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聖騎士と雪原の出会い

皆様の声を聞かせてくださると幸いです

感想、評価お待ちしております

 6人は談笑しながらフィールド「シバレル雪原」へ入った

 予定通りの隊列を組みながら少しずつ連携を深めつつ奥へ奥へと進んでいく


「そろそろ竜人の住処の前にある集落につくわ、多分だけどクエストとか貰えると思うから寄っていきましょう」


 道筋が決まっているゲームという物は目の前に住居や集落があればお使いやクエストを頼まれるものである、もちろん「まおクエ」だってそうだ、それがセオリーというものだ

 だからセッキーの言葉に反対する人間など1人もいなかった、6人は並んで集落へと入っていく


「とりあえずクエストをくれそうな人は・・・一番偉い人かどこかのギルドから派遣されてきた人ね、そこまで広い訳じゃないから手当たり次第に挨拶と竜人の住処の事を聞いてみましょう」


 その集落では「悪竜エドラ」がもし起きてしまった時に王都へ伝える為の物であり20人ほどが暮らしていた

 アサギ達は片っ端から話しかけ竜人を倒して来いだのアイテムを持ってこいだのというクエストを受けていく、だがしかし集落の隅の方で話しかけたNPCが依頼してきたクエストに頭を悩ませる事になる

 そのNPCの依頼を保留としアサギ達は少し距離を置いた


「どうするんだアサギ、言葉が理解できるとは言え一応敵種族の竜人のクエストなんか受けていいのか?」


 そう、そのNPCは集落の住人ではなく竜人の住処から逃げ出してきた竜人だったのだ


「うーん・・・氷狼の心臓とアイスオーガの心臓を集めてこい、か・・・」


「お腹がすいたとか言ってたけど絶対これ何かに捧げる、とかそういう感じだよね」


「ゲーム的に言うと私達が「悪竜エドラ」の復活に手を貸しちゃいました的な流れでしょうね」


「だが俺達がやらなくても他の奴らがやっていくだろう、報酬はわりと美味しいし期間限定かもしれない、やって損はないと思うが?何故迷うんだ?」


「そうだね、ダガー君の言う通りだね・・・うーん・・・」


「あー、オネさんとダガー君はわからないと思うけどね、あっちゃんはパラディンとか聖騎士に憧れててね、多分悪い方向に話が進むだろうな、って事に抵抗があるんだよ」


「ああ、なるほど、別にアサギちゃんがやりたくないなら私はいいわよ?」


「フ、信念ならばそれもいいだろう」


 アサギは目を輝かせながらダガーを見る、アサギは厨2な発言が大好物であった


「ど、どうしたんだ?」


「ううん!なんでもない!!ごめんね、皆!ちょっと私にはできないや!」


「ダガーとの対戦で喉に思いっきり剣を振り下ろしてた奴の発言とは思えないな」


「うーん、いつか「悪竜エドラ」は起きるとは思うんだけどね、私の聖騎士道的になんというか・・・ごめんね」


「大丈夫だよ、あっちゃん、気にしないで」


「そうそう、聖騎士道?がよくわからないけどアサギちゃんがそんなに悩むならいいのよ」


「ふむ・・・なあ、あの竜人を倒せば「悪竜エドラ」が復活しないんじゃないか?誰かに見つかったら殺されるとか言ってただろう?だから倒してもいいNPCなんじゃないか?」


「なるほど・・・確かにダガー君の言う事も一理あるわね、まあ、そうなるとストーリーの大筋を切っちゃうからどうせ復活はするでしょうけどね」


「確かに攻撃をせずに話しかけてくるだけの敵である事は間違いないな、もしかしたら住人が此処にきて襲われる可能性もある、やるか?」


「このゲーム倒せる相手と倒しちゃいけない相手が明確になってないからね、種族だけで考えるとやっちゃった方がいいとは思うけど?あっちゃんはどう思う?」


「あの竜人の事を集落の人に教えたら倒しにくるのかな?うーん、竜人を倒せってクエストもあるくらいだし・・・どうせ復活すると思うけどやってみようか、集落の人が1人でここら辺にきても危ないしね、あ、でも一応心臓を何に使うかだけ聞いていいかな?」


 5人は首を縦に振った

 アサギ達はクエストを依頼してきた竜人の元へ戻る


「ねぇ、竜人さん、貴方この心臓どうするの?」


「ダカラサッキモ言ッタダロウ、オレハオ腹ガスイタ、ダカラ心臓ヲ食イタインダ」


「「悪竜エドラ」が食べるんじゃないのかしら?」


「バカナ、「エドラ」様ハ今寝テイルンダ、寝ナガラドウヤッテ飯ヲ食ウンダ?」


「そう言えば寝てるかどうか調査する依頼も受けてたね、私達」


「ナンダト?ソレナラ行ク必要ハナイ、「エドラ」様ハ今デモ寝テイラッシャル」


「ふーん、なんで心臓なんだ?」


「ソレハ心臓ハ活力ニ満チテイテ美味イカラダ」


「狼とオーガの心臓どっちが美味しいの?」


「ソンナ事ハドウデモイイダロウ、早ク持ッテ来テクレ」


「ふーん・・・「悪竜エドラ」が寝てるうちに腹ごしらえねぇ・・・」


「ソンナ言イ方ヲスルンジャアナイ」


「ねぇ、「悪竜エドラ」ってどんな竜なの?強い?」


「「エドラ」様ハ最強ノ竜ダ、誰ヨリモ強イ」


「ふーん、その「エドラ」が寝てるのを良い事にご飯を食べるなんてねぇ」


「ダカラソレハモウイイダロウ!早ク持ッテ来イ!」


「寝てる今なら「悪竜エドラ」とは言え余裕で殺せるだろうな」


 マーリンの言葉に竜人の目の色が変わる


「ホウ・・「エドラ」様ヲ余裕で殺セルダト・・・?」


「まあ、寝てるならな」


「ソウダナ、「エドラ」様ハ寝テイルカラナ・・・寝テイルカラ・・・コンナ屑ノヨウナ人間共ニ!!!」


 竜人の纏う空気が一変に変わる、それを感じアサギが戦闘態勢にはいると他の5人も少し遅れて戦闘体勢にはいる

 竜人は立ち上がり一番近くにいたセッキーに拳を振るおうとした、しかしそれを黙ってみているアサギではない

 光の腕で竜人を引き寄せる


「私が生きてるうちはセッキーに攻撃は通らないと思った方がいいよ!」


 アサギはそのまま腹に盾をぶつけダガーのいる方向へ吹き飛ばす、ダガーはそれに合わせてスキルを発動させ5回ほど連続で竜人を槍で突く

 気が付けば竜人の頭上にHPバーが見える、これはマーリンのスキルによるものでボスモンスターであるという証拠でもある

 ダガーのスキルによる攻撃を喰らいふらつく竜人の背中にまぁちゃんが瞬間移動してきて攻撃を開始する、まぁちゃんも連続スキルによる攻撃を最初から最後まで当てる事に成功し竜人のHPはかなり削れてきている


「貴様等!許サンゾ!殺シテヤル!」


 竜人が叫ぶ、叫ぶと同時に竜人から強烈な光がほとばしる

 アサギ達は全員強烈な光を受け目を隠した、光の気配が消え全員が竜人の方に目を向けるとそこには竜人は存在していなかった


「グオオオオオオォォォ!!!!!」


 代わりにその場には竜人と同じ鱗の色をした1匹の竜がアサギ達を睨みつけている


「あっちゃー・・・まじかぁー・・・」


 最初にまぁちゃんがそれに気づく、視線は目の前の竜の頭上のHPバーのさらに上、その竜の名前である


「「悪竜エドラ」の思念体・・・かよ・・・」


「まさか本当に出会っちゃうなんて・・・」


「これが「悪竜エドラ」か!!か、かっこいいな!」


「ダガー君、わかるよ、気持ちはすごくわかるけど、今はだめよ?」


「ハッ!す、すまない、オネさん」


 5人が目の前の竜の正体が「悪竜エドラ」だと気づいて呆気に取られていた時、アサギはすでに戦闘準備を完了させていた


「すー・・・はー・・・すー・・・はー・・・よしっ!!」


「アサギ?やれるのか!?」


「こいつを放っておくと集落がまずいかもしれない、やれるだけやろう、ごめんね、私の我儘でこんな事になっちゃったけど・・・お願い、力を貸して」


「何言ってるのよ、アサギ、そんな事当然だわ」


「セッキーの言う通りだ、言われるまでもない」


「そうだよ、あっちゃん今更お願いだなんて水臭いぞ」


「ふふ、私もやる気十分よ」


「フ、ドラゴンスレイヤーは俺の夢の1つでもあるしな」


「ありがとう皆・・・じゃあ本気で行くよ!」


 アサギはパラディンロードの剣を構える、すると「悪竜エドラ」がそれを恨みがましそうに睨む


「ソノ剣ハ!貴様ぱらでぃんろーどカ!!」


「正解!私は7番目にして最初の神!創造神ウミノピーの教会の教皇にしてパラディンロード!まずは喰らえ!創造神の御業が一、奇跡の一、天罰!」


 目の前の竜に空から雷が降り注ぐ、ダメージは確かに通るようだ、アサギはそれを確認した後に駆けだす


「「悪竜エドラ」!私の名前はアサギだ!よろしくおねがいしまあああす!!!」


 アサギは相変わらず挨拶をしながら「悪竜エドラ」に盾を構えながら突進していく、その光景を見た事がある3人は自分のポジションへと移動する、見た事がなかったオネとダガーは数秒遅れてから移動を開始した


「グオオオオォォォ!!!!」


「悪竜エドラ」は人間のような身体つきをしている竜である、なので攻撃方法は武器を持っていない人間と同じような方法だ

 しかし「悪竜エドラ」には鋭い爪に硬い鱗がある、それにより防御を顧みずに激しくアサギに攻撃をしかけてくる

 しかしアサギも負けてはいない、次々と襲い掛かる「悪竜エドラ」のパンチを盾で防ぎなんとかその場を、戦闘を保ち続けている


「結構!重たい!まぁちゃん、ダガー君、尻尾に気を付けてね!当たるとダメージでかいよ!」


「「了解!!」」


 アサギはパラディンロードの剣に光属性を付与すると「悪竜エドラ」の攻撃を盾で防ぐと共に斬り付ける、VITをSTRに乗せさらに光属性を付与したパラディンロードの剣による通常攻撃である、その攻撃は「悪竜エドラ」の鱗を切り裂き大きくダメージを与える事に成功する

 しかしその攻撃は「悪竜エドラ」のHPの総量から言えば微々たるものである、しかもまぁちゃんとダガーの攻撃は鱗に阻まれ大したダメージを与える事ができていない、「悪竜エドラ」が闇属性を持っているからか魔法ダメージに耐性を持っているからなのか、流石にそこまではわからないがマーリンの魔法もいつもよりダメージの通りが悪いようだ、光属性の魔法と言えばセッキーも持ってはいるがアサギへの回復でいっぱいいっぱいである


 状況は悪い、かなり悪い、だがアサギの口元は笑っている

 アサギ以外の5人全員が諦めてなどいなかったから


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