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実は気に入られた聖騎士

タイトルが決まらない

 お時間よろしいでしょうか

 GMにそう言われてよろしくないですと言える人間が何人いるだろうか


 GM、つまりはゲームマスター、運営側の人間である

 私は混乱した


 なんだ、私はなにかやらかしたか・・・

 いや、わかる、わかっている

 流石にこのジョブレベルが通常ならあり得ないと言う事はわかっている

 となるとどうなる・・・もしかしたらソードマンに戻される?それは嫌だ、折角聖騎士になれたのにまたソードマンになるなんて

 ・・・でもそれも仕方のない事なのかも知れない、どう考えてもバランスは取れていない

 一応聖騎士にはなれた

 とても嬉しかった、だからまた最初から、今度はちゃんとした道順で聖騎士になろう


「はい、だい・・・じょうぶです、あ、喋るのは普通に喋ってて平気なんですか?なんか空に向かって喋るのは変な感じなんですが」


『はい、今了承していただけたので現在のアサギさんには通話機能にフィルターをかけさせていただいております、もちろん後ほど解除させていただきますのでご安心ください、このフィルターによりアサギさんの声は私にのみ聞こえるものになっております』


 おお、流石運営、なんでもできるな


『ただその場で会話をしているとNPCや他のプレイヤーにあらぬ疑いをかけられる恐れがありますのでこちらに転送させていただきたいのですがよろしいでしょうか?』


「あ、はい、大丈夫です」


 アホの子扱いを知らない人からされたくはないからね

 私が応じると世界が一瞬で移り変わる

 ついた場所はなんというか・・・


「喫茶店?」


「ええ、GMとして少しアサギさんに確認を取りたり事がございまして、不正利用者とかを強制転移させる場所はもっと牢獄っぽい造りになってますけどアサギさんはそうではないですからね、お話がしやすい空間を演出してみました、あ、自己紹介がまだでしたね、一応頭の上に名前が浮かんでいるのでわかるとは思いますけどGMのゲマスです、よろしくお願いします」


 そう言われ目の前の男性の頭の上を見ると確かにそこにはGM・ゲマスと言う文字が浮かんでいた


「あ、アサギです、よろしくお願いします」


「いやー、まさかサービス開始初日にプレイヤーの方と面と向かって会話をするとは思いませんでした、牢獄行きならもしかしてでるかなー、とは思いましたけどあれは何回か悪質行為を行うか不正行為をしたら送られる場所なのでできれば出番がこなければいいんですけどねー、あ、不正行為は一発牢獄行きですよ、まあ、セキュリティには自信がありますのでそちらはあまり心配してませんけどね」


 アハハと笑うゲマスを見ながら私は自分が行った事は不正行為には当たらない事を知り内心ほっとしていた


「それでですね、アサギさん、今回来ていただいた理由なんですけども、こちらが予定していない方法でのクラスチェンジを行われたのでそちらの件についてなんですよ」


「あ、はい、なんとなくは・・・わかってました」


 ちょっと他の可能性も捨てきれなかったからビビってはいたけどな


「で、一応確認の為にアサギさんの行動、まあ、つまりログを拝見させていただきました」


 !?

 は、恥ずかしい!!聖騎士になるぞー!、とかここを教会とする!とか全部見られたの!?


「ああ、通常であれば通報されたり、不正行為を疑われたりしなければ個人のログを確認すると言う事は行いませんので安心してくださいね」


 笑みを絶やさずゲマスさんは語りかけてくる


「それにしても、ククク・・・いや、GMとしてはこう言った発言はしてはいけないんでしょうけども、あの海野さんを神様にするとは、社員一同ちょっとしたお祭り騒ぎですよ」


「あは、あははは・・・」


「いや、ほんとウミノピーって名前がまた、ククククク・・・本人も聞いた時はびっくりした顔してましたけどね、なんか満更でもなさそうな顔してましたよ」


 なにー!!?そりゃいつかは知られるかな?とか考えなかった訳ではないけどもう知られているのか、いや、怒られてないなら・・・いいのか?


 ・・・いっか!


「今後イベントでプレイヤーの皆さんの前に出る時は創造神ウミノピーででようかなー、とか言ってました」


「それはやらないほうがいいと思います!!!」


「そうですかー?じゃあそう伝えておきますね、さてそろそろ本題の方についてお話しましょうか」


 ゴクリ・・・ここからだ、この話し合いで私が聖騎士としていられるかどうかが決まる・・・


「えー、まず先程も言いましたがアサギさんが教皇とパラディンロードの職に就いた事はこちらが予定していた道筋ではありません、ですが不正行為を行った訳でもありません、つまりこのクラスチェンジに関してはアサギさんに非は一切ありません、ここまではよろしいでしょうか?」


「っ・・・はい」


「こちら側としてはNPCも含めてゲームの道筋を外れないように調整を行なってきたつもりでした、しかし・・・まあ、稼働してみないと何が起こるか分からないとはこの事ですね、海野さんもサービス開始前にそう言ってましたよ」


 居た堪れない気持ちになってきた

 私の行動を迷惑に思った人がいたのだろうか

 私のせいで仕事が増えてしまったら申し訳ないな

 私の聖騎士道的にも・・・


「まあ、それで、クラスチェンジに関してはアサギさん自身がゲームの中で自ら動いた結果ですので教皇とパラディンロードの職を無くしてソードマンに戻すという措置はとりません」


 ガタッ!

 その発言に居た堪れなくて曲がりきっていた猫背が伸びる


「え、じゃ、じゃあ私はこれからもパラディンロードで遊べるんですか!?」


「はい、ゲーム開始最速の教皇とパラディンロードへのクラスチェンジおめでとうございます、というか全職業含めても最速ですね、トッププレイヤーです」


 私自身は別にトッププレイヤーを目指していた訳ではなかった

 でも面と向かって言われると嬉しいし、なんか照れる


「あ、ありがとうございます」


「ですが流石に今のままで遊んでいただくには少しばかり問題点がありまして・・・流石に初日からジョブレベルが3つも最大に行っているプレイヤーは有り得ないと言いますか・・・バランスもやはり崩れてしまっているので・・・できればジョブレベルを転職前の数値に戻していただけないかなぁ・・・と、あ!そのかわりもうパラディンロードなので最初からパラディンロードのスキルにポイントを使う事はできますよ!・・・それで・・・どうでしょうか?」


 問題はない、ジョブレベルなんか大した問題ではない、聖騎士を続けられる以上はそんなものはどうでもいいとも言える

 どうせこのゲームをずっと遊んでいくんだ、ジョブレベルなんかいつかは上がる

 別に誰よりも強くなければいけない訳ではないんだ、聖騎士であれば

 聖騎士として皆の前に立てれば


「あ、はい、全然大丈夫です!私パラディンでいられる方が重要です!」


「そうですか、ありがとうございます、まあ、職業補正はそのままなのでレベル1とは思えない強さになっているとは思います、あ、それとですね、教皇のスキル任命についてなんですがこちらも少し仕様を変えさせていただきますね、アサギさんはエルダープリーストの任命をされていないのでその権利は残っているのですがまた今回のようにジョブレベルがクレリック、プリースト、ハイプリーストの3つ分上がってしまうのを避けさせていただきます」


「あ、そうか、教皇はエルダープリーストも任命できるんだっけ」


「はい、こちらをですね、プレイヤーを任命する時はハイプリーストのジョブが最大である、と仕様変更させていただきます、お友達がハイプリーストのジョブ最大になったら任命してあげてください、この職も相当強いですよ」


「はい、ありがとうございます」


 そんな友達できるかな?できるといいな

 そう言えば席子ちゃんはどの職やってるんだろう?性格的に言うと攻撃職かな?


「ではジョブレベルの件、任命スキルの件を変更させていただきます、個人のデータをいじるので申し訳ないのですがログアウトしていただけますか?変更が終わり次第登録されているメールアドレスに連絡いたしますのでまたこの世界をお楽しみください、あ、ログアウトから戻ってきたら先程いた転送する前の場所に戻りますのでこのままログアウトしてもらって大丈夫ですよ」


「あ、はい、わかりました」


「・・・あと、ですね・・・これは運営側の人間からはあまり言う事ではないのですけれど・・・」


 ん?なんだろう?


「アサギさんは今現在唯一のクラスチェンジ済みのプレイヤーです、そうなるとその名前は自然と広がってしまうと思います、その懸念を払拭出来るかどうかはわからないですが一応ちょっとした手違いがあり不具合を調整したとの告知はさせてもらいますが・・・やっかみやどうやったのかとの声がアサギさんの元に届かないとは思えません」


 そう・・・だよな・・・


「一応ステータスや装備などは非公開状態にできるようになっていますので周りが強くなるまではそちらにチェックしていた方がよろしいかと思います、えっと視線を右にやって、そうそう、そこのシステムから個人情報、ステータスの非公開、そう、そこにチェックです、はいはい、これで多少は防げるかもしれません、あの冠と剣も初日に取れるような性能じゃあないですからね、でも見えなきゃ大丈夫でしょう、さて私どもからは以上です、お時間を取らせてしまいすいませんでした」


「いえ、こちらこそ申し訳ありませんでした、心配もしていただいて・・・本当にありがとうございます、私聖騎士としてこのゲーム楽しみます!」


「はい、楽しんでいってください、創造神ウミノピーもそれを望んでいる事でしょうから」


 アハハハハ、一頻り笑った後に私は現実世界に戻っていった

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