聖騎士と思いがけぬ本当の恐ろしさ
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銃を使った海賊がいた部屋からアサギ達は更に先へ進んでいく
大体船体の半分くらい来たくらいだろうか、船の上で段差があり進めなかった所らへんに下へ降りる階段があった
どうやらここから降りるしか道はないらしい
階段は一歩進むごとにギシギシと言っている、階段の下に海賊の下っ端が居たがすぐに経験値と化した
階段の下は左右に道が広がっている、どうやらこの通路は船の前から後ろ全てに行き来できるみたいだ
「どうする?前から行くか?」
「そうね、キャプテンが何処にいるかはわからないけど底にいるって事はないんじゃないかしら、多分船首の方向に進んでも上に行く道はないと思うしそこを見てから後ろを見て下があれば下から、なかったら上に上がればいいと思うわ」
「えーっと、じゃあ前の方だからこっちか」
アサギは船首がある方向、船の前側へ向かって歩き出す、途中左右に扉があり中を覗いてみるがやはり下っ端しかいない、鍵を落とすかもしれないし最初のダンジョン攻略は全ての敵を倒すと決めていたので全ての下っ端を経験値に変えたが鍵は落とさなかった
「ここはただの通路なのかな?下っ端もいたけど別にここはほっといてもよさそうだったね」
「そうだね、もしかしたら敵討ちが成功したら下っ端何人か倒して来い、ってクエストでもあるんじゃない?だから数を増やす為に作ったとか?」
「なるほどね、それは確かにありそう」
アサギ達は左右の部屋を全て倒し終えた後そのまま真っすぐ進んでいき正面にあった扉を開ける
そこは貨物置場なのだろうか大小さまざまな箱が置かれている、箱が置かれていない場所へ目を向けると下へ降りる階段が見えた、まだまだ下があるみたいだ
「階段を下りる前にあいつだね」
部屋の中には下っ端以外の海賊が2人いる、どうやらそいつらも防具を落とす中ボスのようだ
「あの距離にいるって事は2人一緒に来るんだろうな、顔もそっくりだし」
「そうだろうな、双子の海賊って感じか、名前と洋服の色しか違いが見つからんな」
「んー・・・銃を持ってる感じではなさそうだね、どんな攻撃だろ、の前にとりあえず部屋の中の下っ端片付けようね」
また走り回られてもやっかいである、アサギ達は部屋の中にいる下っ端を全て片付けた
「よし、じゃあ双子の海賊やるよー、どうする?片方ずつでいい?やっぱり片方倒すと攻撃力あがったりあるかな?」
「だろうなー、じゃなきゃ双子で出す必要がないもんな、両方均等に削って最後に一気に倒すのが1番だろ」
「うん、じゃあ両方一緒に持つね、セッキー、オネさんよろしくね」
「ええ、任せなさい」
「大丈夫だよー」
「火力陣はどうする?一緒の奴やるの?」
「んー・・・俺は範囲魔法多めにやるからまぁちゃんとダガーは別々にやった方がいいんじゃないか?」
「ん、わかった、じゃあ私は・・・青い洋服の方やるね」
「よし、じゃあ俺は赤い方だな」
「まあ、二人くらいならヘイト取り切れるとは思うんだけど、もし流れちゃったら流れてない方のHPを減らす感じでお願いね、じゃあいくよー!!双子の海賊!よろしくおねがいしまーす!!」
アサギは階段の前に並んでいる二人の海賊に向かって走り出す
最初の攻撃は相変わらずの体当たりである、アサギは最初に青い服の海賊に向かって体当たりをした
青い服の海賊がアサギの体当たりを食らい吹っ飛んだのでその後は赤い洋服の海賊を盾で殴りつける
2回ほど殴りつけた時に青い洋服の海賊が起き上がってきたのでそこで範囲挑発を発動し後ろにいる5人に海賊たちの背中を向ける為に位置を調節した
双子の海賊は二人ともカットラスで攻撃を仕掛けてくる、しかも同じ動作でだ
「ちょっと攻撃待ってー、実験ー」
アサギはそう言うと同時に攻撃をしてきた双子の海賊のうち、アサギから見て左に居る青い洋服の海賊の攻撃を盾で受け、赤い洋服の海賊の攻撃は躱して攻撃をずらしてみた
武器を振り上げるのは青い洋服の海賊の方がはやいはずなのだがやはりタイミングを同じにして双子の海賊は攻撃をし始める
そこでアサギは青い洋服の海賊の攻撃を盾で受けると同時に赤い洋服の海賊に前蹴りを繰り出した
STRにVITを乗せたその前蹴りはなかなかの威力があり蹴られた赤い服の海賊が大きく吹き飛ばされる
しかし青い洋服の海賊の攻撃は特に変わった様子はない、そして立ち上がり戻って来た赤い洋服の海賊は攻撃のタイミングを揃えて攻撃を繰り出し始めた
「あんま変わらないか、うん、ありがとう、やっちゃってー」
その言葉にマーリン、まぁちゃん、ダガーの3人は攻撃を始める
マーリンはなるべく二人同時に攻撃できる範囲魔法を繰り出し、そして交互に魔法を当てている
まぁちゃんは青い洋服の海賊の後ろに瞬間移動し連続スキルでの攻撃だ、途中で何度もスタンが発動し双子の攻撃のタイミングがずれるはずなのだがいつのまにか同じタイミングでの攻撃に戻っている
ダガーは赤い洋服の海賊へ突きを繰り出しながらたまに槍を振り回し二人を同時に攻撃している、どうやらこの分だと青い洋服の海賊の方がHPの減りは早そうだ
アサギとしても左に居る青い洋服の海賊の方が盾で殴りやすくヘイトを稼ぎやすいのでこれならなんとかなるだろう
攻撃が同じタイミングでくるので反撃スキルが溜まりやすい、なるべくこれは青い洋服の海賊へ使い剣での攻撃は赤い洋服の海賊へ行った
「チッ!おい!あれやるぞ!」
「ああ!わかった!」
そう言って双子の海賊は壁に向かって走り出す
相変わらずHPがトリガーになってはいないようだ、そして二人は壁に掛けてあったカットラスを取り二刀流となった
特殊行動のトリガーがHPではなさそうなのと部屋の中を走り回るのはこの海賊団共通のプログラムなのだろうか、アサギはそんな事を考えたが流石に4本同時の攻撃は捌ききれないかもしれないので
「マーリン!青いの止めて!」
叫ぶとマーリンは青い洋服の海賊へ移動妨害のスキルを放つ、が、止まらない
同じように移動妨害ができる魔法を何発か放つがそのどれもが効果がでない
「だめだ、完全にレジストされてる、ダメージは入ってるっぽいから魔法そのものが効いてない訳じゃない、移動妨害の効果だけがレジストされてる」
「ダガー君、ダメそうだったら赤いののタゲ剥がすね、そしたらお願い」
「ああ、了解だ」
「タゲが流れたら私も赤い方ね」
「うん、お願い」
アサギへ4本のカットラスが襲い掛かる、今度の攻撃は4本全ての攻撃がずれている
しかし来る順番はどうやら変わらないらしい
「ん、あ、これ、いけるか?」
青の右、赤の左、青の左、赤の右、その順番で攻撃をしてくるのだ
どれが攻撃をしてくるかさえわかれば対処はたやすい、攻撃速度は先ほどと比べて相当速くなってはいるのだがアサギはそれに食らいついている
「ほい!ほい!ほい!ほい!あ、これ平気かも」
アサギはテンポよく攻撃を盾で防ぐ、その時まぁちゃんの連続スキルにより青い洋服の海賊がスタンした
そうなると赤い洋服の海賊が連続で攻撃をしてくる、アサギはタイミングがずれたので攻撃を軽減できずに喰らってしまった
「あ、ごめん、スタン入れない方がいい?」
「ううん、大丈夫、でもスタン入ったら言ってくれると助かるかも」
「おっけー、次から言うね」
そこからはどちらかがスタンしたとしても声がかかったのでアサギはちゃんと対応できた
このまま終わるかと思ったのだが二人ともが半分近いHPになった時に変化が訪れた
相変わらずタイミングがわかりにくいがやはり部屋を走るのでわかりやすいと言えばわかりやすいか
二人は揃って部屋の端に置いてある一番大きな箱の前に立った
「ちっ!こうなったら俺達の本当の恐ろしさを見せてやるぜ!」
「ああ!いくぞ!!」
そう言いながら二人は同時に箱を叩いた、すると箱にヒビが入り中身が現れる
「まじかよ!?」
「この展開は考えても居なかったわ・・・」
「「トウッ!!」」
双子の海賊はまた同時に飛びあがり同時に箱からでてきたそれに飛び乗った
「「はっはっは!!これは対魔物用戦闘兵器だ!!かかってこい!!」」
銃もそうだったがこの海賊は色々と進んでいるらしい
多分銃と同じく原動力は魔力なのだろうがまさか四足歩行のロボットを出してくるとはアサギ達は考えてもいなかった
そのロボットは双子の海賊が乗っている箱のようなコクピットの下に足が四本ついている、そしてコクピットの横には2本の腕があり両方の腕に大きめのカットラスが握られている
そのカットラスを振り回しながら双子の海賊を乗せたロボットはアサギに襲い掛かる
一発一発はそこまで速くないが相当重たい攻撃のようだ
「もしかして二人合わせたHPの減りが半分になるとこうなるって事?」
「ああ、二人のHPは別々に見えて実は連動してるって事か、ありえるな」
「機械もののテンプレで言うとまずは足の破壊からかしらね」
「ああ、そうだな、とりあえず足に攻撃をしてみよう」
火力の3人がロボットの足を攻撃し始めるとHPバーが表示されたので足を集中して攻撃する
「危ない!!攻撃くるよ!」
ロボットの下に魔法陣が表示される、アサギを含め近距離にいた三人はその範囲からすぐにでる
その後ロボットが腕を伸ばしコクピットごとぐるぐると回転した
すると目を回しでもしたのだろうか、今までロボットの足が曲がっていた為にこちらから攻撃が届かない所にあったコクピットが双子の海賊が操作できない状況になったから足が伸び地面に降りている
「今が攻撃のチャンスだ!!」
どうやらこのロボットは足を壊しながらたまに使ってくるスキルを躱しつつその時に攻撃をしてHPを減らしていくものらしい
「今のの繰り返しかな、一回腕を攻撃してみたけどHPバーは表示されないから壊せないみたい、てかこのロボット手までしっかり動く訳じゃなくてカットラスを手にくくり付けて振り回してるだけだからそこまで出来がいいロボットって訳じゃないんだね、魔力で棒を動かしてその先にカットラスを握らせた手の形をしてる金属を付けてるって感じ」
「そりゃ指まで動くようなロボットがあったらこの海賊の文明レベルがやばいだろうからな」
攻撃を続けていると双子の海賊がどうやら目を回したのが治まったらしいのでまた足が曲がりコクピットが宙に浮いた
「んじゃまた足だねー」
アサギは攻撃をまた防ぐ、火力3人がロボットの足を壊す
全ての足のHPバーが0になった時ドシーン!と勢いよくコクピットが落ちてきた
「なるほど、ここでも攻撃のチャンスがある訳だね」
双子の海賊がまた目を回している、地面に叩きつけられたのだから無理も無いだろう
その後時間が経つと足にあったHPバーが復活した、それと同時に双子の海賊達も起き上がりまたロボットの操作に戻る
それを何回か繰り返し双子の海賊のHPを減らしていった
25パーセントを超えたあたりからだろうか、ロボットの攻撃速度もあがっていった
しかしそれと同時にコクピットから煙が立ち始めたのである
「また爆発オチか」
「あはは、海賊は爆発が好きだね」
「また回転来るわよ、終わったら倒し切れるかしらね」
また近距離の三人が範囲外へ避難する
そして回転攻撃が終わった時アサギが肩に担いだ剣を振り下ろした
「エクスッ!!!カリバアアア!!!!」
その光の中ですさまじい破裂音が響き渡る、光が消えた時そこには宝箱が一つ残されていただけだった
「あっ!しまった!!光が凄すぎてアフロかどうか確認できなかった!!!」
結構楽しみにしてただけにアサギは落胆してしまった




