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聖騎士はじっくりと見られる

皆様の声を聞かせてくださると幸いです

感想、評価お待ちしております

 アサギ達は海の中へ入り魚人を倒しながらどんどんと前へ進んでいく

 海の中のモブの強さはアサギ達にとって適正レベルより少し上なので慎重ではあるのだが


「さあ、ここからが海底神殿よ」


「え?セッキーまだ神殿の中じゃなかったの?」


「あら?言ってなかったかしら?ここはまだ「ザバン海」の中ってだけよ、まあ、一応ここもフリーダンジョンではあるんだけどね、1階が「ザバン海」、そこから下が海底神殿なのよ」


「なるほど、そうやって分けられてたんだね」


「敵の魚人もここから結構数が増えてくるらしいわ、でも今の感じからすると進んでも大丈夫そうね」


「うん、じゃあ進んでいくね、目指すは奥にある沈没船だね」


 アサギ達は「ザバン海」の地下1階、海底神殿へと入っていった

 そこは「ザバン海」よりも青が濃く、若干視界が悪い、遠くの方が少し霞んで見えないほどである


「フリーダンジョンでどこに敵がいるかもわからないからゆっくり進んでね」


「うん、わかった」


 アサギは慎重に周囲を見回しながら奥へ進んでいく、途中槍を持っている魚人、剣を持っている魚人などさまざまな敵と戦った、内部にいる敵は基本なんらかの武器をもった魚人らしくその武器にあわせながら戦っていく

 色々な武器と戦闘経験があるアサギはそれを特に問題としなかった


 フリーダンジョンはそのダンジョンの階層に決められた数だけ敵が湧くという設定だ

 なので倒した瞬間にパーティの後ろにすぐ湧くという事がない訳ではない

 そうなるとアサギが後ろへすぐに走り湧いてきたモブのヘイトをしっかりとった


 インスタントダンジョンなら光の腕で引き寄せてもいいのだが敵の湧き方を見るとどうやら内部に他のパーティもいるらしいのでパラディンのスキルは使わない方がいいだろうと思ったのである


「それなりに人はいるっぽいね、青みがかってる所為で全然他の人見えないけど」


「そうみたいね、それなら船の事調べてる人も居そうだけど・・・やっぱりダンジョンじゃあないのかしらね」


「インスタンスダンジョンの入り口にしてはちょっと遠い気もするしな、ここの更に奥だろ?」


「んー・・・確かにここまで来ないとダンジョンにはいれないってのはめんどくさいね、最悪移動中に全滅させられる事もあるかもだし」


「そうね、王都から歩いてきてさらにここの奥深くだと移動に相当時間かかるね、かといってこれだけのモブの中を走るのは他のパーティの人にも迷惑がかかるからやめた方がいいもんね」


「MPKとかモンスタートレインとか言われそうだな、それはやめておいた方がいいだろう、だがまぁ見て見ない事には何とも言えないな、ここのインスタンスダンジョンは行きにくい場所で今までのは行きやすい場所だっただけ、という事も無いとは言い切れない」


「まぁ、そうだな」


「そうだね、とりあえずは見て調べない事には始まらないね」


「他の人が発見して隠してるだけなのか、それともクエストがあるけど発生条件を満たしてないだけなのか、はたまた海賊討伐のイベントが来てからなのか、最初からなにも設定されてないのか、果たしてどれなのかしらね」


 アサギ達はあーだこーだと話をしながら進んでいく

 そして海底神殿の地下2階へ進む階段がある部屋の来たのだが階段の前に複数のプレイヤーが集まっているのを見つけた


「ん?なんだ?人がいるな」


「2階に行く前に休憩してるんじゃないの?おっと、あっちゃんあっちゃん、アーサーもいるよ」


「え?あ、ほんとだ、一応挨拶した方がいいかな?」


「そうね、PKと間違えられてもめんどくさいわ」


「おーい、アーサーさん、こんにちわー」


 アサギは全体チャンネルに切り替えアーサーに声をかける


「アサギさんこんにちわ、これから2階に行くのかな?・・・ふむ、アサギさんちょっと頼みがあるんだがいいだろうか?」


「ん?なんですか?」


「海底神殿の2階には周りに比べたら強いモブが1匹だけ時間湧きで存在してるんだけどそれがちょうど階段を下りてすぐの場所にいるんだよ、さっきそれを知らないで降りていったからうちのパーティの2人がやられてまだ2階で倒れてるんだ、幸いヒーラーは倒れてないから行けば起こせるんだけどその間そのモブを持っててくれないだろうか?無論倒しちゃってもいい、俺達のパーティでも倒した事はあるからここまで来てるアサギさんのパーティでも倒せないとは思えないしね、どうだろうか?」


 アサギはちらりと自分のパーティメンバーの方を向く、パーティチャンネルでは反対意見はでていない


「わかりました、どんな敵かだけ教えてもらっていいですか?倒してみたいです」


「おお、そうか、ありがとう、今まででてきた魚人いただろう?あれの2倍くらいでかい、身長もでかいけどそれよりも鍛えられてるって感じのでかさだな、ムキムキなんだ、武器は斧を持っているよ、ドロップになるとハルバードになるのか槍になるけどね」


「ふむふむ、ありがとうございます、じゃあ行ってきますね、ちょっと後で降りてきてください」


「あ、いや・・・えーと・・・すまないがアサギさんが戦っている所を見ていていいだろうか?」


「なるほど、そっちが目的か?」


「いや、どうせならって感じじゃないかしらね?どっちにしろアサギが決めていいわよ」


 セッキーとマーリンがパーティチャンネルで話しかけてくる


「参考になるかはわからないんですけどそれでもいいなら、あ!一つだけ聞きたいことがあるんですけどいいですか?」


「ん、なんだろう?俺に答えられる事なら何でも聞いてくれ」


「この中でインスタントダンジョン見つけました?」


「なるほど、それを探しに来ていたのか、この中には無かった、これでどうかな?詳しく教えて欲しいなら勿論教えるけど」


「いえ、それで大丈夫です、ありがとうございます、じゃあ行きますね」


 アサギは階段を降り海底神殿の地下2階へと移動する

 するとアーサーが言った通りに大きな魚人がそこにはいた、今までの魚人だってアサギからすれば小さくない、だがこの魚人は慎重で言えば2メートルは越えているだろう、そしてなによりも身体が分厚いのだ

 それは筋肉で分厚いのもあるのだが目の前に居る魚人は今までの魚人と違い鎧を身に纏っていたせいもあるだろう

 それはアサギに気付くと唸り声をあげ斧を振り上げながら走ってきた

 アサギは階段の下の狭い場所では戦いにくいので魚人から視線を離さないまま横に向かい走り出す、魚人もそれについてくる形になった

 ガツンと魚人が振るう斧とアサギの盾が合わさる、どうやら魚人は相当の攻撃力を持つようだ、アサギは盾に受けた衝撃でこれは後衛職が受けたら即死だろうと考えた

 ちらりと魚人から視線を外しパーティメンバーが位置についているかを確認する、大丈夫そうだ、アサギは攻撃をまた盾で防ぎながら挑発スキルを発動する、これが攻撃を始めていいですよの合図だ

 それを見たマーリン、まぁちゃん、ダガーは戦闘を開始する

 そうなるとアサギの役割はこの斧での攻撃が後ろにいるパーティメンバーに行かないようにする事だ

 魚人は防御を鎧に頼り切っているのか斧を両手に持ち直し力いっぱい振るってくる

 上から振り下ろすような攻撃はなるべく避ける、アサギが攻撃を加えられる隙に繋がるからだ、がら空きになった顔面に思いきり盾をぶつける

 横薙ぎに振るう攻撃は魚人が斧を横にしたら少し前にでて盾と身体で止める、攻撃阻害の効果でヘイトが上がるからだ、盾に斧が当たった瞬間に攻撃もしやすい距離にもいるので大ダメージが与えられる

 当然足を踏むのも忘れていない


 アサギはアーサーにお手本を見せるかのようにこの動きだけを繰り返す

 そして目の前にいる魚人は宝箱を残し光の粒子となり消えた、残念ながら槍は出なかったようだ


「ありがとう、アサギさん、参考になる動きだった」


「いえいえ、どういたしまして、アーサーさん練兵場に訓練できる場所と人が居ますので行ってみたらどうでしょうか?」


「!?な、なるほど!ありがとう!!この狩りが終わったら行ってみるよ!」


「はい、では、また」


「ああ!また会おう!」


 アーサーはその場でパーティメンバーとなにやら話をしているようなのでアサギ達は海底神殿を更に進んでいく


「さてこの中には無かった、か、なかなかいいヒントだな」


「そうね、全部聞くのはちょっと面白くないものね」


「とりあえずは船を見に行こう、きっとそこにヒントがあるに違いない!」


「でも今回は私達が最初の発見って訳じゃあないみたいだねー」


「そうみたいね、アーサー君の所は見つけてるみたいだったね」


「でもそれならなんでここに来てたんだ?あいつらはインスタンスダンジョンを見つけている、しかしこの中にはない、ならなんでここに来ていたんだろうか?」


「んー・・・どうしてだろうね、まあ、でも理由なんかないかもよ?」


 本当はアーサーは色々な武器を持つ相手と戦いたかったからこの場所を選んでいたのであるがアサギ達がそれを知る術はない

 それにアーサーの願いをアサギがある意味叶えた事になるのでもうアーサーと海底神殿の中で出会う可能性は無いだろう


「そうかもしれないわね、そう言えば練兵場の事教えてよかったの?」


「ん、なんか練兵場の戦士長さんが刺激になるからガンガン広めてくれって言ってたのと私の動きを見たがってたからちょうどいいかな、って」


「多分せっちゃんが言ってるのはアーサーを強くしてよかったのか、って事だよ、あっちゃん」


「え?んー、アーサーさんと一緒になるのはイベントとか「テンプルウォーズ」だけだからね、他の人も関わってくるのに私が絶対メインタンクやるんだ!とは言えないよ、だから皆で強くなるのは良い事なんじゃないかな?NPC的にもプレイヤーには強くなってもらいたいって思ってるらしいし」


「あいつは最初から俺がメインタンクやるって言ってたけどな」


「あはは、確かに、でもしっかり装備も揃えてるし向上心もあるんだからアーサーさんで大丈夫だよ、私ももっと強くならなくっちゃ!ね!」


「そうだな、俺らも強くならなくっちゃな、その為にはまずはインスタンスダンジョンを探し出さないとな!」


「うんうん!じゃあ皆まずは船を探すぞー!」


「「「「「おおー!」」」」」

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