聖騎士と仲間の死
皆様の声を聞かせてくださると幸いです
感想、評価お待ちしております
評価、ブクマありがとうございます!
数字はあまり気にしないようにしているのですがやはり増えていくと嬉しいものですね!!
「「魔竜エドラ」!よろしくおねがいしまっす!!」
アサギは緊張した面持ちで駆け出した
相手は「悪竜エドラ」のレアバージョン「魔竜エドラ」である
ナイトマスターの時とロイヤルナイトの時のナイットンはもはや別のモブであった、だから今回も相当な差があるのだろう
だからアサギは目の前にいるちょっといつもよりもキラキラと光っている部分が多い「魔竜エドラ」を外で会った「悪竜エドラ」と同等の強さと仮定し突撃をしていく
アサギが「魔竜エドラ」に近づくとガキン!と音を立てて盾が止まった
「バリアあるよ!結構硬いかも!」
アサギの突撃を受けてバリアに少しヒビがはいる、まずはこれを壊す所から始めなくてはいけない
アサギは「魔竜エドラ」の背中を他の5人に見せる為に「魔竜エドラ」の裏に回り後ろへ向かせる、その後使える挑発スキルを全て使い準備を整えた
「魔竜エドラ」は自身で貼っているバリアに攻撃を遮られる事なく拳を繰り出してくる
どうやら魔竜とは言え攻撃スタイルはそこまで変わってはいないようだ、しかしすでに拳には黒いオーラを纏っていて拳に闇属性の追加ダメージを発生させているので「悪竜エドラ」より攻撃力は上だ
「大丈夫、このくらいなら防げるし多分躱せる攻撃もあると思う、ヘイト取れたから攻撃お願いね」
アサギからの許可が出たのでマーリン、まぁちゃん、ダガーの3人も攻撃を開始する
マーリンは遠距離から火属性の魔法を降らせ、まぁちゃんは「魔竜エドラ」の後ろに瞬間移動しいつもの連続スキルを繰り出している、唯一「「悪竜エドラ」の夢」のユニーク武器を装備しているダガーの攻撃はなかなか火力が高いようで順調にHPを削っている
立ち上がりは順調でバリアもすぐにはがす事ができた、アサギへの回復も元々のアサギの防御力や回避力の高さも手伝ってセッキーだけでも十分に足りてはいるがなにがあるのかわからないのでオネも回復を中心に行っている、たまにダメージが入りやすい光属性の魔法を使っているくらいだ
特殊行動を使ってきていないただの「魔竜エドラ」なら十分に戦えている
たまに攻撃スキルを使ってくるがスキルを使う前の行動パターンは「悪竜エドラ」と同じなのでそれが頭にしっかりと入っているアサギはちゃんと防ぐ事ができている
「フ、なんだ、楽勝みたいじゃあないか」
ロイヤルナイトに会った事がないダガーがそう思うのも仕方がないかもしれない、レアバージョンがどれほど変わるのかそれを知らないのだから
「ダガー君!余裕を持つのはいいけど気を抜いちゃだめ!まだ始まったばっかりだよ!」
「あ、ああ・・・そうだな、すまない」
HPも増えているのだろう、25パーセントを削るのもいつもより少し時間がかかっている、だが特に慌てる事もなく6人は25パーセントの前で攻撃をやめ、スキルのCTや支援を確認する
「大丈夫そうだね、じゃあ削るよ」
アサギがそう言いながら盾にたまった反撃スキルを解放する、どうやらそれで「魔竜エドラ」のHPは残り75パーセントになったようだ
「ぐおおおおおぉぉぉぉ!!!」
「魔竜エドラ」が天を仰ぎ叫ぶ、すると何もない所から影が2つほど現れた
「まじかよ!!ここで「悪竜エドラ」の思念体かよ!」
マーリンが出てきた影を見てぼやいているうちに「悪竜エドラ」の思念体の上にサインが振られる
もちろんサインを出しているのはアサギであり1体は足止め、もう1体は全力で倒し倒し終わったら足止めしている方の敵を倒すというサインが振られている
それを見たマーリンは足止めのサインの「悪竜エドラ」の思念体に移動ができなくなる魔法をかける
魔法が1発で成功したマーリンはまぁちゃんとダガーが戦っているもう1体の「悪竜エドラ」の思念体に攻撃を仕掛けつつ足止めスキルの効果時間を数えていた
そのスキルの効果が切れるか切れないかの時に次は凍結させるスキルを使い更に「悪竜エドラ」の思念体をその場に釘付けにする
凍結スキルの効果が終わる前に1体目を倒し終わった3人は凍った「悪竜エドラ」の思念体にターゲットを変え攻撃を加え始めた
本来ならこの「悪竜エドラ」の思念体に攻撃を加えているのはマーリンのみなので動き出したらマーリンを狙うはずなのだがそこはしっかりとアサギが挑発スキルを当てているので問題はない
そのまま攻撃を加えるとアサギに辿り着く前にまぁちゃんにターゲットが動いたのでアサギへのダメージが増える事もない
大勢を崩す事なく「悪竜エドラ」の思念体を2体とも対処する事に成功した
「魔竜エドラ」は叫んだ際に強化スキルもかかっていたようだ、先ほどとはそして「悪竜エドラ」とは全然違う拳の速度にダガーは驚愕する
そしてそれをしっかりと防ぎ切っているアサギにもダガーは驚いている
「強くなったけどまだまだ外よりは弱いから全然いける、このまま行こう!」
残りHP75パーセントを切った「魔竜エドラ」は単調な攻撃をする事が減り連続攻撃を行ったり尻尾を使いだしたりと攻撃のバリエーションが増えている
しかしそれをもアサギは外よりは弱いと一刀両断する
アサギからすれば見えて耐えれる攻撃をしてくる敵はなんとかなる敵なのだ
見えれば防げる、耐えれれば次の攻撃が見える、だから勝てる、これがアサギの考え方である
「相変わらずうちの聖騎士様は頼もしいな!」
「まぁちゃん、ダガー君、尻尾が結構範囲広いからそこだけ気を付けてね!」
「「了解!」」
「大丈夫よ、少しくらい食らってもちゃんと治してあげるから、アサギの後にね!」
「私もいるから大丈夫だよ、1発で死ななければね~」
「なら喰らわないようにないとな!あいにくと耐久力には自信がなくてな!」
「同じく!回避スキル貼ってるから何度かは大丈夫だけど!っと!今危なかった!危なかった!」
まぁちゃんはアサギを攻撃しようと大きく動いている尻尾に当たりそうになりながらも「魔竜エドラ」の背中に攻撃を当て続けている、連続スキルの仕様上攻撃と攻撃の間にあまり時間をかけてしまうとスキルが止まってしまうのでなかなか大変そうである
スネークソードで少し攻撃範囲が広がっているから「魔竜エドラ」が振り回す腕には当たる事はなさそうだ
同じく槍を使っているダガーも攻撃範囲が広いので腕に関しては心配はいらないだろう
しっかりと尻尾の動きを見ながら攻撃を当てれる時に当てている
今の所2人は問題なさそうだ
「さて、問題は次だ、次、どう変わるのか全く想像がつかん」
「そうだね・・・何か変化があったら皆教えてね!そろそろ50パー行くよ!」
アサギがそう宣言をして少し経つと再び「魔竜エドラ」が叫びだした
「ぐおおおおおおおおおおおぉぉぉ!!!!!」
その方向と共に「魔竜エドラ」の背中に翼が広がる、それは「悪竜エドラ」の時よりも大きかった
「高く飛んだね~」
「そうだな、「悪竜エドラ」の時より上まで行ったな」
「余裕ぶってないの!来るわよ!避けなさい!」
「魔竜エドラ」が上空から炎を吐き始める、アサギ達はそれを表す地面に光る輪っかから逃げ始める
「うわ、最初からこの大きさかよ!」
「数も多いし、こっち狙ってるのとランダムなのがあるから避けにくいね!」
「一応こっち狙いのはアサギ以外は固まって逃げた方がよさそうね」
上から降り注ぐ炎が激しさを増しいくと同時に飛んでいた「魔竜エドラ」がゆっくりと下に降りてきた
「次くるぞー、火吹きながら突っ込んでくるぞー」
マーリンが言うように「魔竜エドラ」が火を吹きながら「「悪竜エドラ」の夢」の中を縦横無尽に飛び回る
6人は「悪竜エドラ」の時よりも太く長いその四角形から必死に逃げる
「うわー、フルダイブで疲れない筈なのになんか疲れてきたかも」
「ほんと・・・そうね・・・そろそろ私は無理・・・立ち止まりたい・・・」
「まぁちゃん、オネさん頑張って!!多分もうそろそろだから!!」
「うん・・・頑張るよ、アサギちゃん・・・」
すると駆けまわっていた「魔竜エドラ」が空中で止まる
「お?すぐ降りて来てレーザーじゃないのか?」
アサギはレーザーが来ると思っていたので5人とは反対の方向にいた
「んー・・・ターゲットは私っぽいけど・・・あ、動いた」
「魔竜エドラ」は止まった所で上を向き上空に向かいレーザーを吐く、すると地面にまた光る輪っかができた
「岩が落ちてくるよー!」
幸いにも誰もいない場所に輪っかが発生したので誰も動かなかった、岩が地面に落ちた瞬間「魔竜エドラ」が翼をはためかせながら降りてくる
「岩の後ろに逃げる奴だ、これ!!!!」
マーリンが叫んだ、叫んだ瞬間5人がそれに気づき岩の後ろまで走り身を隠す
地面の中央に降り立った「魔竜エドラ」は口から凄まじい速度のレーザーを計6発吐き出した
6発、つまり1人につき1発
どうやらこの岩は1発しかレーザーを防げないらしい、固まって動いていた5人は最初にセッキーに向けて放たれたらしいレーザーを岩で防いだ後に何も身を守るものが無くなってしまったのでその身でレーザーの直撃を受ける事になる
どうやらこのレーザーは喰らってしまうと1撃で死ぬものらしい、4人はその場で倒れこんだ
「アサギ!ちょっと耐えてなさい!」
アサギは1人別行動をしていたので岩でレーザーを防ぐ事が出来た
そのアサギに「魔竜エドラ」が向かっていく
「うん!任せて!」
アサギは防御スキルを使い攻撃を避ける事に集中する、4人が死んでいる今セッキーが取ろうとしている行動は1つしかない、しかしそれは詠唱が結構長いので1人で時間を稼ぐ必要があるのだ
「今のはしょうがないわ、こういうのを初見殺しって言うのよね、次からは1人1つの岩でガードしなきゃいけないわね」
「あー・・・久しぶりに死んだー、死ぬと視界が白黒になるから割とショックでかいんだよなー」
「はいはい、いいから、全員まとめて生き返すわよ!」
「ふー・・・悪い悪い、インスタンスダンジョン内のデスペナは1分だっけ?」
「うん、最初はそうだよ、あっちゃん動き悪くなって回避できないと思うから1分だけ待ってね~」
「うん、大丈夫だよー」
「私は魔法だけなら動き遅くても唱えられるわね」
「大分火力下がるけどすこしずつ削るか」
「お待たせ、アサギ、1分耐えてね」
「うん、大丈夫、50パーは攻撃速度とか変わってないみたい、ただ尻尾で突いてくる攻撃が増えたっぽいんだけど・・・あれはダメージでかいね、さっきたまたま避けれたからダメージ喰らわなかったけどあれは動きが見えないから角度を見て予想して動かないとだ、「魔竜エドラ」の身体で見えなくなったら多分喰らっちゃうからお願いね~」
「了解!気合で避けなさい!」
「はーい!」
「魔竜エドラ」のHPは残り半分を切った、1度死んでしまった4人は次に死ぬと5分のデスペナルティを抱える事になる
特殊行動はあと1回、しかしそれを超えた後の25パーセントはまたガラッと攻撃が変わる事もある
果たしてアサギ達は「魔竜エドラ」の攻略ができるのであろうか




