聖騎士は夢の中で暴れだす
皆様の声を聞かせてくださると幸いです
感想、評価お待ちしております
6人は再度集落へと足を踏み入れる
そこへ先ほど手伝ってくれたであろう人から声がかかる
「おう、お前達、長が呼んでいたぞ、場所はわかるか?そうか、じゃあ確かに伝えたからな」
場所は知っていたので6人達はそのまま長のいる場所へと向かう、最初に来た時には入れなかった長の屋敷の中にはいり案内されるままに部屋の中にはいった
「君たちが先ほど「悪竜エドラ」の思念体を倒すのを助けてくれた外遊人達か、話は聞かせてもらったよ、さあ座りなさい、飲み物を用意させよう」
中にはさっきのパラディンも座っていた
「おう、はやかったな、一応報告はしておいたぞ」
「あ、先ほどはどうも~」
「早速だが「悪竜エドラ」の思念体について話がしたい、奴が何処から来たか知っているかな?」
長の質問に対しアサギは集落の隅の方に居た事、復活を早める為に心臓を集めていた事などを話した
「そうか・・・そんな所に・・・あそこは集落の中とは言えここから離れている、普段は誰も近づかないような所だ、復活は多少早まっているのかもしれないがまずは被害がでなくてよかった」
「それより「悪竜エドラ」がそんな事をしているという話を俺は聞いた事がない、俺はここに派遣されてそこまで長い訳じゃあないが長は違うだろう?どうなんだ?そんな話を聞いた事があるか?」
「いや、儂もそんな話は初めて聞いた、相手はあの「悪竜エドラ」だ、奴が復活を早める為に人を使うなどと・・・だがお陰でそれは止められそうだ、今度この辺で不審な竜人からクエストを持ちかけられたらすぐに知らせるようにしておく必要があるな、みすみす奴に力を付けさせる訳にはいくまい」
「そうだな、それに俺達が駆け付けた時は結構魔力を使っていた様子だった、もしかしたら逆に復活するまでの時間を長引かせる事が出来たかもしれない」
「そうか、外遊人の皆さん、君達はこの世界の為によくやってくれた、見た所「悪竜エドラ」の思念体は相当格上だったと見える、それなのに本当によくやってくれた、君達の事は王都へしっかり伝えておこう」
「いえいえ、そんな、私達が余計な事を言ったから「悪竜エドラ」が攻撃をしだしてきただけなので」
「だがそれのお陰で竜人の正体が「悪竜エドラ」だとわかり「悪竜エドラ」の思念体を打ち倒す事ができたのだ・・・実は最近奴の封印が解けかけてきているのだよ、このままだとすぐにも封印は解けていたかもしれない、解けたからと言ってすぐに「ドラゴンズホール」から出てくるとは思えないが・・・・それでも奴と戦う時間を稼げたのは大きい事なんだ、昔奴には王都を滅ぼされかけた事があるんだ、相当な昔だけどな、だからここで奴の事を監視しているという訳だ」
その後もアサギ達は「悪竜エドラ」と「ドラゴンズホール」についての話を聞いた
まだ実装されている訳ではないし推奨レベル的にも足りてないはずなので話を聞くだけなのだが
「所で君達、「悪竜エドラ」の強さを目の当たりにしてどう思ったかな?」
「そうですね・・・いつか強くなって「悪竜エドラ」の剥製でも家に飾りたいな、と思いました」
「「悪竜エドラ」を剥製に?ハッハッハ!それはそれは今後が楽しみだな!」
「出来上がったら見せに来ますね」
「ハッハッハ、それは楽しみだ!しかしそれならば君たちはい今よりももっともっと強くなる必要があるな」
「そうですね、竜人の住処でレベル上げをする予定だったんです」
「そうか、よし、君たちは「悪竜エドラ」の思念体と戦えるだけの実力があるんだ、竜人の住処の奥にある時空の扉について教えよう」
「時空の扉?」
「ああ、外遊人的にはインスタントダンジョンと言うんだったかな?」
それを聞いたアサギはガバッと立ち上がる
「お!お願いします!!」
「こら、アサギ、失礼よ」
「あ、ご、ごめんなさい」
「なに、構わん構わん、この扉の中にいる敵は全てが竜人だ、殺傷力が強くこの世界の人間ではあまりにも危険すぎるのでここの集落の人間が管理し誰もはいらないようにしていたんだ、だが君達のような外遊人なら死ぬ事はないんだろう?だからまずは君達に入ってもらい君達の助けになるのなら他の外遊人にも開放しようと思う」
「ほんとですか!?ありがとうございます!早速行ってきます!」
「そうかね、では最初くらい案内を付けようか」
「ああ、じゃあ自分が案内しよう」
パラディンがそう言うとアサギの顔がみるみる喜色に染まる
「ありがとうございます!!」
「そうか、行ってくれるか、ならば道中も大丈夫だろう、その時空の扉は「悪竜エドラ」を封印して少し経ってから発生したんだ、だから我々はそこを「「悪竜エドラ」の夢」と名付けた、中から竜人が出てくる事はないから奥底まで調査をした訳ではない、危険だと思ったらすぐに引き返しなさい、いくら死なないとはいえ無理をする必要はないんだからな」
「ありがとうございます!」
「ああ、強くなってこい」
「はい!行ってきます!!」
アサギ達は長の屋敷を出る
「本当にすぐ行くのか?準備とかは大丈夫か?」
パラディンが聞いてくるのでアサギは全員の顔を一人ずつ見る
5人とも大丈夫だという顔をしている
「大丈夫みたいです!お願いします!」
「そうか、じゃあ行くか、目指すは竜人の住処の奥地だ」
パラディンを先頭に6人はまた雪の上を歩きだす、どうやら目の前にいるパラディンは相当な格上のようだ、竜人の住処にいる竜人は人間を見つけたらすぐに攻撃をしてくるアクティブモンスターなのに誰一人近づいて来ない、竜人の表情はわかりにくいが明らかに恐怖を感じているのをアサギ達は理解できた
お陰でそのインスタントダンジョンに行くまでの時間はそれほどかからなかった
インスタントダンジョンの入り口には封印が施されているようでそのままでは入れないがすぐに「「悪竜エドラ」の夢」へ行くと言ったアサギ達に長が渡してくれた光る石を持っていると封印を通り抜けれる事ができた
「じゃあ俺はここまでだな、無理はするなよ」
「はい、ありがとうございました!」
「ああ、「悪竜エドラ」の剥製、楽しみにしてるぞ」
「はい!絶対に見せに行きます!」
パラディンは笑いながら元来た道を戻っていった
「さて・・・またインスタントダンジョンの発見者になってしまった訳ね」
「え?そうなの?どこ?」
「「骨の迷宮」だよ、オネさん知ってる?」
「ああ、掲示板で見た見た、へー、あそこの発見者ってアサギちゃん達だったんだ、お世話になりましたー」
「独占しようとかは思わなかったのか?」
「うーん、一応ちょっとは頭に浮かんだんだけどね、でもさ別に中で他のパーティの人に会う訳じゃないじゃん?インスタントダンジョンだし、だから言っていいんじゃないかなー?って、ダガー君なら言わなかった?」
「んー・・・ソロクリアできる筈がないからきっと広めるだろうな」
「あー、そういう事もあるか、私達は最初から3人だったからそれは考えなかったな」
「で?今回も公表するのか?」
「あ、セッキーどうする?」
「うん?別に言っちゃって構わないんじゃない?私達だけ強くなっても意味ないしね、「王都襲来」はNPCに外遊人を信用してもらう為に起こしたイベントだとは思うけどもしあれがレイド戦だったとして私達だけのレベルが突出していたらどうなると思う?早く進めすぎるプレイヤーが出るのはまずいと思わない?もしトッププレイヤーのレベルがもう専門職にクラスチェンジできるレベルでそこにイベントででてくるレイドボスのレベルが合わされちゃったとしたら?1パーティいたとしてもきっと勝てないわよ、だから皆で強くならないといけないわね」
「なるほど、確かにな、「王都襲来」は周りに同じようなレベル帯の奴がいっぱいいたからいいけどあれを1パーティで対処しろとなると・・・王都ぶっ壊されてたかもしれないな」
「そ、でも今回は私達が攻略して助けになると判断したら解放するとも言ってたわ、まだこの「シバレル雪原」にも竜人の住処にも来てない人はいっぱいいるけどインスタンスダンジョンがあるってわかったらきっと人が増えるでしょうね」
「そしたら竜人の住処を通りやすくもなるかもね」
「そうね、まぁちゃん、その方が私達にとってもプラスだわ、いちいちさっきの道を敵を倒しながら進んだら相当時間かかるわよ」
「そうだな、どうせモブはダンジョンの中にいるんだ、別に外で戦う必要もない」
「じゃあとりあえず攻略して助けになりますよー、って言いに行かないとね」
「そうね、大分予定が変わっちゃったけど出発しましょうか」
「「「「「おおー!」」」」」
「「悪竜エドラ」の夢」の中、そこは洞窟の中のようだ
「もしかしたら「ドラゴンズホール」と同じ造りかもしれないわよ、なんたって夢を見てる本人?本竜が住んでるのが「ドラゴンズホール」だからね、夢でも同じ洞窟に住んでてもおかしくないわ」
「なるほど、1つのダンジョンで2つのレベル帯を遊ばせる・・・か」
「こらこら、メタい事言っちゃだめだよ、マー君」
「そうそう、運営側も大変なんだよ」
「まあ、確証はないけどね、今の発言を聞いて「ドラゴンズホール」実装する時に慌てて造り直すかもしれないわよ?」
「私が夢にみるならもっといい部屋の夢見るんだけどな~」
「あはは、アサギちゃんの言う通りね、折角の夢なら私もそうするわ」
「ねー、そうだよねー、オネさん」
「あはは、確かに違いないわね」
6人は洞窟を奥へ向かう、「ドラゴンズホール」は下に向かって伸びるダンジョンだと誰かが言っていた気がする、この夢の中の「ドラゴンズホール」もどうやらそうみたいで入り口から早速下へ向かって道が伸びていた
「早速第一竜人発見!!」
「第一ってより第三まで一緒に居るわね、どうする?」
「第一と二を私が持つから第三をダガー君タンクで先に処理、それから一、ニ、かな」
「ああ、わかった、なら初手はアサギさんだな」
「うん、第三が遠距離だからとりあえずこっちに引っ張るね、そしたらダガー君よろしくね」
「任せろ」
「よーし、じゃあ「「悪竜エドラ」の夢」!攻略始めるよー!
「「「「「おおー!」」」」」
アサギは光の腕を使い頭上に「3」とサインされた弓を持った竜人を手元に引き寄せる
アサギ達の新しいインスタンスダンジョン攻略が今火ぶたを切る




