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聖騎士と船長 その3

皆様の声を聞かせてくださると幸いです

感想、評価お待ちしております

 アサギとキャプテンセンチョーは駆け出し距離を縮める

 そしてキャプテンセンチョーがカットラスを振り下ろす、アサギはそれを盾で受け止めたがさきほどよりも力が強く感じられた

 次は銃が来ると思ったアサギもキャプテンセンチョーを斬り付ける

 だがそれはキャプテンセンチョーに銃で防がれた、その時アサギの剣を受け止めている銃が先ほどと違っていたのに気づく


「ちっ、気づかれちまったな」


 キャプテンセンチョーは後ろに飛びながら銃を放つ、すると放ち終えた銃身がぐるりと回転した

 アサギはその弾を盾で防ぐが場所が悪かった、盾の端の方で受けてしまったのである、しかも銃の威力も上がっていたので盾が少しぐらついた

 今までのキャプテンセンチョーが持っていた銃は一発撃つと魔力を込めるのに少し時間がかかっていたので連射する事はなかった

 しかし今持っている銃はそれを解決したものだろう、その銃には銃身が三つついている、最初に魔力を放った銃身がぐるりと回転し新しい銃身が上に来る

 盾がぐらついた事によりアサギの身体の大部分が盾に覆われていない、二発目の魔力の弾丸がアサギの身体へ直撃した


「いいだろう、これ、三連続式だぜ、しかも撃ってすぐに魔力を込め始める事ができる、三発目を撃ち終わる頃にはもう次の魔力が溜まり終わってるくらいだ」


 そう言いながら三発目の魔力の弾丸を放つ

 アサギは二発目の弾丸が予想以上のダメージではあったがなんとか三発目は盾で防ぐ事ができた


「あまり近づくと俺も何発か喰らっちまうんでな、あの引っ張るスキルと俺の銃、どっちが連続で発動できるのか勝負と行こうか?」


 盾で防がれるのすらお構いなしと行った調子でキャプテンセンチョーが銃を連続で放つ

 アサギは距離を縮めようと前に出るがキャプテンセンチョーはどんどんと後ろへ下がっていく、ただ下がっていくだけならいつか壁にぶつかるのだろうが部屋の中をぐるぐると巧妙に後退していく

 アサギはらちが明かないと光の腕を剣から伸ばす、キャプテンセンチョーの身体に巻き付いた光の腕をぐっと引っ張り手前に引き寄せる

 キャプテンセンチョーは腕を顔の前で交差させながら近づいてくる、あれでは盾で殴ったとしてもダメージは減少してしまうだろう

 アサギは後ろにひいた剣を突き出しキャプテンセンチョーを刺す

 勿論ダメージは入っている、しかしアサギは剣を使ったスキルをそこまで持っていないしなによりスタンえるスキルがない

 だから攻撃ができたとは言え単発で終わってしまう、それだと逃げられてしまうのだ

 突きを食らったキャプテンセンチョーはやはり後ろへとまた跳びはねた、おまけに銃を三発放ってくる

 流石にすぐには次の魔力はたまらないだろうがこれではこちらの方がダメージが大きい

 何か手はないだろうか


 アサギ以外の5人も苦戦していた

 一応セッキーとマーリンは海賊の下っ端に直接攻撃されていない

 他の3人が前にでて守っているからだ

 だからセッキーはアサギに回復魔法を飛ばす事はできているし、マーリンも詠唱を妨害される事なく攻撃魔法を放ち続けられる

 だが下っ端の数が多い、実際に一度に襲い掛かってくる数はそこまで多くないが倒しても倒しても部屋の奥から湧いてくるのである

 目の前の下っ端を倒すのに必死でアサギの手助けにいけない

 そしてキャプテンセンチョーはどうやらアサギとは相性が悪いようだ、アサギとキャプテンセンチョーの戦いを遠くから横目にみて5人は焦りが強くなってきた


 アサギは盾を身体の真正面に持ってきて弾丸によるダメージを最小限にしようとする

 そして右手から光の弾をキャプテンセンチョーに向けて放ちだした


「ほぉ、お前も遠距離攻撃は持ってるってか?でもダメージが全然違うみたいだぜ?こんなチンケな弾で俺を倒せると思ってるのか?どうなんだ?教皇様よ」


「それってそのチンケな弾を避けきれなかった言い訳?」


 アサギの発言にキャプテンセンチョーは怒りさらに銃を連射してくる


「あ、図星言って怒っちゃった?ごめんね、チンケな弾を避けきれなかった船長さん」


「なるほど、どうやらお前は俺を怒らせてカットラスで斬りかかってくるのを持っているようだな、はん、少しは頭を使ったみたいだがこんなんで冷静さを失うようじゃあ海賊船のキャプテンなんかやっていられねぇのよ」


「ふぅん、それって自分は頭使ってるってアピールなの?見当違いの事を言っても誰もそんな事思わないよ?」


「ぬかしてろ」


 キャプテンセンチョーはアサギから距離を取りながら部屋の中をぐるぐると移動している

 アサギはそれを盾を構えたまま一歩一歩近づいていくだけだ

 たまに突進スキルを使い距離を縮めようとするがキャプテンセンチョーはすぐに距離を取る


『ちょっと!!さっきからアサギが全然キャプテンセンチョーに攻撃できてないのよ!!なんとかならないの、この下っ端達は!!』


『そんな事言ったってこっちだってどうしようもないのくらいわかるだろ!皆ちゃんとやってるのに倒しても倒しても新しいのがどんどん湧いてくるんだよ!!』


『わかるけど!でもあれじゃアサギが!!キャプテンセンチョーに移動妨害の魔法撃ってくるとかできないの!?』


『あの逃げ方じゃ一発アサギが攻撃当てた所で逃げられるだけだ!結局さっきの光の腕ん時と変わらねぇって!!』


『あー、もう!!回復以外にアサギに出来る事はなにかないの!?』


『せっちゃん落ち着いて落ち着いて、大丈夫だよ、あっちゃんは』


『落ち着ける訳ないじゃない!!だってアサギはさっきから光の弾以外でダメージ与えてないのよ!!』


『でもね、あともう少しだよ、もう少しであっちゃんの攻撃はきっと届くようになるよ』


『え?どういう事・・・?』


『キャプテンセンチョーは今自分の意思であっちゃんから逃げてる訳じゃないって事』


『えぇ・・・よくわからないわ・・・でも、大丈夫なのね?』


『うん、大丈夫だよ、逆にこっちが崩れたら下っ端が全部あっちゃんに行くよ』


『そうだな、それだけはなんとか避けたい所だな』


『そうね・・・ごめんね、皆、皆も一生懸命やってるのに・・・取り乱したわ』


『大丈夫よ、セッキーちゃん、叫びたい気持ちもアサギちゃんの為に何かしてあげたい気持ちも皆一緒だからね』


『でもアサギさんならきっとなんとかするんだろう、って気持ちもあるけどな』


『そうだね、あっちゃんだもんね』


『そうね!アサギなら平気よね!』


 アサギにも当然パーティチャンネルの会話は届いている

 だがアサギはテンションが上がりすぎているのかやはり聞こえてはいない

 今アサギはキャプテンセンチョーの一挙手一投足に全ての神経を集中させている

 一歩ずつキャプテンセンチョーへ近づく、光の弾を放つ、突進をする、光の腕を伸ばす、その全ての行動が一つの目標に向けて進められていた

 アサギが近づけばキャプテンセンチョーが離れる、キャプテンセンチョーが離れたらアサギが近づく

 そんな事を繰り返して、ついに


「ちっ!なんでこんな所に壁が!」


 キャプテンセンチョーがアサギの光の弾を必要以上に避けようとして壁にぶつかったのだ


「追い詰めたよ、キャプテンセンチョー」


『アサギー!!よくやったわ!!!』


 アサギには遠くから聞こえるセッキーの絶叫にも近い声は届いていない

 すぐにその場から逃げようとするキャプテンセンチョーの前にアサギが両手を広げ立ちふさがる

 キャプテンセンチョーは逃げ場がなくなったのでその場で足を止めた


「もう逃がさないよ、結構しんどかったからね」


 アサギは逃げるキャプテンセンチョーへ光の弾を放ったり突進をしたりとする事で逃げ道をコントロールしていたのだ

 途中で悪口を言ったりしたのも全てはこの為だ


「背中は壁、左右に逃げるには私との距離は近すぎるね、さあ、どうする、キャプテンセンチョー」


 アサギがじりじりとキャプテンセンチョーへ詰め寄る


「はんっ!別に近距離戦だとお前に勝てねぇって言った覚えはねぇよ、こっちの方が楽に倒せるからそうしようとしてただけだ、だがあくまでも近距離戦がお望みってんなら・・・仕方ねぇ、付き合ってやんよ!!」


 キャプテンセンチョーはカットラスでアサギに斬りかかる


「まずは今までのお返し」


 アサギは斬りかかってきたキャプテンセンチョーへ自らも近づき反撃スキルを発動する

 吹き飛ばされたキャプテンセンチョーは後ろにあった壁にぶつかる

 そこにアサギはさらに突進スキルを使いキャプテンセンチョーを壁に押し当てる


「これもお返し」


 アサギは壁に押し当てたキャプテンセンチョーから少し距離を取る、そしてまた盾ごとキャプテンセンチョーに突進した


「ぐはっ!」


 距離がたとえ短かったとしてもスキルとして発動しているのならダメージはしっかりと乗る

 アサギはまた少しだけ距離を開け次は盾で殴り付けるスキルを発動する


「がはっ!!」


 スタンかノックバックが発動するスキルであればキャプテンセンチョーをこの場に張り付ける事ができる

 アサギはそれからもスタンやノックバックが発動するスキルをCTごとに繰り返した

 スキルがない時は全体重を盾にかけキャプテンセンチョーがその場から逃げれないように壁に向かい押し付けている

 キャプテンセンチョーはスタンなどが解けた時に壁から動こうとするがアサギのVITに抗えるほどのSTRはないらしい、一応アサギに向かって攻撃をしてみるもののアサギはその攻撃を避けようともせずに耐えている

 場所が場所だけに力が入りきらないのかもしれない

 特殊AIじゃなければ逃げれたのかもしれない、だがまぁ、特殊AIじゃないならアサギから逃げ回るような行動はしないはずなのだが


「お前ら!!こっちにこい!こいつをどうにかしろ!!」


 キャプテンセンチョーが堪らずに下っ端達を自分の元へ呼ぶ


「いいの?私の仲間が来ちゃうよ?」


 アサギの元へ下っ端が駆け寄ってきて攻撃をしようとしてきた

 アサギはそれを避けキャプテンセンチョーはやっと壁から解放された

 そこへ炎の嵐が襲う


『アサギ!頑張ったわね!』


『よくやったぞ、アサギ』


『うん、後は倒し切るだけだね、ごめんね、あんまりHP削れてなかったみたい』


 炎の嵐の中にいるキャプテンセンチョーの頭上にはHPバーが再び表示されている


「別に何人いようが関係ねぇよ、アサギ、てめぇだけは殺す!てめぇは俺が!!」


 その時黒い剣がキャプテンセンチョーの胸を貫いた


「アサギを殺すのは俺だ」


「「ダクパラ」・・・」


『まじかよ・・・』


『はー・・・まだしんどいの続きそうね・・・』


『ドロップは!?ドロップはどうなるのよおぉぉぉぉ!!!』


 絶叫が部屋の中に響き渡る

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