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聖騎士は気合をいれる

皆様の声を聞かせてくださると幸いです

感想、評価お待ちしております

 アサギ達は帰還スクロールを使いアサギの部屋、もとい教会に戻ると急いで土の教会へ向かった

 もちろん「トークノ盆地」で見た事を団長に報告する為だ

 アサギ達は土の教会にはいるといつものように受付を素通りし教会の内部に入っていく、それを咎める者などいない


「おや、アサギ君達じゃないか、団長からのクエストはもう終わったのかな?」


 1人の男が前から歩いてくる


「あ!フクフ副団長!はい、今終わって戻ってきた所です!ダンチョー団長は部屋に居ますか?」


「ああ、部屋にいらっしゃるよ、私もその報告を待っていた所だ、私も一緒に行こう」


 そう言ってくるっと向きを変えたフクフの後をアサギ達は付いていく


「団長、フクフです、アサギ君達が帰還したので連れてきました」


「お、早かったな!はいれはいれ!」


 フクフが団長室の扉を開ける、中ではダンチョーが机の上の書類とにらめっこしていたらしい、これで仕事が休めると若干嬉しそうだ


「で、どうだったんだ?」


「えっとまぁちゃんお願い」


「うん、ダンチョー団長のクエストを受けて「トークノ森」から「トークノ盆地」にはいって少し奥の方に行ったんですよ、そしたら邪教徒が結構な数いてなんか祈ってるような感じでした」


「祈ってた・・・それは「トークノ盆地」の中なんだな?」


「あ、はい、そうです、あそこは「トークノ盆地」の中です」


「おい、フクフ、邪教徒と「トークノ盆地」でなんか関係ありそうな事はあったか?」


「んー・・・未だに邪教徒が何を崇めているかもわかってないんで難しいですが・・・あの辺で今まで邪教徒が確認された事はなかったはずです」


「え?邪教徒って魔王信仰じゃないんですか?」


 アサギはずっとそうなんだろうと思っていた


「その可能性は当然ある、だが確信はできない、魔王信仰ならもう少し魔族や魔物と言った類のモブと共存しているはずなんだ、だが奴らにはそれが見えなくてな、まあ、信仰先が同じでも仲違いしている集団なんかざらだとは思うが・・・確信していない以上それと決めて動くのは危ないからな」


「なるほど・・・魔王じゃなかったのか、今度聞いてみようかな」


「んー・・・アサギ君それは難しいかな、こちらも何人もの邪教徒に聞いてはいるんだけどね、奴らは我らが神とかあのお方としか言わないんだよ、もちろん色々な方法で聞いてはいるんだけどね」


 そう言った瞬間のフクフの顔は何か暗いものに感じられた


「まあ、その辺は今後わかってくるだろう、そう言えばお前ら奴らの隠れ家を見つけてるんだよな?そこに何か手掛かりになりそうなものはなかったか?」


 アサギは首をひねる、そして他の5人を見回し・・・


「誰もそんなのは見てないですね」


「ふぅむ・・・そうか・・・」


「で、「トークノ盆地」の邪教徒はどうするんですか?」


「ああ、そうだな・・・外遊人が噂をしている強い敵をもしかしたら呼び出そうとしているんだろう・・・そうなると・・・また外遊人に頼る事になってしまうかもしれないな」


「まあ、多分私達は頼られなくてもきっと行くと思いますんで気にしないでいいんじゃないですか?」


「んーむ、だがなぁ・・・今まで王都の平和を守ってきた我々が後ろにいて全てを任せるというのはな・・・」


「大丈夫ですよ、ダンチョー団長、私達外遊人だって王都を守りたいとは思ってますから」


「んーむ、そうは言うがなセッキー・・・」


「まぁまぁ、ダンチョー団長の言いたい事もわかるけどここは俺らに任してくれればいいですよ、俺達で足並み揃えて討伐に行けばなにがでても王都に危険はないですって」


「んーむ・・・確かに外遊人も予言の日以来だんだんと実力はつけている奴がちらほらいる・・・だがそんなにも足並みを揃えられるのか?今回は光の神の予言はでてないだろう?」


「あー・・・確かに今回は予言でてないっけ」


「それなのに今から時間を合わせる事なんかできるのか?」


「えーっと・・・その辺は大丈夫ですね、一応こっちも横の繋がりは結構しっかりしていると言うか、ちゃんと時間通りに?時間を合わせて?討伐隊は組めると思います」


「ふむ・・・ちなみに今から連絡するとなるとどれくらいで討伐隊が組めるんだ?」


「そうですね、大体3日後くらいには組めるはずです」


「そうか、3日か・・・それまでに邪教徒の動きが無ければいいのだが・・・」


 アサギ達はもう予定は組まれているとは言い出せずに話をさっさと切り上げてダンチョーの部屋を出る


「んー・・・どうせイベントやるなら予言だしてもらいたいな、どう説明すればいいのか悩んじゃったよ」


「そうね、まあ、土の教会がクエスト出すのがイレギュラーな感じもするからしょうがないのかしらね」


「でもよ、邪教徒関連なんだろ?それで光の神が予言を出さないって事は邪教徒は魔王と関係ないって事なのか?」


「その辺は考察するのを楽しみにしてる人がいるらしいからミスリードを狙ってるとかじゃない?」


「え、まぁちゃんそんな人いるの?」


「あっちゃん掲示板見ないんだっけ?考察スレッドとかあるよ」


「ああ、それなら俺も見た事があるな、なかなか白熱していたぞ」


「ふーん、私もマーリンもSS掲示板くらいしか見ないからなぁ」


「アサギちゃんもSS興味あるの?今度一緒に撮らない?」


「あ、うんうん!撮ろう撮ろう!皆も一緒にー!」


 アサギ達はその後また「「悪竜エドラ」の夢」を周回したりSSを撮ったりと夜遅くまで遊んでいた、そしてログアウトしいよいよ2回目のイベントを迎える





『皆さんこんばんわ!GMのゲマスです!もうすぐストーリーミッション「未知との遭遇」が開始されます、ストーリーミッションを行う場所にプレイヤーの皆様を転送いたしますので上位職用のレイドボスに参加される方は王都の東門前、基本職用のレイドボスに参加される方は王都西門前に集合してください、そこにGMが居りますのでその横にある転送装置でパーティのリーダーは指定された場所へ転送を開始してください、なおストーリーミッションが始まるまではその場に結界が張っております、あまり動き回れないかもしれませんがご了承ください』


「よし、アサギ西門の方に行くぞ」


「はーい、皆準備できてる?・・・大丈夫そうだね、じゃあいこー」


 アサギは王都の西門前にいるGMの横に置いてある転送装置を使った

 一瞬で視界が変化する


「お、ここは「トークノ盆地」の入り口ん所か」


「どこら辺まで近づけるんだろ?ちょっと前行ってみようか」


「そうね、あと30分くらいあるし見て周るのもいいかもしれないわね」


 アサギ達は邪教徒が儀式を行っていた所まで行こうとする、しかし多少進んだ所に光の壁が存在していた


「あれ、ここまでしか来れないんだ・・・え?そんなに人入れるのここ?」


「あー、前はあんま行けないけど後ろは結構いけるんじゃねぇのか?」


「というかサーバー内全部の人をここに連れてきてる訳じゃないんじゃない?」


「えー、でもそうしたら勝ててる所と勝ててない所出来ちゃわない?」


「確かにそうだな、そうなるとどちらに合わせるだろうな」


「んー・・・そうなると本当に大人数でのレイドボスになるわよ?」


「ははは、いいじゃないか、それならアサギが目立つことはないだろ」


「確かに人がいればいるほど目立ちにくいねー」


『上位職用のレイドボスに参加する人達聞いてくれ!俺はギルド「円卓の騎士」のギルドマスターのアーサーだ!』


 エリアチャンネルにその声が響く、するとアサギの眉間が一気に皺ができあがった


「アサギ、顔にでてるわよ」


「あ、おっとっと、まずいまずい」


『今回のレイドボスでは俺がメインタンクをやろうと思う!だから回復を頼みたい、うちのパーティにも回復職はいるが俺が死んだりしたらターゲットが飛んで戦列が乱れるかもしれない、だから余裕があったらお願いしたい!あとVIT型のナイトがいたらもしレイドボスが取り巻きとか雑魚を召喚したらそっちの方を頼みたい!よろしく頼む!!』


「アサギ、顔」


「おっとっと・・・」


 アサギの眉間の皺は先ほどよりもくっきりと刻み込まれていた


「しかしすげー自信だな、まあ、多分ナイトでレベルが1番高いんだろうな」


「アサギちゃんなんでさっきからしかめっ面してるの?」


「えー、えーっと・・・実は私がアーサーって名前使いたくって・・・それと職業がかぶってるっぽいから・・・ちょっとね・・・」


「ああ、なるほど、名前被ってると使えないんだもんね」


「フ、それならメインタンクを奪えばいい、なに今の発言でそう思った奴は多いはずだぞ」


「んー・・・いや、それだと目立っちゃうからな・・・」


「おお!流石うちの聖騎士様は出来ないとは言わない!」


「まあ、実際やろうとしたら出来るでしょうからね、簡単よ、最初から祝福使って殴り掛かればいいのよ」


「あー・・・そりゃ確かにヘイト取れるわ」


「そうだね、あの火力の上がり方じゃあ簡単だね」


「じゃあアサギちゃんは取り巻きが湧いたらそれを倒す感じかな、私達もその方がいいかな?」


「そうだな、パーティなんだ動きは統一させた方がいいだろう」


「じゃあそんな感じで行こう」


 その後もエリアチャンネルでの声が響く、アサギは流石にもう眉間に皺を寄せる事はなかった


「セッキー、余裕あったら回復してあげてね」


「ん?ああ、アーサーね、そりゃそうよ、ダンチョーに任せてって言った以上はちゃんとやるわ」


「そか・・・うん、そうだね!流石セッキー!よーし!私も頑張ろう!」


「ふふ、頑張ってね」


 アサギが気合を入れた所にゲマスの声が再度響く、どうやらイベント開始まであと5分ほどらしい


「結局レイドボスがどんなのかわからなかったね」


「ああ、そう言えばそうだな、よし、タコに100ゴールド」


「ほう、じゃあ俺はドラゴンに100ゴールドだ」


「えーっと、私は悪魔に100ゴールドかしらね」


「未知・・・未知ねぇ・・・私は普通に動物とかが出ると思うな」


「んー・・・私は見た目装備で可愛いのが欲しいから天使とかかなー?そしたら天使装備とか貰えそうだし!あっちゃんは?」


「え、私?そりゃあ・・・「パラディン、だろ」


「なんで先に言うかな!!あってるけども!あってるけども!!」


 アサギはどこまでもパラディンが頭から離れないのであった

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