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聖騎士だって死ぬ事はある

皆様の声を聞かせてくださると幸いです

感想、評価お待ちしております


サブタイトル決めるのって難しいんですよね・・・

名前決めるより難しい

 残りのHPが半分を切った「魔竜エドラ」の攻撃速度は先ほどまでと変わってはいないのだろう

 しかし尻尾の攻撃速度や攻撃方法が増えて全てを防ぐのは難しくなっている


 攻撃判定が尻尾の先にしかないのかゲームだからなのかはわからないが尻尾の先を当てるような攻撃しかしてこないのが救いと言えば救いだろう、多分高度なAIが入っているモブ、つまり「ダクパラ」や外にいた「悪竜エドラ」ならそんな生易しい攻撃方法はしてこないだろう、次に会った時には彼らは持てる物全てを使いアサギを殺しに来るだろう


 それなのでなんとか薙ぎ払うように動かしてくる尻尾は盾で防ぐ事ができた、すぐに拳での攻撃が来る為にアサギはなかなか攻撃に移る事はできないがそれでも反撃スキルや拳での攻撃の繋ぎ目の隙などはアサギからすれば絶好の攻撃チャンスだ、逃す事はない


 やっかいなのが尻尾で突き刺してくる攻撃だ、これが今の「魔竜エドラ」の攻撃で1番速い、しかも尻尾を「魔竜エドラ」の肩より少し上にあげるとすぐに攻撃が来るのでモーションがわかりにくい

 薙ぎ払いならもう少し尻尾を高く上げてから斜め後ろに降ろしそれから横に振ってくるので盾で防ぐ準備ができる

 仕方がないのでアサギは尻尾が動いたら突いてくるものだと決め、防御できるように盾を予め動かすようにした

 尻尾は「魔竜エドラ」の右側、つまりアサギからしたら盾を持つ左手側に上がるのでなんとか防ぐ事ができている、しかし攻撃が薙ぎ払いの場合は突きを警戒した分高めに盾を上げているので「魔竜エドラ」の左手での攻撃を喰らいやすくもなっている

 ただ1番最初にアサギの横を通り抜けた尻尾を考えるとこの攻撃は絶対に避けるか防ぐかをしなければいけない攻撃であるとアサギは理解している


 この攻撃をもし盾で防げずに直接喰らうと確実に吹き飛ばされ戦線が崩壊する恐れがある、だから絶対に喰らってはいけない、幸い左手の攻撃は尻尾に比べるとそこまで致命的なものではないし反応が間に合えば防げるのでアサギは尻尾を優先する事にしたのだ


 もちろん防いだとしてもアサギにダメージははいる、しかしセッキーと支援を重視してくれているオネが減ったHPをすぐに回復してくれているし、それによりヘイトが流れる事も2人のMPが切れるという事もなさそうだ


 戦闘を維持するという点ではちゃんとできている、では攻撃面はどうだろうか


 マーリンは「魔竜エドラ」へ得意である火属性の魔法を連続で唱えている、レジストされる事もなく順調だ、しかし「魔竜エドラ」は「悪竜エドラ」よりも魔法防御が高いようでダメージがいつもより少なくなっているらしい


 まぁちゃんとダガーは尻尾の動きが先ほどと変わってきたので少し苦労しているようだ

 先ほどまでの薙ぎ払いは持ち上げた尻尾をそのまま横に降ろしながらアサギを攻撃していたのだが今は斜め後ろに振り下ろしてからアサギに向かっていく

 つまりまぁちゃんとダガーは尻尾が上がったら避けなければいけないのだ

 薙ぎ払いに巻き込まれたら相当なHPを削られるだろう、だから2人は尻尾が上がる度に後方へ回避している、一応まぁちゃんには攻撃を回避できるスキルもあるし使ってはいるのだがどこでどうなるかわからないので避けれる攻撃は避けているのだ


 6人がこの戦闘に慣れ始めてきた頃、「魔竜エドラ」のHPがついに最後の特殊攻撃をする所まで、すなわち残り25パーセントにまで減らす事が出来た

 一応スキルのCTや支援魔法の掛けなおしなどがあるのでそのちょっと前で止めているが


「皆準備いい?ラスト25パーだよ!何があるかわからないから気合いれてこ!」


「「「「「おおー!」」」」」


「よし、準備はオッケーだね?うん、削るよ!」


 アサギ達は攻撃を再開し「魔竜エドラ」のHPを25パーセントまで削った

 すると「魔竜エドラ」から衝撃のようなものが迸りアサギ達は全員立ったまま弾き飛ばされる

 スタンを受けた訳ではないが身体を動かす事ができない、どうやら特殊行動がはじまったようだ


「く、くはは、くはははははは!!ヤルデハナイカ!人間共ヨ!」


「魔竜エドラ」が翼を広げ笑っている


「おお、全力で相手をしてやろう、からの支援魔法フラグかな?」


「マーリン!集中して!」


「私モ少シ本気ヲ出シテヤラネバイケナイ相手ダト認メヨウ・・・私ノ最大ノ魔法ヲ見セテヤロウ!」


 そう言うと「魔竜エドラ」が両手を前に突き出す

 自分の方向へ手を向けられたアサギはピクと反応するがどうやらまだ動けないようだ


「くははは、コノ魔法デ貴様等ハ終ワリダ、防グ事ナドデキンゾ!!」


「魔竜エドラ」の両手の前に黒い光が集まりだす、それと同時にアサギ達も動けるようになったようだ

 アサギは飛んでくるであろう魔法を警戒して盾を構える・・・だが、その黒い光は徐々に球となり大きくなっていって・・・


「DPSチェックだ、これ!殴れえええええええええええ!!!!!」


 MMOでたまにDPSチェックと言われる攻撃をしてくる敵がいる

 DPS、Damage Per Secondつまり1秒間にどれくらいダメージを与える事が出来るかという事なのだが別に運営側が本当にどれくらいのダメージを出せるかを計算したがっている訳ではない


 相手が攻撃を放つ前にダメージを与え相手の攻撃を止める、それが出来る火力がパーティにない場合は大体全滅させられる、それがDPSチェックと言われる攻撃である


 時間制限の中で一定以上のダメージを与えなければならない、しかし事前情報など何もないアサギ達は「魔竜エドラ」がそのまま攻撃をしてくると思い防御を取ろうとしてしまった


「魔竜エドラ」が言った防ぐ事ができない、それがこの攻撃のヒントだったのだろう

 防ぐ事が出来ない以上発動を止めるしかない、だがアサギ達は出遅れた、この攻撃の本質に気づけなかったのだ、それは数秒ではあったがこの場合は大抵致命的なものである


 間に合うだろうか、「魔竜エドラ」の背中を見ている5人が「魔竜エドラ」に近づきながら半ば諦めたような表情を見せた時身体が眩い光に包まれた


「創造神の御業が一、奇跡のニ、祝福」


 それは7番目にして最初の神の力、5分間とは言え神の力をその身に宿させる事ができるという教皇のみが使う事を許された奇跡


 その光の正体がアサギの使ったスキルだと気づいた時5人の表情から諦めの文字が消えていた

 スキルを全力で使い「魔竜エドラ」の魔法を止める、6人はそれだけを求め行動を開始した


「くははははははは!!!!死ネ!人間共ヨ!食ラエ!我ガ最強ノ魔法ヲ!ぶらっくほ・・・」


「エクスッ!!!!カリバアアアアアアアア!!!!」


「魔竜エドラ」の後ろに居た5人からは広げた翼が邪魔をしていてアサギの行動が見えない

 しかしアサギのテンションが上がった時の掛け声なんでもエクスカリバーと辺りに広がる光を見て何をしたのかを理解する事ができた


「ぐ、ぐおおおおおおおおお!!キ、貴様等!」


 光の剣が消えた時、「魔竜エドラ」は翼を畳み地面に膝をつけていた


「よし!畳みかけるぞ!!!」


 どうやら特殊行動中はHPを削れない仕様になっていたようで25パーセントから減っていない

 しかしアサギ達にはまだ祝福の効果時間が残っている

 立ち上がった「魔竜エドラ」の攻撃はそこからは最後の力を振り絞るかのように熾烈なものであった

 アサギは防ぐのがいっぱいいっぱいであり攻撃に参加する事ができない、しかも「魔竜エドラ」の攻撃に範囲攻撃まで加わっている

 最初アサギは「魔竜エドラ」が右足を上げた時に蹴られると思い盾を正面に構えた、しかし「魔竜エドラ」はその足で地面を踏みつけた


 踏みつけた足から衝撃が「魔竜エドラ」の周囲に走る、幸い新しい行動でなにがあるかわからないと後ろに下がったダガーは攻撃範囲からでており、まぁちゃんは回避スキルがあったのでダメージを喰らう事はなかった


 しかしアサギはもろに衝撃を受けてしまった、どうやら下から斜め上に衝撃が走る攻撃らしい、盾の下を潜り抜けた衝撃はアサギを後方へと吹き飛ばす


「ふんっ!」


 ここまできて負ける訳にはいかない、アサギはすぐに「魔竜エドラ」に向け突進をして距離を詰める

 距離を詰め攻撃を防ぎ反撃スキルで「魔竜エドラ」のHPを削る


 自分の仕事は相手のHPがゼロになるまで敵の攻撃を耐えきる事、相手のHPを削るのは私の仕事じゃあない

 アサギは今まで「魔竜エドラ」の攻撃に合わせる為に少し前に出していた盾を自分の身体に密着させる


 回転率が上がった拳での攻撃と右足による範囲攻撃のみとなった「魔竜エドラ」の攻撃を全て防ぐ事だけを考えアサギは剣を終う、10発分防いだら反撃スキルは即時に発動させているがアサギが使う攻撃スキルはもはやそれだけだった


「ニ、人間ナンゾニ・・・私ガ・・・私ノ夢ガ・・・」


「魔竜エドラ」が一瞬上空を見上げ地面に倒れ伏した

 止めを刺したのは誰の攻撃だったか・・・まあそれは些細な事である


「魔竜エドラ」の身体から黒い光が立ち昇る

 アサギはその光を目で追いかける、黒い光が上空へと流れていく

 その光が無くなった時アサギは視線を下に降ろす


 そこには「魔竜エドラ」は無く大きな宝箱が1つ置かれていた


「ふー・・・おつかれさまぁー!!!!」


 アサギの声にセッキーが座り込む


「はー・・・しんどかったわね・・・やっぱりレアは普段と変わりすぎなのよ・・・」


 まぁちゃんがセッキーに寄りかかるようにへたり込む


「ほんとほんと・・・あー・・・危なかったー、マー君があそこでDPSチェックに気づかなかったら全滅だったね」


「ほんとね、アサギちゃんのスキルにも助けられたわ、おつかれさま」


「ああ、マーリンとアサギのお陰であそこは越えられたな、お疲れ様」


「何言ってんだ、皆が火力出したから超えられたんだよ、なぁ、アサギ」


「そうそう、マーリンの言う通りだよ、ダガー君ももちろん他の皆のお陰でもあるよ!」


「そうか、いや、そうだな、確かにそうだ!」


 そうだそうだ、とアサギは笑いながら首を縦に振る


「50パーの即死攻撃と25パーのDPSチェックはちゃんと掲示板に乗せておきましょう、私達は運がよかったわ」


「だね、せっちゃんが生き残ってなかったら全体蘇生も使えなかったもんね、いやー、初見殺しを2個も持ってくるとは・・・なかなかやるな「魔竜エドラ」!」


「そのなかなかやる「魔竜エドラ」を倒したご褒美は武器が確定だ、よし、アサギ、今回も開けちゃってくれ!」


「うん!さて、なにがでるかなー!!」


 レアバージョンのダンジョンボスを倒すと出る宝箱には武器が入っている

 さて、今回は誰の装備が更新されるのか、もしくはかぶるのか?はたまた誰も装備ができない武器がでるのか?

 1番幸運を持っているのは誰になるやら

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