永遠に近い時を刻む時計
時計の音がゆっくりと均等になる。この音を聞くのが私の中でゆったりと安心出来る
時間がゆっくりと進む。その感覚が私は好きだった
この時計はオーパーツと呼ばれていて……今現代の技術では到底不可能と言われる程の技術が使われている
当時の技術で再現しようにも不可能で……私はこれが気に入り何時も……毎日聞いている
ゆっくりと寛げる時間。何も無い時間……それが何よりもの祝福だった
私はゆっくりと目を開けると時間は丁度12時を指していた
ゆっくりと立ち上がり時計を見て止めた。私は時間としての機能を使わずにただのオブジェとして鑑賞するだけ
『チクタク』と規則正しく鳴る音。この音が永遠に続けば
この音が永遠に続けばいいのに。何時も私の中でそう思う
だけどこの音も永遠に続かない。永遠に止まらないオーパーツなのに止まっていた。永遠に刻む時をこの日を持って止まってしまった
この時計の刻む時はこの瞬間に役目を終え、時間を止めてしまった。ゆっくりと触れて私は……
「お疲れ様」
そう目の前の時計にそう言う。永遠に近い時を刻み終えた時計に『お疲れ様』と……
その日からこの時計は部屋から見える場所で私を守ってくれてる。私はこの時計が好き
何時かまた、時を刻んでくれる事を私は待っている