聖騎士と虫退治
皆様の声を聞かせてくださると幸いです
感想、評価お待ちしております
「じゃあとりあえず妖精の村で聞き取りだね」
アサギ達は妖精の住んでいる村「ヨーセノ村」までやってきた
「ヨーセノ村」は「トークノ盆地」を囲んでいる「ヨーセノ山」のさらに奥にあった
一度来てしまえば転移装置を使えるので楽にはなるがここまで来るのに相当な時間を使ってしまった
「ヨーセノ山」には昆虫のモブが湧いていてそれを倒すのに、いや、それに慣れるのに時間がかかったと言った方がいいだろう
「はぁ・・・森を抜けるのも山を越えるのももういいわ、リアルでなんて絶対やらない・・・」
「あのサイズ感は結構くるもんがあったな・・・」
「山とか森とかに慣れてるとは言え虫はやっぱり気持ち悪い・・・」
アサギ達は精神的に疲れていた
だがそれも「ヨーセノ村」に入る前までの話である
「ヨーセノ村」に入った面々はそのあまりにも現実離れした光景に目を奪われた
「わー、妖精だよー、可愛いねー」
「ほんと可愛い!今度あの羽根の衣装とりたいわ、はやくイベントを起こさないと!」
「あー、でも前回の衣装カタログに妖精っぽい羽根なんかあったか?」
「見なかったけどそのうち追加されるんじゃないかしら?」
「ふふ、今のままじゃあ私達パラディンと海賊達だからね、私もなにか欲しいわ」
「うーん、妖精か・・・あまり可愛いのは俺は・・・」
アサギ達は「ヨーセノ村」を見て周りクエストを受注していく
「えっとね、掲示板で見た内容で言うとまずはクエストを少し終わらせないと調査クエストはでてこないらしいわ」
「まずは強さを示せって感じかね」
「多分これが調査クエのフラグだろうってのが蟻討伐、蜘蛛の巣退治、大カマキリの討伐よ、大カマキリは5匹でいいみたいだけど蟻は結構な数を倒す必要があるわね、蜘蛛の巣は蜘蛛が湧いてるエリアに結構あったからちょっと戻る感じね」
「一緒に出来そうなクエストもあるしとりあえず全部終わらせてから戻ればいいんじゃない?」
「そうね、それに採掘ポイントも結構あるみたいだからここで素材集めもいいんじゃないかな?」
「来るまでに倒した蜘蛛取れた糸は結構ランク高い装備作れるみたいだしな」
「よし、それじゃとりあえず蜘蛛の巣から行こうか、戻る感じだし」
「「「「「おー!」」」」」
アサギ達は1メートル以上はあるだろう蜘蛛を退治しに「ヨーセノ村」から来た道を戻る
「トークノ森」から「ヨーセノ村」に行く道の横に蜘蛛が巣喰っている場所があった
「さっきはここでまっすぐ進んだからあんまり蜘蛛と戦わなかったけどここ曲がるとかなりの量がいるんだろ?」
「そうみたいね、じゃあアサギ、先頭お願いね」
「うん、いくよー」
アサギ達が蜘蛛が湧いていると言われている場所に足を踏み入れるとそこは森なのにあちらこちらが白くなっていた
蜘蛛の糸である
蜘蛛の糸のせいで見通しが効かない、やっかいな場所みたいだ
「しかしなんでまた森の中に蜘蛛なんだ?イメージ的に言うと洞窟とかの中にいると思ってたんだけどな」
「まあ、蜘蛛がわんさかいる洞窟とかもあるんじゃない?あんまり蜘蛛がどこにいるとか知らないけどこんな森に居てもおかしいとは思わないわね、私は、だって昆虫だし」
「ま、そりゃそうか、んじゃあ蜘蛛の巣退治しますかね」
森の中には巣の上にいる蜘蛛と地面を跳ね回ってる蜘蛛がいた
クエスト的には蜘蛛の巣退治ではあるが蜘蛛の巣はそこに巣くっている蜘蛛を倒すと無くなるので簡単に言えば蜘蛛を倒して来いというクエストである
アサギ達は地面にいる蜘蛛を倒しつつ巣の上にいる蜘蛛をおびき出し退治していった
蜘蛛の攻撃方法は毒の牙で噛みつく、お尻から槍の様な糸と網の様な糸を出すくらいしかないが網の様なは喰らえば食らうほど動きがどんどん鈍くなっていった
糸を出した蜘蛛を倒すか時間が経てばその糸は無くなるので囲まれる前に倒すのが1番である
アサギ達はクエストで指定された分の蜘蛛を退治した
「これで蜘蛛はオッケーだね、じゃあ次は蟻行こうか」
蜘蛛が居た森を抜け少し行くとそこは開けた場所であった
「ここは女王が居る場所じゃあないんだったよね」
「そうね、女王は「ヨーセノ村」のさらに奥の山の上よ、ここはインスタントダンジョンの入り口がある場所でかなりの量の蟻と蜘蛛が出るポイントよ、でもここの蜘蛛は巣を作らないみたいね」
「ん?蟻の退治なんだから女王が居る場所でよかったんじゃないのか?」
「・・・女王はあそこの山の上にいるのよ」
セッキーが指差した方向にはそれなりに高い山が見える
「・・・なるほど、2回は登りたくないな・・・」
「女王が山の上ってのも変な話なんだけどね、それに山の上よりこっちの方が蟻そのものの数が多いみたいよ、さ、行くわよ、アサギお願いね」
「はーい」
アサギ達はインスタントダンジョン「蟻の巣」の周りにいる蟻や蜘蛛を蹴散らしていった
蟻の攻撃方法は噛みつきと蟻酸である
蟻酸に触れると若干防御力が下がる、しかし重複しないのと時間が経てば消えるのでそこまで問題はないだろう
蟻自体は若干物理防御力が高いようで近接攻撃のアサギ、まぁちゃん、ダガーは少し苦労していた
反対にマーリンは火属性がよく効くのでいつもよりテンションが高い
「昆虫は火に焼かれると死ぬ」
「はいはい、調子乗ってヘイトを取らない様にね、昆虫には踏める足はないのよ」
「おっと、そうか、火力調整しないとな」
蜘蛛に邪魔されながらもなんとかクエストで指定された数の蟻を退治できた
「あとは大カマキリだけだね、セッキー場所はどこなの?」
「えっとね、「蟻の巣」をちょっと過ぎた所にある所ね、あっちよ」
「なんで蟻と蜘蛛だって大きいのにカマキリだけ大がついているのかな?」
「んー・・・大分大きいんだろうね」
「だよねぇ・・・」
セッキーに指示された方角に向かっていくアサギ達
そこにはそこまで多くない量のカマキリが湧いている
「今までの場所は一応ソロ用モンスターだけどカマキリはパーティ用だから相当HPあるはずよ、気を付けてね」
「となると攻撃力も結構ありそうだね、まあ、囲まれなさそうだから大丈夫そうかな?10匹だよね、よし、始めよう!」
アサギ達はカマキリの居る方向へ歩き出した
「ん・・・あれ、マップで見ると結構遠い所にアイコンでてるな・・・」
カマキリにどんどん近づいて行くアサギ達、カマキリがどんどんと大きく見えてくるがそれでもまだ離れている
それでも近づいて行くアサギ達、カマキリの索敵範囲ギリギリまでに近づいた時気づけばアサギ達はカマキリの顔を見上げていた
「あー・・・大カマキリだわ、こりゃ」
「パーティ用なのもうなづけるというか・・・生息数少な目の設定でよかったね」
「そこらへんは流石のバランスって感じじゃないかしらね、結構この場所で戦ってるプレイヤーはいるみたいだから横湧きに注意してね、じゃあアサギ、頼んだわよ」
「うん、いくよー」
アサギは目の前に居るカマキリに向かっていく
索敵範囲に入ったアサギ目掛けてカマキリも向かってきた、餌とでも思っているのだろうか
カマキリの攻撃方法は単純で、両手の鎌を振り回す事だ
大きさも相まって結構なダメージの攻撃である、しかしそこまで速い攻撃ではないのでアサギは攻撃を防ぎ切っていた
カマキリは防御力はそこまでないみたいなのでHPはどんどんと削られていく
しかし流石はパーティ用の高レベルモンスターと言うべきか、HPが減ると火力と攻撃速度が上がるようでアサギは若干驚いていた
1匹目の大カマキリを倒し終える
「結構攻撃範囲が大きくて大変だったね、でも倒すのにかかる時間考えたら結構効率いいんじゃない?」
「んー、この場所にいるプレイヤー次第だろうな、いい感じに湧いてくれるくらいプレイヤーがいれば効率いいけど多すぎても少なすぎても敵と戦えないからな」
「そっか、やっぱりフリーダンジョンは経験値は微妙か」
「採掘ポイントは結構あるからそれ目当てでくるにもパーティ用が出る場所だとなぁ」
「取りたくても取れない人がいるなら結構お金になるんじゃない?」
「確かにその考えはある・・・ちょっと取っていこうか」
「うんうん」
アサギ達は採掘や採取もしながら大カマキリを5匹倒し終えた
「よし、じゃあ報告だな、そしたら女王蟻だな」
「そうね、場所的には女王蟻に近づくわね」
「あれ?まだなの?」
「流れ的に言うと女王蟻がいるあの山に兵隊蟻と近衛兵蟻がいるからそれを倒してから女王蟻ね、1回1回報告に行く必要はないらしいけどね」
「なんか強そうだね、近衛兵だって、かっこいいね」
「アサギちゃんはそういのも好きなのね」
「まあ、蟻だから鎧とかは着てないけどね」
「そりゃそうだね、蟻だもんね、残念」
アサギ達はクエストの報告に行く為に「ヨーセノ村」にまた戻った
戻る道は来た時とは違う道を通ったので蜘蛛がいた森は通らなかった
色々なクエストの報告を終えたアサギ達はいよいよ「ヨーセノ村」の村長と面会できるようになった
そして村長から山の上に女王蟻がいるかもしれないから調査をしてほしいとのクエストを受ける
「そういえば調査クエなのに敵と戦うんだね」
「そういえばそうね、イビキを聞きに行ったり幽霊に会いに行ったり儀式を覗き見したりはしたけど戦うのは初めてかしら?」
「クエスト情報には調査としか書いてないんだな、今の所は、多分山に近づけば倒せってなるんだろうな」
アサギ達は女王蟻が居るかもしれないという山に近づいて行く
その時アサギ達は何かに包まれるような飛ばされるような変な感触を味わった
「ん?何か今変な感じしなかった?」
「そうね、なんだったのかしら?」
「んー・・・マップ見てみ、この山以外のエリアが見えなくなってる、多分今いるこの山で女王蟻に会えるのはクエストを受けてる時だけみたいだな」
「なるほど、クエスト用の場所に転移させられたって事ね」
「となるとこの山に居る蟻は全部私達に向かってくるって事かな?あ、クエスト情報変わったよ、兵隊蟻を発見した、女王蟻が居るかもしれないから倒そう、ってなってる」
「よし、じゃあ頂上目指して進むとするか!」
「「「「「おー!」」」」」
アサギ達は山頂の女王蟻を目指して山を登り始める




