聖騎士と竜の悪夢
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アサギ達は全ての小部屋を見て周った
ダンジョン内にいる「悪竜エドラ」以外のモブを全て倒したが結局中ボスらしいモブは存在してなかった
残すは「悪竜エドラ」のみだ
「貴様等カ!私ノ夢ノ中デ暴レテイル奴等ハ!食ラッテ復活ノ贄ニシテクレル!」
「「悪竜エドラ」の夢」最下層、吹き抜けの一番下に「悪竜エドラ」は居た
居たのだが・・・結論から言ってしまえば「「悪竜エドラ」の夢」に居る「悪竜エドラ」は弱かった
いや、そこまで弱かった訳ではない、だが少し前にダンジョンの外で同じ形をしていてもっと強い奴と戦ったばかりなのである、どうしても比べてしまう
アサギなどは「悪竜エドラ」が弱いと感じてしまい気合が抜けてセッキーに怒られていた
攻撃力や素早さもやはり外の方が優れているし攻撃パターンも途中までは単調ではあったが夢の中の「悪竜エドラ」はもっと単調だった、勿論HPが減る事により特殊な攻撃をしてくる事もあった
最初の75パーセントでは雑魚を5体召喚してきた、だがそれはマーリンが2体を足止め、アサギが1体を引き寄せダガーが残りの2体のタンクとして処理をし、特に問題はなかった
次の50パーセントは「悪竜エドラ」が羽を広げ高く飛びあがった、そして空から炎を吐くのでそれを躱していくギミックだ
最初のうちは攻撃範囲も狭く、丸い輪っかのみが現れていたが次第に丸が大きくなったり、攻撃範囲が長方形になりその上を「悪竜エドラ」が飛びながら炎を吐いたりと段々変わってきた
最後に地上に降りた時にもう終わりかとアサギが近づこうとしたが「悪竜エドラ」が口を開き直線のレーザーを吐いてきた、素早く横に跳ぶ事でアサギはなんとか回避する事ができたのだがもしあれが薙ぎ払うように首を動かしてきたりもっと太かったらまずかったかもしれない
最後の25パーセントの時に「悪竜エドラ」の手に黒いオーラが宿り攻撃が激しくなって雑魚モブもまた沸いてきたのだがそれでもやはり外よりも弱かったので問題なく処理する事ができた
最後らへんはやはり若干ごり押し気味ではあったのだが
「んー・・・お疲れ様・・・」
アサギは戦ってる最中からなんとなく不完全燃焼気味だった、がっかりしてるまであった
「アサギ、しょうがないだろ、あっちは適正レベルがさらに上の「ドラゴンズホール」の方の「悪竜エドラ」なんだからな」
「うん、わかってるんだけどー、わかってるんだけどー!!」
「途中でも言ったけどあまり気を抜きすぎてもだめよ、貴女がやられたら全滅する可能性だってあるんだからね」
「う、うん、ごめんね、気を付ける」
「それでもあっちゃんはちゃんとやれてたのが凄いけどね、結局「悪竜エドラ」のターゲットが他に向かう事もなかったわけだし」
「そうだね、雑魚もちゃんとヘイトとってくれたりサインつけたりしてくれたもんね」
「だめよ、まぁちゃんにオネさん、今回は成功したけど何時失敗するかわからないわ」
「おおっと、まぁちゃん藪蛇だったみたいだよ」
「あらあら、オネーちゃん、余計な事は言わない方がいいみたいだね」
「しかし説教はそれくらいでいいだろう、それよりドロップはどうなんだ?」
「あー、そうだね、ダガー君!私も気になってるんだよ!!」
「そうだな、アサギ見てくれ」
「はいはーい、む!むむむむ!!」
「お?なんだろ?なにかでた?」
「どうなの、アサギちゃん?早く教えて!」
「おめでとー、ダガー君の槍だよー!これでもっと強くなるね!!」
「ほ、本当か!?やった!・・・こほん!フ、これでさらに力を身に着けてしまったようだな!」
アサギは発言を聞いてニヤニヤしている
「よかったわね、ダガー君、装備してみたら?」
「そうだね、ダー君見せて見せて」
「あ、ああ、わかった・・・こんな感じだ」
「「「「「おー!」」」」」
「「悪竜エドラ」の夢」でドロップする武器はユニーク級でドラゴンの鱗や牙をモチーフにしている感じの作りだった
「カッコいいね、ダガー君!」
「ほんとほんと、いいなぁ、1発で出すなんてな」
「うーん・・・伸びなさそうだね、そっかぁ、ここのはスネークソードじゃないかー、折角ポジション取り慣れてきたんだけどなぁ」
「そうね、まぁちゃんはその心配もあったわね、でもやっぱり火力が優先かしらね?」
「私も伸びるのも強いのも両方欲しいなー」
「あと防具もでたよ、革だからまぁちゃんだね」
「わーい、やったー、どう?結構かっこいい感じだね」
「そうだね、ドラゴンっぽい感じで作られてるんだね」
「さてこれでこのダンジョンの攻略は終わりだけど・・・結構周回めんどくさそうね、ランダムで沸く「悪竜エドラ」の思念体を5体探してそれからようやく「悪竜エドラ」と戦って・・・でもまあ、中ボスがいないから戦闘自体は楽かしらね」
「そうだね、完全ランダムなのか何か目印があるのか次はもうちょっと観察もしてみようか」
「そうだね、じゃあ外に戻ろうか」
『皆さんこんばんわ!GMのゲマスです!クエスト「トークノ森の奥地の調査」のクリア数が規定値を突破しました、突破した事により「トークノ森の奥地」のさらに奥に「トークノ盆地」が発見されました、これによりストーリーミッション「未知との遭遇」が2週間後の日曜日、〇〇月〇〇日に開催されます、この「未知との遭遇」はレイドバトルとなっております、推奨レベルが基本職用と上位職用の2体が用意されますのでご自分のレベルにあった方へのご参加をお願いいたします、またこちらも1パーティ用のストーリーミッションが実装されますのでご参加できなかった方はそちらをプレイしていただければ幸いです、イベントについての詳細はシステム、お知らせ、イベントからご確認下さい、では本日も「まおクエ」をお楽しみくださりまことに有難うございます、GMのゲマスでした』
「イベントくるのか・・・そんなクエストあったか?」
「んー・・・知らないわね、というか調査って事はこの「シバレル雪原」の調査もクリア数次第で「悪竜エドラ」のレイド戦が実装されるのかしら?」
「あー・・・レイド戦用のボスだったからあんだけ強かったのかな?」
「あり得るかもしれない、「悪竜エドラ」は心臓を欲しがってた、あれで魔力を補給してるとして・・・プレイヤーが一定数心臓を持っていくと「悪竜エドラ」が復活して・・・」
「え?それを邪魔しちゃったのか?俺達」
「・・・黙っていればばれないだろう・・・」
「そ、そうだね!ダガー君の言う通りだね!」
「そ、そうよ!その通りよ!それになにかあっても運営がなんとかしてくれるでしょ、きっと!」
「おう!そうだな!よ、よし、とりあえず1回竜人の住処のクエストもやってから「ドラゴンズホール」の調査もして教会に戻ろう!」
「「「「「おおー!」」」」」
ここがリアルなら全員冷や汗をかいていた事であろう
6人はその後竜人の住処のクエストを消化しつつ依頼されていた「ドラゴンズホール」の「悪竜エドラ」が寝ている場所の上に調査にやってきた
「ここが言われてた所だな、なんか音聞こえる?」
「うーん・・・特に何も聞こえないけど・・・起きちゃったのかな?」
「それならそれで集落が大騒ぎしてたりするんじゃない?」
「シッ、待て・・・こっちだ、こっちから何か声らしきものが聞こえるぞ」
「Zzz・・・Zzz・・・あさぎ・・・Zzz・・・殺ス・・・Zzz・・・」
「「「「「「・・・」」」」」」
「よし!クエストが完了したから帰ろう!」
「ほんとあっちゃん変なのに好かれるね」
「アサギちゃん可愛いし強いからね」
「仕方ないな、タンクでヘイト集めてるからな」
「フ、頼もしいな」
「アサギ、頑張ってね」
「だー!もー!絶対剥製にしてやるんだから!!!!」
クエストが完了したので6人は一度集落に戻った
長に「「悪竜エドラ」の夢」をクリアした事を報告し、プレイヤーに解放してくれるようにお願いした
「そうかそうか、じゃあ君達くらいのレベル帯で竜人の住処のクエストをこなせるくらいの実力があるものに「「悪竜エドラ」の夢」を解放する事を約束しよう」
「はい、よろしくお願いします」
「で、中はどうだった?我々はあの中に「悪竜エドラ」が居た所までは確認したんだが」
「あー・・・それが・・・外の奴の方が強かったので・・・なんというか・・・不完全燃焼というか・・・」
「ははは、それは良い!本物は最初に君たちが足止めしていた「悪竜エドラ」の思念体なんかよりずっと強いぞ、楽しみにしている事だ」
「はい!絶対剥製にしてやります!!」
「あはははは!!」
長に報告を終わらせて6人は土の教会へ行く為に帰還スクロールを使いアサギの教会へと戻る
6人ともここが使いやすいと帰還スクロールに場所を指定しているのだ
「しかしあいつ寝言でアサギの事殺すって言ってたよな、またAI入りの敵に殺す認定されてるんだよな、アサギは」
「んー・・・なんか「ダクパラ」相手にするのはテンションあがるんだけど「悪竜エドラ」はちょっと微妙だなぁ・・・」
「その「ダクパラ」ってのがびっくりするくらい感情を持ってるっていった敵の事?」
「うん、そうなんだよ、オネさん、私と「ダクパラ」はライバルなんだよ!」
「ライバル・・・いい響きだ・・・」
聞こえないような小さな声で言ったダガーの声をアサギは聞き逃してはいなかった
「やっぱアサギちゃんはタンクでヘイト高いからそんなになっちゃうのかな?」
「うーん・・・どうなんだろ?んー・・・「悪竜エドラ」との戦いも楽しくなるといいんだけど・・・」
「それにはレベル上げよ、この前は助かったけど今のままじゃあ一方的にやられちゃうわよ、ちょうどイベントも来るしレベルあげちゃいましょ」
「そうだね、今レベルキャップってどれくらい?」
「一応専門職が少しだけあげれるくらいかな?多分これアサギへの配慮じゃねーかと俺は睨んでいる」
「そう言えばあの告知と一緒にレベルキャップが解放されたんだっけ、元々サービス開始時には上位職までしかできなかったのよね」
「そうそう、今思えばあっちゃんがパラディンロードになっちゃったからあげたんだろうね」
「あー、そっか、言われてみればそうかもね」
「フ、流石だ」
「うーん・・・いいんだか悪いんだか・・・そこまではまだまだ時間かかりそうだけどなるべく早くみんな専門職になれるといいよね!よーし、じゃあ報告に行って狩りだー!」
「アサギ、ここでは昼間だけどリアルはもう深夜よ、学校もあるんだから今日はもう終わりよ」
「・・・はい」
アサギははやく皆と一緒に専門職だ!と言いたかった
しかしいくらパラディンロードでも教皇でも・・・月曜日には勝てないのである




