聖騎士とお使いの依頼
皆様の声を聞かせてくださると幸いです
感想、評価お待ちしております
PVが9000越えました、本当に感謝しかありません
これからも頑張って書きますのでよろしければアサギ達に付き合っていただけると幸いです
「おー!棍がでてるよ、オネさんのだー」
「え?本当?やったー!」
「わー、いいなー、おめでとー」
「あ、あとまぁちゃんの鎧も出てるよ」
「え、ほんと?どれどれ・・・うーん・・・強いけど可愛くないなぁ・・・仕方ない、外見変更してから使おう、次のイベントでまた見た目装備配られるといいな~、できれば可愛いの」
「見た目装備なぁ・・・それが報酬だと参加する人数ってどうなんだ?大して興味ない奴なら参加しなくなるんじゃないか?」
「えー?基本的に女の子は参加したがるんじゃない?私は絶対参加しようと思うけど?」
「そうねぇ・・・私もできれば可愛い装備にしたいから参加しようとは思うけど・・・確かに興味ないって人もいるかもね」
セッキーはそんな事を言いながら目の前に居る聖騎士に目を向ける、その動きに釣られてか周りの視線がアサギに向けられる
「ええ!?何かな、その目は!?私だって見た目大事にしてるよ!?」
アサギは周りの反応が理解できないとばかりに立ち上がりよく見ろ!と言わんばかりに胸を張る
「見てよ、この鎧の重厚感!!こんだけ着込んでても重さを感じないから見た目に拘れるよね!!」
「んー、まぁ、アサギの場合は好みが好みだからな・・・」
「あっちゃんの好みと私の好みはちょっと違うわね」
「アサギちゃんは本当にパラディンが好きなのね」
「だが実際アサギさんの鎧はかっこいい、俺も外見いじるのやめて元の鎧を出すか、いや、まてアサギさんが白系の鎧を着てるなら俺は黒系の鎧を着るべきか・・・?」
「おお!いいじゃんダガー君!それで黒か赤のマントとかつけてさ!」
「あー、はいはい、その辺にしとけ、実際の所前回の「王都襲来」で配られたのは見た目装備な訳だから正直参加するメリットとしては小さいと思うぜ?」
「んー、でも「王都襲来」はモブが多くてその分ドロップがあったから報酬が少なかったんじゃない?あの時のレベルとしては割と優秀な装備とかアクセがでたでしょう?」
「んー・・・本当どうなるかね、イベント名は「未知との遭遇」だっけ?んじゃ敵はタコか?」
「海辺なら多分そうだと思うけど森の奥だからねぇ・・・タコはないんじゃない?」
「なんだろうねぇ、楽しみだねぇ、でもレイド戦かー、どうやるんだろうねぇ」
「多分アサギの目の敵の例の人が音頭をとってくれるわよ、掲示板にそんな事書いてあったわ、パーティを集めてレギオンを作って攻略するんですって」
「なるほど、トッププレイヤーっぽいしさぞかしよく通る声をお持ちだろうな」
「うーん・・・まあ、私がタンクしなくて済みそうなら大丈夫そうだよね」
「そうね、パラディンロードなのが広まる事はないでしょ、さ、オネさんが新しい武器を使ってみたそうにしてるからもう1周いくわよ」
「え、セッキーちゃん私そんな感じにしてた!?」
「あはは、オネさん私も新しいの手に入ったらそうなっちゃうからわかるよ、もう1周いこ!」
うんうん、わかるわかると皆が首を縦に振る
「え、そ、そうかな?よし、じゃあもう1周頑張ろっか!」
「「「「「おおー!」」」」」
「悪竜エドラ」の睡眠妨害がまた幕を開けた
何度か周回をした後に「ログボール」の時間が来たのでアサギ達はそれにやる為に王都へ戻る
門の前にプレイヤーが集まりすぎるという事で修正がはいりどこからでも参加できるようになったのだがご飯等の時間もあるので王都まで戻ってきたのだ
「しっかし「ログボール」のポイントはなかなか必要な分まで溜まらないもんだな」
「そうね、一応交換した武器はまたポイントと交換してくれるから今のレベルでも装備できるのを買ってもいいとは思うけど、まだ対人イベントが実装されてないし焦って変える必要もないわね」
「さっさとそっちが始まらない事にはあんまり意味がなくなっちまうよな、でも最初のうちは皆装備交換できないだろうからそこまで深く考えなくてもいいのかもしれないな」
「でもそれだと武器の1本、防具1か所でも変えておくと違ってくるんじゃない?」
「そうね、なにもない人より少しでもある人の方が有利になると思うしね」
「そうなるとやはり「ログボール」は参加してなるべく勝つ事だな」
「あはは、ダガー君当たり前言ってるー」
「フ、だがその当たり前がなかなか難しいだろう、アサギさん」
「うーん、確かに!」
「よし、そろそろ時間だぞ、終わらせて飯食って風呂入ってまた夢ん中に突撃だ」
「「「「「おおー!」」」」」
それからも「「悪竜エドラ」の夢」の周回や「ログボール」、教会での稽古と毎日を忙しくも楽しみながら過ごしていたアサギ達、そのアサギ達の元にダンチョーからの呼び出しがかかる
それはリアル時間でのイベントの前日の事だった
「ダンチョー団長、用事ってなんですかー?」
「おお、アサギ、道具屋のかみさんに言伝をしていたが伝わったか、すまんなお前ら、急に呼び出したりて」
「いえ、それはいいんですけど、でも今日の夜も稽古で来る予定だったのでその時じゃだめだったんですか?」
「ああ、お前らの言う今日の夜とかは俺らが言う今日の夜とずれる事があるからな、森の奥で不穏な動きがあるだろう?それに間に合わせる為に言伝をしてもらったんだ」
「あー・・・確かに私達とこっちの人じゃ時間合わせるのは口じゃなかなか難しいと言えば難しいですね・・・で、何の用なんです?」
「ああ、お前らその森の奥に行く前にな、再度その森を調査してもらいたいんだ」
「え?なにかあるんですか?」
「あるからお前ら外遊人の間で騒ぎになってるんだろう?」
「あ、いえ、今なにかあるのかな、って」
「あるかもしれないから調査を頼みたいんだよ」
「あー、うーん・・・」
アサギはそう言って周りに居る5人の顔を見る、イベントの開始時間は告知されているからレイドボスが出現する時間はアサギ達にはわかっている、だがそれをゲーム内の人に伝えていいのかどうか、アサギはそれを悩んだのだ
『いいわよ、アサギ受けちゃって、私達は「トークノ森」に行った事がないんだから様子見にもなるでしょ、クエストだからお金ももらえるし』
『あっちゃん値段釣りあげなきゃね』
パーティチャンネルでの会話がダンチョーに聞かれる事はないので心配はいらない
「あ、じゃあクエスト受けようと思うんですが、報酬についてですね!」
「おう、なんか欲しいもんあるか?」
「あ、いえ、ダンチョー団長の本気をちょっと見せてもらいたいなって!」
アサギの横で何かが崩れたような音が5回ほど鳴った
『ま、まあ、普段お世話になってるしあからさまに金銭的な要求は・・・ねぇ・・・?』
『そう・・・だな・・・』
『フ、向上心があっていいではないか』
『あっちゃん相手に本気を出すと私にもとばっちりきそうなんだよなぁ・・・あー、言うんじゃなかった』
『ふふふ、まぁちゃんも頑張ってね、応援してるわ』
『いやいや、オネーさんもそこで余裕そうな顔してるダー君も結局巻き込まれると思うから覚悟しといた方がいいからね?』
『『・・・』』
「ふむ・・・そうだな、1度くらいは見せておいてやってもいいか、よし、今から稽古場に行くか、なに、時間はかからんよ」
ダンチョーの視線が鋭くなる
「はい、でも時間がかからないかどうかはやってみないとわからないですよ!」
アサギがその視線を真正面から受け止め口角を上げる
「ハッハッハ、レベル1だった頃がそんなに昔じゃあないのになんだか懐かしくなってきたな、よし、じゃあ・・・そうだな、お前ら、すまんがちょっとここに居てくれないか、稽古場へはアサギとだけで行きたい」
「あ、はい、わかりました、じゃあちょっと待ってます」
「おい、マァ=チャン今明らかにほっとしたろ、今度の稽古はもっときつめにしてやるからな」
「ひ、ヒェェェ・・・」
「よし、アサギ行くぞ」
「はーい!」
そう言ってダンチョーとアサギがダンチョーの部屋から出て行った
「さてどうなるかしらね」
「んなもんすぐ帰ってくるだろ」
「あっちゃんはすごく強いとは思うけど・・・ダンチョーの方がもっと強いからねぇ・・・」
「んーむ・・・気になるな・・・」
「そうね、大丈夫かしら?」
「大丈夫は大丈夫でしょ、吹っ飛ばされても笑いながら立ち上がって向かっていく子よ、その辺の心配はいらないわ」
「だなー、あいつ何回吹っ飛ばされてんだろうなぁ」
「ま、そんな時間はかからないだろうからお茶でも飲みながら待ってようぜ」
「そうね、さっきアサギがクエストを受理したからクエストの内容を確認しておきましょうか」
「そうだね、クエスト名は「トークノ森再調査」、なになに、クエストの説明文は・・・えー、最近外遊人が「トークノ森」の奥に強いボスが出ると噂をしている、その噂を調べる為に「トークノ森」の奥地まで調査をしてもらいたい・・・ふむふむ・・・もし何かいたのなら騎士団としてどう動くのかを決める為の重要な任務ではあるのだが強いボスが出るらしいのであまり無理はしないように・・・か」
「ボスが出るのはリアルの時間で明日だから特に心配する事はないだろうな」
「私達プレイヤーが騒ぎすぎたから発生したクエストって事?なんかマッチポンプみたいだね」
「言われてみればオネさんの言う通りね、何もないのがわかっててクエスト報酬貰うのもなんかちょっと悪い気がするわ」
「あー・・・確かに・・・そう言われるとやっぱり言うんじゃなかったなぁ・・・」
「まあ、次から気を付ければいいだろ、別に報酬貰うのが悪い事ではないんだからな、仕事としての対価なんだし」
「まあ、そうだけどー・・・やっぱお世話になってる分も含めてちょっと自己嫌悪かも」
「でも別にダンチョーさんも嫌がってる感じはしなかったし言って当然みたいな反応だったと思うよ?だからそこまで気にしないでいいんじゃない?」
「うー、オネさん!そう言ってもらえるとうれしー!」
「まぁちゃんもダンチョーの本気を見せてもらうしかないな」
「あ!ダー君はそんな事言うんだ!?ダー君がダンチョーの本気が気になるって言ってたって言っておこ!」
「そ、それは!・・・いや、それはもっと強くなってからでないとアサギさんに悪いだろう」
「ふーん・・・ふーーーん」
「確かに言う事もわかるな、ってだけよ」
「そ、それよりクエストだ、調査と言ってもこの前の「シバレル雪原」のように場所が指定されている訳ではない、「トークノ森」を虱潰しに探すわけにもいかないだろう、どうするんだ?」
「んー・・・イベントで「トークノ盆地」が解放されるんでしょ?そこに「未知との遭遇」のレイドボスがでるんだから・・・「トークノ盆地」の前くらいまで行けばいいんじゃない?」
「そうか、まだ「トークノ盆地」は解放はされてないのか、ふむ・・・」
「多分なんかキラキラ光ったりしてここだよー!って教えてくれるんじゃない?行ってみなきゃわかんないわね」
「そうだな、アサギが戻ってきたらでかけようぜ」
それから5分くらいの時間が経った
「ふー、皆ただいまー!」
「おう、お前ら待たせて悪かったな、じゃあ早速で悪いが行ってきてくれ」
「おかえり、アサギはすぐに出発で大丈夫?」
「あ、うん、大丈夫だよー、ダンチョー団長ありがとうございました、じゃあ行ってきますね」
「おう、頼んじまって悪いな、ちゃんとした報酬も用意してあるから気を付けて行ってこい」
「じゃあ失礼しまーす!」
アサギ達がダンチョーの部屋から出ていく
先ほどまでの五月蠅さも無くなった
ダンチョーは1人椅子に座り先ほどの事を思い返す
「ああ・・・本当に強くなったもんだ・・・あの時の弱かったアサギが・・・いや、アサギは最初から心の中には強い聖騎士道を持っていたなもんな、そりゃあ強くなるか」
ダンチョーはそう言って楽しそうに笑った




