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筋肉は聖騎士の1番の鎧

「ぐお~~・・・・」


 ログアウトした私はベッドから起き上がると体をほぐす為に大きく伸びをした

 フルダイブのゲームなんだから身体は動かしていないのになんだか少し疲れた気がする

 こちらの世界ではそんなに時間は経っていないのに色々な事があったからだろう


「んー・・・いつメールが来るかもわからないしご飯の時間も近いし、とりあえず終わりにしよう」


 部屋を出て今日の夕飯を作っているであろうお母さんの所へ向かう、この匂いは・・・今日はカレーだな!




 ご飯を食べ、お風呂にはいった私は急いで自分の部屋に戻った


「メール、メール~、来てるかなー?」


『エクス・・・カリバー!!!』


 ん、携帯に登録してたっけ?ていうか1人のステータスいじるだけなのに結構時間かかったのかな、いや、違う席子ちゃんからだ


『まおクエやってるー?私はもっとやりたかったけど親に怒られたから今日はもうできないんだー、明日は一緒に遊ぼうね、じゃあまた明日学校でね』


「うん、わかった、一緒にレベリングしよー、っと・・・なんで怒られちゃったのかな?まあ、明日聞いてみればいいか」


 登録していたメールアドレスの方を見てみると運営からステータスとスキルの変更が終わったと書いてあった


「よし!これで遊べる、とりあえず神様に言われたしどこかの教会に行って稽古つけてもらおうかな、でもそれって何時行ってもやってくれるのかな~?」


 聖騎士になった喜びとちょっぴりの不安を抱えながら私は再び「まおクエ」の世界に飛び込んでいくのだった


「まだ夜にはなってないみたい、んー、なら大丈夫かなー?」


 ついでに道具屋に顔を出し、おかみさんにお礼を言って最初に行った教会の方向へ向かっていく

 おかみさんは少し前に物置の方がなんだか光ってたような気がしたらしく何があったのか色々と聞いてきたが神様は普通人前には現れないようなのでスキルの練習をしていたとごまかしておいた

 室内であんまり危ない事をするんじゃないよ、と怒られてしまったけど・・・でも本当の事を言うとどうなるかわからないからしょうがない


 教会にもう少しでたどり着く所で私は足を止める


「わー、パラディンだー!!!」


 目の前にいるのは褐色の肌に白い髪の毛と白い髭、見るからにタンクやってます!!という筋肉の男の人、そしてその後ろには重厚な鎧を身に纏った1人の若そうな男だ

 聖騎士が好きな私の鑑定眼からするとこの人達がパラディンの職についている可能性は100パーセント、私くらいの聖騎士マニアになるともう見ただけでわかってしまう、それに鎧にさっき見た教会と同じマークが施されている

 これはもう確定だ、よし、この人達にちょっと話を聞いてみよう


「す、すいません、ちょっとお聞きしたいのですが」


「うん?なにかな?」


 声が渋い・・・っ!!!イケオッサンだ、この人!!!


「あ、あのですね、私パラディンなんですけどもちょっとレベルが足らなくてですね、どこかの教会で稽古をつけてもらえたらなー、なんて思ってるんですけどそんな事やってたりしませんか?」


「パラディン?君が・・・?ふむ・・・」


「いやいや君ね、嘘はいけないよ、嘘は、君のような子がパラディン?申し訳ないけど君みたいに弱そうなパラディンなんか見た事がない」


 後ろにいた若いのが(言っても私よりは年上にみえるけども)そう言ってきた


 た、確かに本来ありえないレベル1のパラディンだし弱いけど・・・そんなに私って弱くみえるのかな・・・


「コラ、そんな事を言うんじゃない!!失礼だが・・・君は外遊人、だろう?」


「あ、はい、そうです」


「やはりか、外遊人は魔王を倒す為に神が招いた人達だ、見た目に引っ張られて弱いなどと決めつけてはいけないというのに全く、こいつは・・・すまなかったね、悪気はなかったんだ」


「あ、いえ、実際本当に弱いんでそれはいいんですけれど・・・」


「そうなのか?しかし君がどこの教会でパラディンになったのかはわからないが試験はクリアしたのだろう?あの試験は生半可な者がクリアできるものではないはずだ」


「あー・・・いえ、あの、そのー・・・」


 そうなのか!普通にパラディンにクラスチェンジするにはそんな難しい試験をクリアしなければいけないのか!!

 だとしたらレベル1でパラディンを名乗ってい私が偽物扱いされるのも仕方がない事なのかもしれない


「ほら、ダンチョー団長、やっぱりこの子嘘をついているんですよ、君、もし本当に君がパラディンなんだとしたらどこの教会なのか言ってみろ!もしくは教会のマークがついた装備を見せてみるんだ!」


(ふむ・・・この子は嘘をついているようには見えない、しかし何かを隠してはいるようだ・・・)

 ダンチョーと呼ばれた白い髪の男は目を細めた


「見せられないのなら我々はもう行くぞ!予言された外遊人とは相手とは言えこちらも暇じゃあないんだ!!」


(外遊人・・・所属する教会は言えない・・・もしや・・・)


「まあ、まてワカイーノ、お嬢さん、君が本当にパラディンなら、いや、パラディンを目指しているだけでもいい、稽古がしたいと言っていたな?うちの教会では仕事がない日や終わった後に毎日誰かしらが稽古をしている、それに参加したいというのなら私はそれを許可しよう、ただし今の君の強さからいうと相当厳しい訓練になるはずだ、それでもくるかい?」


「は、はい!あ、でも私外遊人なのでずっと稽古に参加できるかもわかりません、2日か3日に1度くらいなら参加できると思うんですけれど」


「ああ、その辺の事情については知っている、外遊人はたまに長く深い眠りを取らないとこの世界では生活できないんだったね?外の世界の人間がこの世界に来るという事はきっと大変な事なんだろう、しかし敵にやられても死ぬ事はなく復活する、という点では羨ましい限りだね、体調は悪くなるらしいが時間が経てばまた皆を守りに矢面に立てるのだからな、ハッハッハ」


 ダンチョーと呼ばれていた人は生粋のタンク職らしい


「いいんですか?ダンチョー団長?正直訓練についてこれるかわかりませんよ?」


「いいんだ、ワカイーノ、最初は俺が面倒を見る事にするからな、なんとかなるだろう」


「えっ!?ダンチョー団長が自ら!?君・・・その・・・なんだ・・・き、気を付けろよ?」


 何を気を付ければいいのだろう・・・・


「何を言っているんだ、何を!大丈夫だ、ちゃんと加減はしてやるから、安心するがいい、じゃあ立ち話もなんだから早速行くとするか、我らの土の教会へ!」



 これで稽古をつけてもらえる、こちらへの態度を急に変えてきたワカイーノのせいで不安な気持ちがかなり増えてきたがきっと大丈夫だろう・・・手加減するって言ってるし、多分、きっと・・・


(さて・・・この子から真実を聞き出すにはどうすればいいやら・・・)

 そんな事をダンチョーが考えてるとは知らない私はダンチョーとワカイーノの後について土の教会へと向かっていった

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[一言] 作者にネーミングセンスを手に入れて欲しい。
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