聖騎士と船長
皆様の声を聞かせてくださると幸いです
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箱の上から降りてきた砲撃兵は背中に持っていた銃でアサギに攻撃を繰り出してくる
銃床で2度ほど殴ってきた後に先端をこちらに向けて弾を放つのが攻撃パターンのようだ
アサギはしっかりと盾で防ぐがやはり先ほどよりも銃が大きくなっているからなのか、弾のダメージが大きい
1発でかなりのHPを持ってかれている
だが減ったHPはすぐに回復が飛んでくるので何とかヘイトを維持する事はできている
少ししてまた砲撃兵が走り出し箱の上へ上がっていく
「これでもくらえっ!」
そう叫びまた爆弾を部屋の中に放つ、この行動は変わっていないようだ
アサギ達は爆発に巻き込まれないように爆弾を処理し砲撃兵が居りてくるのを待つ
「攻撃パターンは変わったけど繰り返しかな?」
「そうね、あとはこれをやっていけば・・・まぁ、25パーで何やってくるかでしょうけど」
「もうあのレーザーみたいな魔法陣を避けるのはいやだー、あれ疲れるー」
「ほんとね、これ終わったら1回休憩しましょうか」
「そうだな、キャプテンセンチョーも探さないといけないしな」
話をしている時にいそいそと戻って来た砲撃兵に再度攻撃を仕掛ける
そしてまた特殊行動をしてくるであろう25パーセントまで砲撃兵のHPを削った
「ちっ!!」
舌打ちをして砲撃兵がまた箱の上に登っていく、そして背中に持っていた銃を縦に構えて
「貴様等っ!これでも喰らえ!!」
ドーン!と銃声が聞こえる、すると空中に大きな砲丸の様な弾が銃から放たれた、その弾の上には4という数字が書かれている
「4!?時間か!?・・・いや、時間じゃ・・・」
その弾は綺麗な放物線を描きながら地面に当たる、アサギ達は着地点から十分な距離を取っていた
しかしその弾は以外にもぶにっと潰れまた空中へ跳ね上がったのだ
「数字が3になってる!多分地面に着いた時に数字が減ったんだ、って事はあれが0になったら爆発か?」
「なるほど、そういうギミックか・・・まためんどくさいわね・・・」
音をつけるとするとぼよよーんという感じだろうか、弾は不規則に跳ね回り数字が1になった、そしてその後地面に触れた時に爆発し、その衝撃は天井まで昇っていった
「おい、一瞬攻撃範囲の魔法陣でたけど結構な広さじゃなかったか?」
「ほんとね・・・そうなると何個放ってくるかが問題よね」
次は銃声が三回鳴った
「3発ね、跳ねる回数は4で固定されてる訳じゃあないみたいよ、気を付けて」
放たれた弾の上の数字は3が1つに4が2つ、ぼよんぼよんと部屋の中を跳ね回り0になった瞬間に爆発した
その次は三発撃ち、すぐにまた三発撃ってきた
「最初から1がある!すぐ爆発するぞ!」
「どこに跳ね回るのかランダムっぽいのがむかつく!!」
アサギ達は跳ね回る弾を避けながら部屋の中を駆け回る
その次はまず五発、そのすぐ後に三発撃ってきた、それを避け終わったら砲撃兵は十発連続で弾を放ってきた
「あー、これで終わりかな」
「多分、そうね・・・しんどい、疲れた、ゲームの中じゃなかったらこんなに走れない・・・無理・・・」
「オネさん大丈夫?ほんとに辛かったら座っててもいいからね?」
「ありがとう、アサギちゃん・・・でももう少しだから頑張るわ・・・」
「なんだろうな、別に体力使ってる訳じゃないんだけどなんか疲れるんだよな、この中で走り回ると」
「そうね、正直私も今すぐに座り込みたい気持ちでいっぱいよ」
そう愚痴りあいながらもしっかりと全員が跳ね回る弾を躱していく
途中でまだ数字が0になっていない弾に当たったらどうなるのかとアサギがわざと当たってみたがダメージが少し入ったくらいだった
弾の方はアサギに当たった時点で数字が減りまた空中へ跳ね上がった
「くそっ!!」
砲撃兵がまた悪態をつきながら箱を下りアサギの方へ駈け込んでくる
「よし、あとはHPを0にするだけだな、いやー、長かったなー」
「そうだね、それで砲撃兵をアフロにして終わりだね」
「終わったら休憩よ、休憩」
アサギ達はもう少しだと疲労感を感じている身体を気合を入れなおし動かしていく
砲撃兵は元気に走り回り爆弾を投げてくるがもう慣れてきたのですぐに爆弾を攻撃し爆死を回避する
「結局この爆弾は一回も喰らわなかったな」
「部屋中に攻撃範囲がある爆弾なんか食らいたくないわよ」
「ま、そりゃそうだな」
「降りてきたら次で終わるかな?」
「そうだね、残りHP的にもう終わりだね、ほんと長く感じるボスだったなー」
「よし、とどめだー!」
砲撃兵は箱から下りてきた所をアサギ達に囲まれた
そして四方から攻撃を食らいHPを0にされ
「く、くそが!!!こうなったら!!!」
そしてまた箱の上に帰っていった
「やっぱりやるんだね」
「海賊だからな」
「海賊だからなのね」
「海賊だからなのかなー?」
砲撃兵は箱の上で懐に手を入れなにやらごそごそと探し物をしている
「あれ?あれがない?取っておきの・・・?あれ?」
そんな事を言っている時懐からごろんと弾が落ちた
「「「「「「あ・・・」」」」」」
「あっ!」
アサギ達と砲撃兵のセリフが一致したその瞬間砲撃兵の懐から出てきた弾が爆発し砲撃兵の髪形を強制的に変えた
「やっぱりアフロになったね」
「ああ、そうだな」
「やっと終わったわね、アサギ宝箱あけてね」
「はーい」
アサギは砲撃兵が消えると同時に箱の前に出てきた宝箱に近づきそれを開ける
「おー!鎧ー!まぁちゃんのー!・・・おー・・・?なんだこれ火薬・・・?」
「わっ!やったー!」
「じゃあ取るね、火薬も取るね」
「わーい、うれしー!早速着て見よっと!」
「あれ?アサギその火薬ってのちゃんと取ったの?まだ宝箱残ってるわよ?」
「ん?あれ、ほんとだ、んー、でも私がまた開けても中身何もないけど・・・」
「どれどれ・・・火薬があるな、あー、全員取れるのか、これ」
「あっちゃん、どう!どう!?まだ服だけだからちょっとミスマッチな感じだけど」
女性の海賊風の衣装はちょっとおへそがでているが腰回りがきゅっと締め付けられているようなそんな感じの服だった
「おー、可愛い!いいなー、私もそんな感じなら着てみたいな」
「はやく一式そろえたいなー!」
「まぁちゃん、嬉しいのはわかったけど箱の中身の火薬は全員取るみたいだから取って頂戴ね」
「あ、はーい!」
「ふー、とりあえずちょっと休憩しようね」
「うんうん、ちょっと疲れたわ・・・デスクワークばっかりだからなぁ・・・ジムでも行かないとだめかな・・・でもそうするとゲームする時間が・・・」
「いや、リアルで鍛えてても今のは疲れると思いますよ」
「んー、ダガー君みたいな若い男の子でも疲れるならそうなのかなー、元々スポーツやってないからなー」
5分ほど皆で座って休憩を取った
「よし、じゃあそろそろ行きますか」
「「「「「おー!」」」」」
「と言ってもこの階段くらいしか道が無いんだよね」
アサギ達は砲撃兵が居た部屋の中にある階段を上っていく
そこには扉がありそこを開けると外にでてしまった
「外から見た通り大砲があった所に出ちゃったね」
「・・・ねぇ、マーリン、私すっごい嫌な予感がするのだけど気のせいかしら?」
「あー、気のせいじゃないか?俺は凄い楽しい予感しかしないぞ」
「アサギ、ちょっとその大砲調べてみて」
「ん?どゆこと、セッキー」
「良いから、ちょっと大砲調べてみて」
「んー?うん・・・えーっと、あ、これか、ハイ、と」
ちゅどーん!!!
大砲を調べていたアサギが何かの選択肢でハイを選んだ瞬間にアサギが大砲の中へ転移したらしく勢いよく飛んでいく
「あははははははははは!!!!!たのしー!!!!!!」
アサギはどうやら船の真ん中にある段差の上に着地したらしい
「やっぱりか!!」
「やっぱりね・・・」
セッキーとマーリンの表情は対照的だ
「えー、なになに、あっちゃんどうやったの?」
「えっとね、大砲の後ろの方調べると火薬をいれて飛んでいきますか、って選択肢がでるからハイを選ぶと大砲の中にはいれて飛べるよ、痛みとかないから大丈夫だよー!」
「へー、面白そう!やってみるねー!」
ちゅどーん!!!
今度はまぁちゃんが綺麗な放物線を描いて段差の上に着地した
「あははは!たっのしー!もう一回やりたいくらい!」
そしてオネ、ダガーが後へ続く
「ほら、セッキー、いくら高所恐怖症だからといって落ちる心配はないんだから大丈夫だよ」
「わかってはいるけど・・・高い所から落ちても怪我もなにもないのはわかってはいるしちゃんとあっちまで行くのはわかってはいるんだけど・・・」
「運営もそこらへんは考えてくれてよさそうなのにね」
「んー・・・考え始めたらきりがないからな、しょうがないんじゃないんか?」
「確かに・・・それはそうね」
「セッキー、大丈夫ー!?」
「ええ・・・よし、行くわ・・・」
「ん、そうか、じゃあ先いいぞ」
「うん・・・うん・・・ハイ、と」
ちゅどーん!!!
「きゃああああああああああああ!!!!!」
「よし、行ったな、じゃあ俺も」
ちゅどーん!!!
全員が大砲で飛ばされ段差の上までくることが出来た
「しかしまさかこんな移動方法とはな、海賊全員この方法で移動してんのか?」
「キャプテンセンチョーに会いにいくのも大変だね」
「しかしこの段差って結構広かったんだな」
「そうね、前から見た時も後ろから見た時もそんな風には感じなかったけどね」
「ゲームだから仕方ないね」
「はは、そりゃそうだ」
「よし、じゃあ上だね!」
「そうね、乗り込んでこんな仕掛けにしたのをキャプテンセンチョーに八つ当たりしてやらないとね」
「あははは、そうだね、じゃあいくよー!」
「「「「「おー!!」」」」」
アサギは段差の上にあった扉を開ける、その中にある階段を上っていく
そこには今までみたよりも更に重厚そうな扉があった
「いくよ」
アサギはその扉を開く、中は結構広い、食堂と魔法使いの部屋の中間ほどの大きさだろうか
「よく来たな、7番目にして最初の神の教皇、待っていたぞ」
中からした声にアサギ達は驚いた
『はい、特殊AI確定、これはまたしんどくなるぞ』
『待って、周回予定なのよ、毎回特殊AIなの?』
『いや、流石にそれは・・・でも船長だからこの前の「ダクパラ」と違って毎回でるだろ・・・まじかー』
「そんな所に立っていないで中へはいってきたらどうだ?」
キャプテンセンチョーの声に従いアサギ達は扉の中へと進んでいく
「初めましてだな、7番目にして最初の神の教皇アサギ、そして聞いていた話とは違うがその仲間たちよ、私の名前はセンチョーだ、この海賊船のキャプテンをやっている」
「初めまして、アサギです、誰から話を聞いたか聞いてもいいですか?」
「ああ、そうだな、気になるよな、なにこの船の積み荷の取引先に邪教徒もいるってだけだ、ちなみに俺は無信教って奴だ、しいて言えば金信教って奴かもな、世の中金だ、金さえ払えばお前らをこの船から出してやってもいいぞ」
「おあいにく様、貴方を倒して悠々と出ていくよ」
「そうか、じゃあやってもらうとするかな」
『今までの特殊AIと違う・・・』
『ん?セッキー何が違うんだ?』
『今までといっても「ダクパラ」と「悪竜エドラ」だけだけどあいつらは完全にアサギだけを狙っていた、でもキャプテンセンチョーは違う、これは私達も気合いれなきゃいけなさそうよ』
『なるほど、今までは勝手にアサギにヘイトいってたもんな、しかもなんかすげーずる賢そうな奴だもんな、ヘイト関係なくこっちに攻撃してきそうだな、確かに』
「準備はできたか?アサギ」
「うん、センチョーは準備いいの?」
「ハッハッハ!今からお前を殺す、いや、外遊人だったな、殺す事はできないか、お前を倒す事なんかに準備は必要ないんだよ!」
「そう、じゃあ始めるよ!!」
久しぶりにあう特殊AIの敵である、アサギのテンションはすでに高い、アサギはキャプテンセンチョーへ向かって駆けだして行った




