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聖騎士だって嫌なものは嫌だ

皆様の声を聞かせてくださると幸いです

感想、評価お待ちしております

 6人はダンチョーに「未知との遭遇」での事を報告する為に土の教会へやってきた

 中に居るNPCに挨拶をしながら奥にある団長室へと向かう


「ダンチョー団長、アサギです、はいっていいですかー?」


 アサギは部屋をノックする、しかし中から反応がない


「あれ、居ないのかな、たまに仕事で見回りとかしてるらしいからそれかな?」


「なんかダンチョーと会話してると相手がNPCだって事忘れそうになるよな」


「ほんとよね、ダンチョーにも凄いAI積んであるんでしょうね」


「どうするの?他の人に聞いてみるの?」


「うーん・・・多分忙しいんだと思うからまた今度でいいかな」


「じゃあ「トークノ盆地の栽培地」に向かうか」


「そうだね~」


 アサギ達は振り向き団長の部屋から離れていく

 そしてアサギ達はまた「トークノ森」から「トークノ盆地」へと向かう

 掲示板を確認してみると「トークノ盆地の栽培地」は先ほどスライムを倒した所からそこまで離れてない場所にあるようだ

 アサギ達は「トークノ盆地の栽培地」の入り口の前に立つ


「んー、なんか荒れ果てた場所、って感じだねー」


「バックストーリーがありそうな場所ね、ほんとダンチョーに話が聞けなかったのが残念だわ」


「確かに絶対なにかある場所だよな、もしかしたら「トークノ盆地の栽培地」以外にもダンジョンあるかもしれないぞ」


「とりあえず「トークノ盆地の栽培地」入ってからまた土の教会に戻ればいいんじゃない?」


「そうだな、んじゃアサギ、入っちゃってくれ」


「はいよー」


 アサギは「トークノ盆地の栽培地」の入り口に手を伸ばす、目の前に入場しますか?という文字が出るのではい、と答えた

 同時に6人全員の身体が光り一瞬にして別の場所へと転送される


「んー・・・?栽培地って言ってたけど・・・森の中?」


「そうみたいね、まあマップもあるし道の外には入れないっぽいから迷う事はなさそうね、それにしても・・・なんで森の中の道にかがり火なんてあるのかしら?」


「一応こっちですよー、って事じゃない?まあ、確かにおかしいっちゃおかしいけど・・・奥にもあるよ」


「前やってたゲームにかがり火とかで正解の道を指し示すって感じのがあったけどそれじゃあないかな?」


「だがその手のゲームではマップが使えなくなるのが前提だろう、別に意味なんかないんじゃないか?」


「それもそうだね、さ!出発出発!!」


「どんな敵かしらね?アサギ気を付けてね」


「うん!」


 アサギは盾を構えながら前へと進んでいく

 マップにはすべてが表示されている訳ではないが今の所道は1本しかないので迷う心配はない、そして道が膨らんで部屋のようになっている所の前までたどり着く


「んー・・・マップに敵表示されないね」


「ほんとね、まぁちゃんハイディングしてる敵は?」


「えーっと・・・いないね」


 まぁちゃんが頭だけを部屋に突っ込んで確認する


「入ったら出てくる系の敵なのかな?」


 アサギは用心深く右足を部屋に入れ・・・ゆっくりと左足ごと部屋まで入った


「んー・・・でない、大丈夫そうだね」


「ほんとね、何かあると思ったのに」


 アサギはそのまま反対側にあるまた細くなっている所へ進みだす

 その時部屋の隅に明らかに怪しいものを見つけた


「ねぇ・・・今まで歩いてきた時にあんなでっかいキノコ生えてた?」


「うわ、ほんとだ、でっか、キノコなんか生えてんのかここ」


「あー、なるほど、じゃああれがそうなのかしら」


「栽培地だから間違ってはいなさそうね」


「とりあえず光の腕で掴んでみるね」


 アサギがそう言うと5人は戦闘準備にはいる


「いくよー!」


 アサギはその巨大なキノコに向かって光の腕を伸ばす、ぐーんと伸びた腕でキノコの中央部分を掴むとそのまま一気に引っ張った


「うわ!気持ち悪い!目だ!手も足もある!!」


 アサギが手元に寄せたキノコを盾で殴り付ける、すると


「うわ!ぺっ!ぺっぺっ!!粉がでた!!」


「うわー、胞子攻撃かよ・・・」


「わー、私あんまり叩きたくないなー」


「ん?でも2回目はそこまで胞子でてこないぞ?殴ったらでるってより最初にスキルを使ったんじゃないか?」


「なるほど、じゃあ最初は遠距離攻撃の方がいいのかしらね」


 アサギは胞子を被りながらも戦闘中のいつもの配置についた

 ぱっと見ではよくわからないキノコの背中・・・というか目が無いほうを5人の方に向けて嫌々ながら攻撃をする

 ダガーが言うように殴っても先ほどの様に胞子は飛ばしてこない、あれはスキルを発動したのだろう

 そこまで時間をかける事なくキノコを倒し終わる、強さも経験値も「「悪竜エドラ」の夢」のモブの方が上のようだ


「効率的にいうと悪夢の方が上っぽいね」


「そうみたいね、敵のレベルもこっちの方が低いし、もしかしたら「「悪竜エドラ」の夢」はここが解放されてその後に解放されるインスタントダンジョンだったのかもね」


「なるほど、それは考えられるな、あっちの装備はまだ揃ってないしとりあえず1周だけして悪夢に戻るか~」


「そうだね、じゃあ先に進もうか」


 5人の方を向いていたアサギがくるっと背中を向ける

 その途端後ろから笑い声が聞こえた


「おい!アサギ!背中背中!!」


「え?背中?ん?えええええええええええ!?」


 アサギの背中には先ほど倒したキノコと同じ色をしたキノコが生えていた、ちなみに外見はしいたけである


「アサギの背中からしいたけ!しいたけが!ぶははははは!!!SS撮ったぞ!!!」


「えー、やだやだ、セッキー解除してよー!」


「いや、解除って・・・どれでやるのかしら・・・あれ?アサギHP微妙に減ってない?」


「ん、てかこのキノコのデバフ説明みてよ、解除不可だって」


「えええーー!?じゃあ私ずっとこれなの!?やだー!!」


「んー・・・どっかで解除できる方法があるのか?それともボスを倒すまでこのままか・・・?」


「どちらにしてもこのキノコはやはり最初の胞子のせいとみていいだろう、アサギさん、次はマーリンが最初に弱い魔法を撃ってからにしてみよう、最初の攻撃に合わせてやってくるのかもしれない」


「んー・・・一応光の腕もダメージはいるんだけど・・・移動不可とかはいるからそれで撃たなかったのかな・・・?マーリン、次お願い」


「おう!!それにしても・・・なんかリュックサックみたいだな!」


「マーリン、あんまり言うと回復してあげないわよ?」


「おおっと!さあいくぞアサギ!次は俺が魔法で引き寄せてやるからな!」


 アサギは背中を気にしながら前へと進む、目の前にまた大きなキノコが生えているのを見つけた、こんどはでかいエリンギである


「エリンギだ、マーリン!やっちゃって!!」


「はいはい、いくぞ、っと!」


 マーリンは炎の玉をエリンギにぶつける、また目と手と足が現れ走ってアサギ達の方向へ向かってきた


「胞子でなかったね、なんか嫌な予感が・・・」


 アサギは5人から離れるように前にでる、そしてエリンギの突進を止める為に盾を合わせた

 その途端また視界が黄色くなる、エリンギも胞子を出したのである


「やーだー!もー!やーだー!」


 次はどこだとアサギは自分の身体を観察する、しかし背中以外に新しいキノコは見当たらない

 どうやら1本しか生えないようだ、とアサギは少しほっとした


「アハハハハ!ヒー・・・ヒー・・・あ、アサギ、頭!頭!」


 アサギははっとして両手を頭上にあげた、するとそこには本来なにもないはずなのに硬いなにかが存在していた


「もうやだー!!!このインスタンスダンジョンやだー!!」


 アサギは笑い転げているマーリンの腹に向かって蹴りをいれる


「ふぐっ!ダメージはないけど・・・なんか効いた・・・悪い悪い、でもSS撮った」


「むー・・・はやくこのダンジョン終わらそう!」


 アサギはどんどんと前に進んでいく

 魔法で最初に攻撃しても結局胞子は飛ばさず意味がなかったので次のキノコの胞子もまたアサギは浴びてしまう、次は左肩に生えてきた


「あー!もう!」


 それでもアサギは前へと進む

 次は2本キノコが並んで生えている


「もういい!突っ込むよ!別に痛くないし!!」


「あ、こら、生えてるキノコでHP減っていってるんだから無茶しちゃだめよ!」


 アサギは2本生えてるキノコの中央辺りに突っ込んだ、そして右のキノコに剣で斬り付ける、また視界が黄色くなる

 しかしアサギはそんな事もはや気にしていなかった、そのまま左のキノコを盾で殴りつけた

 ぶぉーっとまた周囲に胞子が撒かれる、ちょうどその時マーリンが右のキノコに対して炎を玉を発動させていた

 そしてその炎の玉が左のキノコが撒いた胞子に当たり引火して・・・


 アサギを巻き込み爆発した


「アサギィー!?」


「え?え?俺?」


「ちょっとマー君なにやってんの!?どうなってるの?」


「なんか胞子にマーリン君の魔法が当たったような・・・?」


「なるほど、粉塵爆発みたいなもんか?」


「いや、ダガー、あれって結構判定シビアらしいぞ?」


「じゃあ運が良かった、いや、悪かったのか?」


「何言ってるのよ、馬鹿!アサギのHPかなり減っちゃったじゃないの!」


「わーい!とれてるー!!」


 爆発の煙が薄くなり中からアサギが出てきた

 その頭にも背中にも左肩にもキノコは生えていなかった


「ん?解除不可だけど焼けば解けるって事か?」


「ええ・・・そんな方法なの・・・?あら、キノコにも結構ダメージ入ってるのね、え、これが正攻法って事なの!?」


「えー、でも魔法使えないパーティどうするの?ハンターいるなら火の矢でいいかもだけど・・・?」


「そうだね、ギミックがあるなら平等じゃないとバランスが!ってウミノピー言いそうだもんね」


「パーティ組んでるし直接アサギに魔法撃てないからたまたまなんじゃないか?」


「いや・・・1個だけ方法があるぞ」


 全員がダガーに注目する、ちなみに2匹のキノコとはまだ戦闘中だ


「かがり火だ、通路には途中でなくなったけど部屋の入り口と出口にはあるだろう?多分あれで焼くんだよ」


「なるほど・・・でも・・・そんなの分かる訳ないじゃないかー!!!!ウミノピーの馬鹿--!!!」


「とりあえず・・・試してみましょうか・・・?」


「そうだな・・・アサギもう1回キノコ生やしてみようぜ」


「うん・・・そだね・・・」


 アサギ達はキノコ2体をさくっと倒して前に進み次のキノコを探す

 そして見つけたキノコの胞子を浴びてキノコを生やした、今度も頭である

 そしてそのキノコをかがり火に近づけると・・・


「わー・・・一瞬で燃えてなくなった、全然熱くなかったよ」


「これは・・・また難解なギミックだったわね・・・HP減少もそこまで深刻なダメージじゃなかったのはわざとなのかしら・・・」


「あー、どうせそこまで減らないならこのままでいいか、ってか?」


「ええ、そう、数増やしたらどうなるかはわからないけどそこまで問題じゃあなかったでしょうね」


「ふー・・・本当に性格悪いのが運営にいるな」


 6人の心は一つになった

 だがアサギはこれでキノコの心配をしなくてもいいので少しだけ元気になれた気がした

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