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聖騎士とレイドボス戦

皆様の声を聞かせてくださると幸いです

感想、評価お待ちしております

アサギ達がレイドボスは何が選ばれたのかを話し合ってる時もアーサーはエリアチャンネルで俺がメインタンクをやる!回復を頼む!としきりに言っていた

周りの反応を見ると話を聞いてそうな人とアーサーを出し抜こうという人、そして全く相手にしていない人と反応は様々ありそうだ


「もうすぐ始まるね、アーサーさんがタゲとってくれるみたいだし私達は最初はあんまり飛ばさないでいこうね」


「マーリン、いつもみたいに火力出すと流れる可能性あるから気を付けなさいよ」


「あー・・・そうだな、最初は様子見しておこうか、アーサーが戦ってる所見た事ないからどれだけ火力だしていいのかわかんないしな」


「あっちゃんよりはタゲ固定できないのは確実でしょ、ナイトだからしょうがないけど」


「じゃあ俺も最初から本気を出すのはやめておくかな」


「そろそろ始まるから支援魔法かけるね」


オネがパーティメンバーに支援魔法をかけ始める

そろそろイベント開始時間だ、アサギ達はなるべく昨日邪教徒たちが居た場所に近づこうと前にでる、すると


『ガハハハハ!教会の犬どもよ!どうやってこの場を見つけたのかはわからんがどうやら遅かったようだな!儀式はもうすぐ終わりだ!!我らが神の復活を見届けるがいい!!!』


どうやらイベントの敵役の発言のようだ


「え?もう邪教徒の神様と戦うの?早くない?」


「んー・・・確かにストーリー的には早すぎるような気がするわね」


『ハーッハッハ!!これで我らが神が復活する!!!・・・おい、どうした?復活はまだか・・・?』


「おっと流れが変わってきたぞ」


「これはなにかやらかした感じだね!」


『おい、呪文は完璧だっただろう?・・・なんだ?地下から・・・凄い魔力が!?』


「フ、どうやら失敗したらしいな」


「ええ?イベント的にはこれでいいのかな?」


『な!なんだこれは!地下から!水が!?こ、これは!!!ああああああああああああ!!!!』


「水ぅ~?」


アサギがどんな敵が出たのかを考え始めた時目の前にあった光の壁が消えた


『皆!壁が消えたぞ!レイドボス戦の開始だ!俺に続け!!』


相変わらずのアーサーのエリアチャンネルである

それを聞いて皆が動き出したのでアサギ達も動き出した


「さて、なにがでるのかな?」


「水って事はやっぱりタコじゃないか?」


アーサーを先頭にプレイヤー達が邪教徒が儀式をしていた場所へ向かう、前回辿り着いた曲がり角を曲がるとそこには


「あ、ほんとだ、水・・・いや、水ってよりネバネバしてる・・・?」


アーサーがレイドボスの索敵範囲にはいったようだ、緑色をした水が突然噴水の様に吹き上がる

その水の中には赤く丸いものが複数確認できた


「なんでよりによって初めてのレイドボスがスライムなのよ!もっと早い段階できなさいよ!」


セッキーの絶叫に5人は心底同意をした

スライムと言えばやはり最初の方で倒す敵である事が多い、実際スライムがでるインスタンスダンジョンと言えばもっと低レベルで行けるものだった


だがこの先入観がプレイヤーを苦しめる事になる

スライムを見た時大多数が思ってしまったのだ、スライムだから楽勝だと、これはそこまで難しくないレイドボスなのだと

前線に出ているプレイヤーのその思いが戦場全体へ伝播する


ああ、これは楽に勝てる、だから別にメインタンクに支援なんかしてる場合じゃない、自分たちで動いて貢献度を少しでもあげなければいけないと・・・


宣言通りにアーサーがレイドボスのスライム「???の力を吸い取ったスライム」にファーストアタックを仕掛けターゲットを固定しようとする

しかし少しでも貢献度を上げようと最初から全力で攻撃をしかける他のプレイヤーのせいでなかなかターゲットが固定できないようだ


スライム本体からでた2本の触手のようなものはアーサーのみを狙わずに色々なプレイヤーを攻撃している

だがアーサーからエリアチャンネルでの発言はない、アーサー自身も相手がスライムなので余裕と感じてしまい手伝ってくれとは言えない空気になってしまっているのだ

プレイヤー達はタンクなど関係なくスライムに群がっている


「スライムって私達戦った事なかったけど最初の方でやめよう、って言ってなかったっけ?」


「あー、3人だった時な、有利属性を持ってるのが俺だけだったし物理攻撃効くかわかんないから別に行かなくていいんじゃねーかって話したな、「骨の迷宮」があったからいいや、ってのもあったし」


「そうだったわね、でもなんかレイドボスで期待してたのにスライムだとちょっとやる気がでないわね、取り巻きとかでるのかしら?それとも本体を叩きに行く?」


「一応取り巻き重視でいいんじゃない?あっちゃんは出るって思ってるから動いてないんでしょ?」


「レイドボスだし取り巻き召喚くらいはするだろうな、しかしスライムか、核を狙うとダメージの通りがいいんだがあのでかさだとなかなか当たりそうにないな」


「アサギちゃんの光の腕で引っ張ればなんとかなりそうだけどこの人の多さだとなかなかできそうにないわね」


アサギ達はスライムから少し離れた所でレイド戦の成り行きを見守っていた


「邪教徒達はどうしたんだろう?あんなにいっぱいいてしかもさっきまで儀式してたんでしょ?」


「そういや最初に喋ってた奴っぽいのもいないな、あんだけ叫び声あげてたくせに」


「それもそうね、まぁちゃんはかなりの数を見たんでしょ?それが1人もいないなんておかしいわ」


「まあ、名前的に吸い取ったって書いてあるくらいだから私が見た邪教徒も全員吸い取られたのかな」


「ふむ、だがそれなら名前が???なのはおかしいな、邪教徒の力を吸い取ったなら理解できるが」


「そうなると自然なのは儀式で召喚、あるいは復活させようとしたのをあのスライムが吸い取った事になるわね・・・」


アサギ達は急に背中が冷えていくような気配を感じた


「ねぇ、ダガー君、スライム倒した事あるんだよね?スライムって核って全部あんな感じなの?」


「ん?・・・いや・・・俺が見た事あるのは1つの球体が中にあるだけで・・・あんな感じじゃあないな」


目の前にいるスライムの核となるそれをよく見てみると球体がいくつもくっつき合いそれが脈を打っているように拍動していた


「んー・・・よくわかんないけどどうやら楽に勝てる敵、って考えは改めた方がよさそうね」


「ああ、そうだな、気づいてるか?あんだけの人数で攻撃してるのにあのスライム全然HP削れてないぜ」


マーリンの声に5人は頭上にでたHPバーを見る、確かに全く減っていない、あれだけの人数が剣で、槍で、短剣で、弓で、魔法で攻撃しているはずなのに


『皆!敵のHPが全く減っていない!どうやらスライムの表面を叩いても意味がないみたいだ!核を叩く為に核に挑発スキルを使うから少し待っていてくれ!!』


アーサーのエリアチャンネルでの発言が楽に勝てるという空気を切り裂いた

周囲にざわめきが広がる、そして徐々にスライムへの攻撃が止んでいった


スライムの核に対してアーサーが挑発スキルを使っているようだ、しかしどれだけやっても無反応でありスライムの触手がぺちぺちとアーサーの盾のみを叩くだけである


「んー・・・なんだろう?どういうレイドボスなのかわかんないね」


「ダメージもそこまで大きくなさそうだしな、わかんねぇな」


「そうねぇ・・・直接殴らないといけないのかしら?」


「なるほど、スライムの中に入れって事か、よし、アサギさんは目立つ訳にはいかない、俺が行こう」


「ええ!?ダガー君大丈夫なの!?」


「ああ、任せろ、死んだら復活してまた戻ってくる」


「じゃあ支援魔法また掛けなおすわ、オネさんもお願い」


「うん、バリアも貼っておくね、そこまでの効果ないけど、あ!移動速度もあげておくね!」


「よし、じゃあ行って来る」


ダガーがアーサーを叩いているスライムに近づいて行く

スライムの周りにはアーサーのパーティメンバーしかいないようで簡単に近づけた


「失礼、試したい事があるんだがやってもいいだろうか?」


ダガーはアーサーに話しかける


「ああ、全然わからなくて困っていたんだ、なにもしないでいるよりはましだろう、頼むよ」


「んむ、できれば終わるまで動かないでもらえると助かる」


了承を得たのダガーはスライムの目の前に立つ、そして槍を構えスライムの中へと突撃をした

辺りが色めき立つ、スライムと言えば酸性で物を溶かすというイメージでもあったのだろうか、周りにいるプレイヤーからは「死んじゃうぞ!」という声もあがった

しかしダガーのHPが減り始める事はなかった


「ゲームでよかったな、息の心配をしないでいい、よし!核を攻撃してみるぞ!」


ダガーが核に槍が当たるところまで近づいた

選んだ攻撃は5回突く連続攻撃だ、中段に構えた槍を核に向かって真っすぐに突き出す

最初の攻撃が核に当たる、ダガーは素早くその槍を引き戻し2回目の攻撃に移ろうとする、だがその行動を取ったダガーは強い衝撃を前方から受けスライムの中から弾きだされた


「おー、ダガー君どうやら当たりみたいだよー!おつかれさま!」


「どうなった!?」


倒れこんだダガーにセッキーや周りに居たヒーラーから回復魔法が飛んでくる

がばっと起き上がったダガーは目の前の変わり果てたスライムを見てぎょっとした


先ほどまでは2本しかでていなかった触手が今は無数にでているのだ

しかもその触手の先端には先ほどまで1つにまとまっていた核が1つ1つ別れて存在している

そしてスライムの中には大きな核が1つだけ残っているようだ


どうやらこのスライムは複数でている触手の先端にある核を倒してから最後に真ん中の大きな核を倒さないといけないようだ


先ほどのダガーの行動を見ていたプレイヤーの1人がまた中にはいって大きな核を攻撃しようとしたのだろう、剣を持って中へ入ろうとしている

だがどんなに前へ進もうとしてもスライムの中へは入れないようだ

大人しく触手を狩れと言った所であろうか


『彼のお陰でこのスライムの攻略方法がわかった!!どうやら触手1つ1つにヘイト値があるみたいだ!大きな核のヘイトは俺が取るからVIT型のナイトは小さな核のヘイトを取って殲滅していってくれ!!』


「ふむ、どうやら仕事らしいぞ、アサギ」


「うん、途中から取り巻きがでてくるタイプのレイドじゃあなくてよかったよ、これなら暇にならないもんね、じゃあ行こうか皆、ダガー君の犠牲は無駄にしない!!」


「生きてるから!?」


「「「「おおー!!!」」」」


「いや、生きてるって!!!」


ダガーの犠牲を胸に刻みアサギ達は触手へと攻撃を開始し始める

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