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聖騎士と懐かしき骨の騎士

皆様の声を聞かせてくださると幸いです

感想、評価お待ちしております

「中に入ると余計懐かしく感じるねー」


「そうね、でもなんか前よりも暗い感じね、マーリン、灯りつけるわよ」


「おう、そうだな」


 セッキーとマーリンの魔法により迷宮の中は少しだけ明るくなった

 だがそれでも骨の迷宮の時よりも暗い感じだ


「んー・・・なぁ、マップにさ、骨の迷宮地下一階って書いてあるけど前は1階とか2階とか書いてなかったよな」


「そうね、骨の迷宮とは明記されてたと思うけど、地下一階って事は二階もあるのかしらね」


「どんどん降りていくタイプのダンジョンか、じゃあ五階か十階でボスだな」


「ありえるね、そこを超えたら雑魚が強くなっていくパターンだね」


「じゃあ最初はさくさく行けるかな?」


「んー・・・ダンチョーの表情からするとまだここを教えるのは早いけど「悪竜エドラ」の事があるからしょうがないって感じなのよね、とりあえずは様子見しながら進んでいきましょう」


 このダンジョンに行く事を勧めてきたダンチョーの表情は確かに険しかった

 アサギはその表情を思い出しながら気合を入れなおす


「そうだね、うん!慎重に行こう!」


 アサギが初めてなのだがよく知っている道をいつも通りに進もうとする


「骨の迷宮と同じマップみたいだけど下へ行く階段とかはナイットンが居た所にあるのかしらね」


「んー・・・わかんないけど多分そうなんじゃないかなぁ?とりあえず初回だし虱潰しでもいいかな、って思うんだけどどうする?」


「元々骨の迷宮はそこまで複雑なマップじゃないからそれでいいんじゃないか?レベル上げがメインの目的だしな」


「はーい、じゃあとりあえず進むね」


 アサギが進むよく知っている道には昔倒したよく知っているモンスターが大勢いた

 しかし見た目は同じでも強さはアサギ達と同じくらいである


「レベル的には一緒だね」


「一階で同じってやばいんじゃないか?」


「確かに」


「まあ、もし二階の敵が強すぎたらまた最初からぐるぐるすればいいんじゃない?他に行けるダンジョンはもうほぼほぼドロップも取り終わっちゃったんだからイベントまでここだけでいいでしょ」


「そうだね、とりあえずナイットンがでるのかでないのかも気になるしな」


「ロイヤルマスターじゃない事を祈るわ」


 アサギ達は前へ進む

 道中で出てくる敵は相変わらず骨ばかりだ、アサギは武器に聖属性を付与し攻撃力を高める

 前に来ていた骨の迷宮なら今のアサギ達ならすぐに倒し進めるだろう、しかし骨の迷宮・奥に湧き出るスケルトンはそうはいかない

 あの頃とは威力が、速さがまるで違っている

 それにダンジョン内にいるスケルトンの数も増えているので一度の戦闘時間が大分伸びてしまう

 厄介な事に一番増えている敵はその場にとどまらずに動き回っている巡回なのでアサギ達は少しずつ敵を引き寄せては殲滅するという方法を取っていた

 敵を引き付けるのはもちろんアサギの役目である、巡回と定点のモブの索敵範囲が重ならなっていない時に呼び込むのだ

 敵の強さ的に量を抱えてしまうとすぐに全滅してしまう恐れがある

 アサギはいつもよりも慎重に行動していた


「ふー・・・蟻とか海賊はそこまで巡回多くなかったけどここは数が多いから結構しんどいね」


「無理しないで休みたかったらいってね、そうじゃなくても敵に囲まれて一番疲れると思うし」


「んー、そっちは大丈夫なんだけどね、慣れてるというか身体が勝手に動いてるというか」


 その時ゴロゴロという音が骨の迷宮の奥の方から響いてきた


「ん?なんだ?なんか音しないか?」


「そうね、なにかしらね」


 ゴロゴロゴロゴロ・・・


「なんか奥から聞こえて・・・近づいてくる?敵?ちょっと後ろに下がったほうがよくない?」


 アサギ達は慌ててきた道を戻った


「前はあんな音する奴いなかったよね」


「そうだな、敵は骨だけだし足音なんか全然しなかったよな」


 ゴロゴロという音はどんどんと近づいてきて


「あ!きた!骨の・・・車輪!?」


 ゴロゴロと音を立てながら近づいてきたそれは骨だけで作られ、真ん中に頭蓋骨がある車輪だった


「なんかあんな妖怪いたね、なんだっけ?」


「あー、そうだな、なんにしてもあんな巡回が他と戦ってる時に来たら厄介だ、やるか」


「うん、そうだね」


 ゴロゴロと回りながら動いてきた骨の車輪はアサギ達から少し離れた所でピタっと止まる

 そしてまた元来た道をゴロゴロと戻り始めた


「アサギ!やばい、戻るぞ!」


 アサギは奥の方へ転がっていく車輪に光の腕を伸ばしなんとか手元に引き寄せる事に成功した


「ふー、焦った」


 なんとか骨の車輪だけを引き寄せるとアサギは少しだけ後ろに下がる

 光の腕による移動妨害の時間が終わった骨の車輪は今までは地面を走っていたのに急に空を飛び車輪を構成している骨の継ぎ目らへんからトゲのようなものを出しながらアサギに襲い掛かる


「わー!空飛んでくるとは!!」


 アサギはまさか車輪が空を飛ぶとは思わなかったので盾を下の方で構えていた

 そこへ車輪のトゲが突き刺さり思わぬダメージを受けてしまう

 その時の車輪の真ん中の頭蓋骨はカタカタと笑っているかのようだった


「なんかこいつだけ表情ある感じで腹立ってきた!!」


 アサギは車輪を追い越し方向転換しながら挑発スキルを使う

 車輪はまるで丸ノコのようにぐるぐると回りながら空を飛び再びアサギに襲い掛かる


「もうそれはさっき見た!!」


 アサギはしっかりと盾で防ぐが車輪はそれでも回り続けアサギのHPを少しずつ削っていく

 アサギはそれでも盾で防ぎ続ける

 どうやら車輪はずっと回っている事はできないらしく空中で回転を止めた


「今だ!」


 アサギは止まった車輪の真ん中でカタカタと笑っている頭蓋骨目掛けて盾を振るう

 どうやらスタンしたらしく車輪がばたっと倒れた

 アサギは盾を縦にして何度も何度も頭蓋骨目掛けて振り下ろした

 スタンから回復した車輪は今度は横になりグルグルと回転しはじめる


「多分範囲!」


 アサギの声とほぼ同時に車輪は動きを大きくしていく

 まぁちゃんやダガーは咄嗟に後ろに飛んだので当たらなかったが車輪はそれでもぐるぐると回り続ける

 徐々にその範囲を広げていくがそれでもアサギの盾を吹き飛ばすほどの威力は無かった


「流石にこの状態の時は近づかない方がいいな」


 車輪は段々と回転している範囲を狭めていった


「よし、攻撃再開」


 まぁちゃんとダガーが再度近づき攻撃を再開する

 すると車輪は今度はまるで球体のように回りだした


「げ!攻撃弾かれてる!」


「うわ、魔法もだめだ!攻撃しちゃいけないのか」


 どうやら球体のように回転している状態の時に攻撃するとダメージが跳ね返ってくるようだ

 終わるまでしばらくは待つしかないようだ

 徐々に回転が弱まっていく

 そして回転が止まった時、またばたりと車輪は地面に横たわった


「なんだ、こいつ、もしかして酔ったのか?」


「ぷぷっ!!いつもの縦回転は平気だけど横に回るのは苦手なの!?」


「確かになんか若干真ん中の頭蓋骨の表情が苦しそうな・・・?」


「ははは!そんなのアサギちゃんわかるの?」


「うーん、なんとなく・・・?」


「とにかく球体は攻撃しちゃだめで終わったら攻撃のチャンスって事ね、アサギ、次から球体になったら光の剣ためておきなさい」


「あ!そうだね!うん、そうするよ!」


 どうやら車輪の行動パターンはこれだけのようだ

 二回目の球体になった後に倒れこんだ車輪はアサギの光の剣により光の粒子となった


「宝箱でたねー、中身はなんじゃらほ~い?うわー、これはダガー君好きそうだなー」


「お?どんなのがでたんだ?」


「髑髏のネックレス~、レア度が低いから蟻のネックレスよりステータスは低いけどね」


「おお!しかもトゲ付き!これは・・・かっこいいな!!」


「やっぱりそんなもんだとは思ったよ」


「とか言いながらマーリンだってこの手の奴結構好きでしょ?アサギもだけど」


「「あはははは~」」


「とりあえずレア度低いから欲しい人でダイスだね、いくよー」


 結局ダイスで一番高い数字を出したのはダガーだった

 マーリンは結構残念がっていたのが表情に出ていた


「おー、かっこいいよ、ダガー君!」


「そ、そうか!?よし、帰ったらこれを形状加工して使おう!」


「そういや形状といえばここの骸骨杖かっこよかったよね」


「ああ、そうだったよなー」


「そういえば最初の頃骸骨の形状結構な値段で売れてたよな」


「そうそう、骸骨の杖を持ってる人が居てカッコよかったって野良で言ってる人もいたわね、そういえば

 、掲示板でも少し騒がれてたのよ?」


「へー、マーリン有名だったんだね」


「その後すぐに骨の迷宮の話が広がってその話題は無くなっていったけどね」


「マーリンはすぐ無名になったのね」


「言い方言い方」


「さて、奥進むよー」


「「「「「おー!」」」」」


 その後もやはり出てくる敵は骨ばかりであった

 だが奥に行くにつれてだんだんと武器を持ったスケルトンが増えていく、最初の内は木の棍棒や骨くらいだったがナイットンが居た部屋の前に居たスケルトンは完全な剣を持っていた


「さて、ナイットンが居る部屋まで来たね」


「一応マップでは部屋の中になんか1人居るのが確認できるな」


「アサギちょっと覗いてみて」


「はーい」


 アサギが頭だけを扉の前にだし中を確認する


「んーっとね、見た目はナイットンなんだけど名前がハテナだね」


「色は?」


「色はナイトマスターの時のだね、うわー、なんだかほんとに懐かしいや」


「ナイットンだけどナイットンじゃない感じか、武器は同じっぽいんだろ?」


「うん、槍と背中にある大剣だね、でも若干なんというか・・・色が黒いというか、なんかモヤがかかってると言うか・・・」


「ふーん、どれどれ、ちょっと場所変わってくれ、んー・・・確かにあの時より強そうだな」


「まあでも一階なんだから楽なんじゃないか?」


「まあ、そうね、さくっと終わらせて次の階層に行きたい所ね」


「でもこの部屋に地下に続く階段とかなさそうだけど?」


「終わったらまた扉が出てくるんじゃないかしら?流石にここじゃないって事はないでしょ」


「それもそうだね、それに倒したらきっとわかるよね」


「そりゃそうだ」


「よし!じゃあ皆準備はいいかな?いくよー!」


「「「「「おー!」」」」」


 アサギは盾を構え部屋の中にいるナイットンらしき骨に向かって走りだした


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