に放出した一部の衝撃が自分の方向に帰ってくる」
「それを腕で受け止め腕が折れる」
「そんなところだと思う」
「まじかよ、使いにくないかそれ」
確かにこのままじゃ使いにくい
「待てよ」
「【衝撃放出】と【衝撃吸収】を同時に使えばいいんじゃないか」
「おお!ナイスアイデアだぜレイ」
「でも両方同時に使えるのか」
「まあ、やってみるか」
とりあえずもう一度グレイから衝撃をもらい試してみる
「【衝撃放出】」「【衝撃吸収】」
ドン!!
すると今度は俺に向かってきた分衝撃は吸収され腕は何ともなかった。
「ほっ良かった」
俺はまたあの痛みを受けなくてもいいと思い安堵する。
「大丈夫でした?」
「ああ、なんとかな」
その後俺達はしばらく剣を教えてもらったりをしたりキングスをさらに試したりをしたりするのであった。
それで分かったことを言おうまず。
キャパシティの限界を超えていても衝撃吸収はできるのかということ。
結論を言えばできるけど保有する衝撃の限界値は増えない。
あと放出する衝撃は1%から最大25%まで調整ができるということ。
最後に衝撃は体から出すことしかできないということが分かった。
つまり空中から出すとかは不可能ということだ。
この三つが分かっただけでもかなり収穫だ。
長いことやっていたらあたりが暗くなってきた。
「よしそろそろ終わりにしよう」
レオンの一言により今日は解散することになった。