噂をされる聖騎士
皆様の声を聞かせてくださると幸いです
感想、評価お待ちしております
「ふー、終わったわね、おつかれさま」
「おつかれ!すごいな、アサギ被ダメで2位だってよ」
「おつかれさま、うん、2位だってー、やったねー」
「おつかれー、私もマー君もダー君も与ダメで10位以内だったねー」
「おつかれさま、よかったね~、流石に回復量のランキングにはクレリック系の人だらけね」
「おつかれ、被ダメ1位はやはりアーサーか」
「私がタンクやったのはダンチョーとパラディンロードの分身と教皇だけだからねー」
アサギ達が「テンプルウォーズ」のリザルト画面を見ながら喋っているとそこに1人のプレイヤーが近づいてくる、アーサーだ
「アサギさん、この前のイベント以来だね、今日は急にタンクを変わってもらってすまなかったね」
「あ、こんにちわ、こんばんわ?楽しくできたんで大丈夫ですよ、被ダメランク1位おめでとうございます」
「あはは、被ダメだと喜んでいいのかちょっとわからないけどね、ありがとう、でもダメージ量の数値を見たかい?俺は砦2回と最後のボスを2体のメインタンクをした、アサギさんは教会の前と最後の敵の2回だ、数だけで比べられるものじゃあないけど俺の被ダメ量とアサギさんの被ダメ量は2倍、いや、3倍近いものがある」
「えーっと、あ、ほんとだ、そうですね」
「つまりこれは俺が相手の攻撃を盾で防ぎ切れていないという事だ、このゲームを始めてからわかったんだけど、ただ敵の攻撃を盾で防ぐだけじゃなく、こう・・・なんて言うのかな、簡単に言うとクリティカル防御とでも言えばわかりやすいかな?完全に敵の攻撃を防ぐとダメージ量がかなり減るじゃないか、アサギさんはきっちりそれが出来ていたんだろうね」
「あー、わかりますわかります、盾の芯で防げたと言うか・・・とにかくそんな感じの!」
「そうそう、そんな感じだ、アサギさんは身体を動かすのが得意みたいだね、リアルで武道か何かやっていたのかい?」
「あー、えーっと、その辺のリアルの話はあんまり言うなって言われてて、今全体チャンネルで喋ってますし」
「あ、ああ、すまない、女性にそんな事を聞くもんじゃあないしな、すまん、忘れてくれ、ちょっと動き方に憧れてしまっただけなんだ」
「あー、ありがとうございます、こんな事言うと上からっぽくなっちゃいますけどアーサーさんの動きも勉強になる所ありましたよ」
「そうか、そう言ってくれるとありがたいな、よし、俺ももっと練習してアサギさんに負けないようなタンクになれるように頑張るよ、今日は本当におつかれさま」
「はい、おつかれさまでした」
アーサーは右手を差し出す、アサギは右手を腰らへんで拭いがっちりと握手をした
アーサーがまた次のイベントか「テンプルウォーズ」で会えるといいねといい他のプレイヤーの中に消えていく
「フルダイブだから汗なんかでてないわよ」
「ああ!それもそうだね!咄嗟だったから!」
「しかし今回でうちの聖騎士様はトッププレイヤーから認められたという事になったんじゃないか?」
「そうだね、あっちゃん今日から有名人だ」
「アサギちゃんのあの安定感を見せつけられたらそうなるでしょうね」
「流石アサギさんだ、俺も次は与ダメで1位を取る!」
「うんうん、ダガー君頑張ってね!!よし、それじゃとりあえず教会に行ってダンチョーに挨拶しよう!」
「てかさ、思ったんだけど今回のダンチョーって完全にいつも会ってるダンチョーだよな、2チームで1000人のゲームだろ?教会は6個しかないんだから3回で6つ全部使う事になってる訳じゃん?同時ログイン3000人って訳じゃないだろ、このゲーム、つまり同時に複数のダンチョーが出現しているって事か!?」
「え、そりゃゲームなんだからそうでしょ、何言ってるのマーリン」
「え、アサギさん!?冷たくないですか!?アサギだけは「えー!」とか言ってくれると思ったのに」
「でもあれよね、アサギが居たからダンチョーにスイッチが入って高度なAIの動きをし始めたんでしょ、多分、つまり教会内で交友関係を広げすぎるとどんどん難易度が上がっていくのかしら?」
「あー・・・ボス3人は普段会えない設定で助かってるのかもな」
「どうせこっちのレベルが上がったらNPCのレベルもあがるんだし別にいいんじゃない?あっちゃんが居るだけで鬼難易度とか「ダクパラ」と「エドラ」だけで十分でしょ」
「いや!俺はこれからも増えると見たね!!」
「あはは、私も増えるんじゃないかな、って思う」
「ライバル展開、燃えるぜ!!俺にもこう・・・封印を解かれた堕天使がライバルになるって展開が起きないかな」
6人は相変わらずわいわいと話しながら土の教会へ足を進める
土の教会の中は特に変わってはいない、だが中にいる人間から掛けられる声がいつもと違っていた
アサギ達プレイヤーに知らされている設定ではないのでアサギ達にはわからないがNPCの好感度が一定以上だとイベントやこうしたミニゲームの中で出会ったとしてもそれを記憶していくAIなのだ、だからアサギ達は「テンプルウォーズ」での事を色々と言われたのである
それに対してアサギ達はちょっとびっくりしながらも笑顔でお礼を言いながらダンチョーの部屋へ行った
「ダンチョー団長、アサギですー、入っていいですかー」
アサギは部屋をノックしながら全体チャンネルでダンチョーに話しかける
「おう、入って来い」
ドアを開け部屋に入るとダンチョーはとても嬉しそうな顔をしながら座っていた
「はっはっは、来ると思ってたぜ、なかなか楽しい試合だったな!強くなったもんだ!」
「ありがとうございます、でもダンチョー団長は全然本気の時と強さが違ったじゃないですか」
「はっはっは、大分力を抑えてたからな、まだまだ外遊人には強くなってもらわないと困るからな、お前らを見かけたからつい殴りに行っちまったから俺もまだまだだな、はっはっはっは!!」
「あはは、お陰で楽しくやれました、ランキングでも2位だったんですよ!」
「そうかそうか、お前は教皇様との戦いでメインタンクをやったんだってな、どうだ、教皇様のスキルを直接受けた感じは、ああ、でもあれはあそこでしか使えない特殊な状態らしいからそのままあれが使える訳じゃあないらしいぞ」
「あ、そうなんですか、正直拒絶が1番びっくりしました、バリアでも貼れるのかな、って思っていたので」
「教皇様のスキルはそんな生易しいものじゃあないからな、あれは複数に囲まれた時用らしいが・・・教皇様がそんな状況に陥る事がまず問題だからな、試しにでしか使った事がないらしいぞ」
「あー・・・そりゃ確かに、そんな事態になったら騎士団全滅した後ですよね」
「はっはっは!言うじゃねぇか!だが実際その通りだな!はっはっはっは!!!」
団長室は相も変わらず賑やかだ
「ああ、そうだ、アサギ、話は変わるが練兵場には声かけておいたからな」
「はい?何をです?」
「俺達土の教会はお前らの面倒をみるだけでいっぱいいっぱいだ、メインの仕事は色々あるからな、だが練兵場なら訓練するのも訓練をつけるのも仕事の内だからな、喜んで場所を提供してくれるだろう、人が増えたら予算も増えるしな」
「えぇと・・・?」
「アサギはこの戦いで相当な上手さを見せつけた訳だろう?で、どこで練習したんだとかどうやって強くなったんだって聞かれたとしてここの名前を出されたらこちらとしても困るんだよ、対応しきれないしなにより俺はお前に時間を使ってやりたいからな、だから練兵場に声をかけて練習するならあそこでやってます、とでも言えば玉虫色の変な発言をしなくても済むし練兵場は活気がでる、良い事尽くめって訳だ」
「え、でも私練兵場なんて全然・・・」
「おう、それも話はつけておいた、1度も練習してないんじゃ嘘になるから何回か行って稽古してこい」
「あ、はい、わかりました、ありがとうございます、でも・・・私にそんな事聞いてくる人いますかね?」
「なんだ、外遊人ってのはそんなもんなのか?もっとこう強くなるのに貪欲な奴等ばかりじゃないのか?だから毎日毎日狩りにでかけているんだろう?」
「あー、いや、その、なんていうか、まー・・・うーん・・・?」
「ふむ、まあ、ともかくだ、そう聞かれたら練兵場って答えておけばいい、わかったな?」
「はい、ありがとうございます」
「なるべく早く行ってやれよ、練兵場の奴等もお前に会いたがってたからな」
「え?あ、はい、わかりました」
「おう」
それから少しダンチョーとお喋りをしてアサギ達は団長室を後にする
「ダンチョーあんな事言ってたけどほんとに来ると思う?」
「んー・・・そこまではわからんがとりあえず掲示板は今アサギの話で持ち切りだ」
「え?ほんとに?なんて書いてあるの?」
「アサギ、掲示板は悪い事も書いてあるからそこは気にしちゃだめよ?そんなのは無視してればいいんだからね?」
「え、悪い事も書かれてるの・・・なんか怖いな」
「とりあえず今の所は無いけどな、ただアサギは今回有名になっちまったからな、いつか書かれるかもしれないという事だ」
「あっちゃん!あっちゃんの良さは近くにいる私達が1番わかってるだからね、だからもし書かれたとしても気にしなくていいからね!!」
「そうね、アサギちゃんと話をした事がないような人間が想像で書いたりする訳だからね、本当は見ない方がいいのかも知れないけど・・・」
「1番の対処法はそれだ、今回アサギさんが教皇戦をきっちりとやり切ったから悪い事は書かれないとは思うが人には嫉妬とかもあるからな」
「うーん・・・じゃあやっぱ見ないでおこうかな」
「よし、それならこの話は終わりにして次どこ行くか決めるか」
「とりあえずは悪夢周回だろ?レベルも結構上がってきたから次の所に行ってもいいとは思うけど」
「そうなるとインスタントダンジョンじゃなくてフリーダンジョンになるのよね」
「次のレベル帯はどんな所なの?」
「魚人だ」
「ぎょ・・・じん・・・」
「そう、王都を南に真っすぐ真っすぐ降りていくと海底神殿があるマップに着く」
「フリーダンジョンでまだそこまで人もいないからレベル上げにもちょうどいいかな、って」
「それにまだインスタンスダンジョンが発見されてないだけの可能性もあるからな、色々情報仕入れて探して回るのも面白いんじゃないか?」
「なるほど、うん!それがいいかも!!」
「じゃあとりあえず行く場所は決定だな、じゃあアサギは練兵場行ってこい、さっさと終わらせた方がいいだろ、俺らは王都の中ぶらぶらしながら海底神殿の情報集めておくわ」
「え、なんかごめんね?」
「アサギ、こういう時は」
「あ!うん、ありがとう!じゃあ行って来るね!」
「「「「「いってらっしゃい」」」」」
次の行き先は海底のようだ、果たしてそこではどんな冒険が待っているのだろうか




